今季限りで退任する矢野燿大監督(53)の「レギュラーシーズン最終戦」は、ベンチ入り26人をすべて使い切る異例の全員野球で「3-3の引き分け」に終わった。 143試合を戦い「68勝71敗4分けの借金3」。「3位」でクライマックスシリーズへ駒を進めた。午後 2時 1分開始のデーゲームも 4時間10分の大熱戦。日が暮れた中で矢野監督があいさつした。CSを突破し「日本シリーズ」で甲子園に帰ってくることを誓った。満員の右翼席からは、ベンチ奥へ矢野監督の姿が消えるまで「矢野コール」が鳴りやまなかった。

今季限りで退任する矢野燿大監督が「日本シリーズの甲子園決戦」を誓った。「シーズン最終戦」は、延長の末にベンチ入り26人をすべて使い切る「異例の全員野球で執念ドロー」。 1人でもケガをすれば「没収試合」という綱渡り采配だった。ライト席から自然発生的に「矢野コール」が起こった。最終戦スピーチを終えてファンの声援に応えた矢野監督は、 1度ベンチに戻り掛けた。それでも鳴り止まないコールに、グラウンドに戻るとガッツポーズで応えた。感謝と決意の矢野ガッツだった。聖地で「矢野コール」を浴びた指揮官は「下克上を宣言」。 8日から「2位」横浜DeNAとの「クライマックスシリーズ(CS)、ファースト・ステージ(横浜)」に臨む。ひやひやドキドキ。最後までジェットコースターのようなシーズンだったが、矢野監督は晴れやかだった。もう失うモノはない。「奇跡のドラマ」を巻き起こして再び甲子園で右手を突き上げる。

佐藤輝明内野手(23)が、「チーム唯一となる全試合出場」で 2年目のレギュラーシーズンを締めくくった。この日は「6番右翼」でスタメン出場し「4打数無安打」だった。試合は延長12回、 4時間超えの熱闘の末、引き分けに終わった。大卒 2年目以内の野手では81年岡田彰布氏(64)、05年鳥谷敬氏(41)に次ぎ球団 3人目。いずれも 2年目で達成しており、「球団のレジェンド」に続く記録となった。今季は「開幕4番」でスタート。「昨季24本だった本塁打」は、「2年目20本」でフィニッシュした。ただ、本塁打以外の数字は軒並み良化。「173あった三振数」は「137」に激減。打率、打点、安打数などほぼ全ての成績が 1年目を上回った。昨季は「NPB野手ワースト」となる「59打席連続無安打」とどん底を味わったが、今季は「長期スランプ」なく乗り切り、「新型コロナ感染」や「故障離脱」もなかった。強い体とたくましい精神力が光った。

阪神 2年目の髙寺望夢内野手(19)が、 1軍公式戦では「プロ初」となる甲子園での安打を放った。両軍無得点の 6回先頭。東京ヤクルト・サイスニード投手(30)の高め 148キロを振り抜くと、左翼フェンス直撃の 2塁打となった。その後、一死 3塁となり「9番」島田海吏外野手(26)の 1ゴロで本塁突入。ヘッドスライディングも間一髪タッチアウトとなった。矢野監督がリクエスト要求するも判定は覆らず。ただ、若さあふれるプレーで甲子園のファンを魅了した。

阪神 2年目の榮枝裕貴捕手(24)が、「プロ初打席で劇的な初安打」を決めた。 9回。ヤクルトの守護神、スコット・マクガフ投手(32)を攻め立て 1点差に迫り、なおも二死 、 2塁。ベンチ入り野手は残り榮枝だけで、投手小林慶祐投手(29)のところで代打起用された。これが「プロ初出場初打席」となった。 2ボール 2ストライクから、最後は外角高め 154キロ直球を右前打。 2塁走者がかえり「同点適時打」となった。「プロ初安打初打点」。榮枝は 1塁ベース上でガッツポーズし、記念は 1塁ベンチへと回収された。ベンチの仲間、スタドのファンは総立ちで祝福した。20年「ドラフト4位」で阪神に入団した「佐藤輝明世代」の 1人。同期入団の佐藤輝、中野拓夢内野手(26)、伊藤将司投手(26)は 1年目から活躍。自身は昨季、「右肋骨(ろっこつ)の疲労骨折」を 2度も経験した。即戦力として期待されながらも昨年は故障に泣かされてきた。矢野監督の現役時代の「背番号39」を受け継ぐ「将来の正捕手候補」が、レギュラーシーズン最終戦の二死からチャンスをものにした。反骨心が原動力だった。「初ヒットの記念球」は地元高知の両親に贈る予定。CSでも「持ってる男」が鼻息荒く出番を待つ。

西純矢投手(21)は「王者」東京ヤクルト相手の秘密兵器となりそうだ。この日は先発で 3イニングを「3奪三振1安打無四球」で無失点。わずか34球で内野安打 1本にまとめ、納得した。高卒 3年目の今季は14試合登板で「6勝3敗、防御率2.68」と大きく飛躍。中でも東京ヤクルト戦には「3試合先発で無傷の2勝、防御率1.59」と好相性を誇る。矢野監督は絶賛。「2位」横浜DeNAとの「CSファーストステージ」を勝ち上がれば、「ファイナルステージ」で先発マウンドに上がる可能性が高い。

湯浅京己投手(23)が、「最優秀中継ぎ賞」を獲得した。両軍無得点の 4回に登板し、 1回無失点で「43ホールド目」を手にし、中日ロドリゲスと並ぶ「45ホールドポイント」を挙げた。球団では17年の桑原謙太朗とマテオ以来、 5年ぶり 6人目。「独立リーグ出身」の投手では「史上初のタイトル獲得」となった。 4年目の今季はチームトップの59試合に登板し、「2勝3敗、43ホールド、45ホールドポイント」だった。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 3- 3ヤクルト=12回規定により引き分け>◇25回戦◇阪神11勝13敗 1分◇ 2日◇阪神甲子園球場

 今季限りで退任する矢野燿大監督の「レギュラーシーズン最終戦」は、ベンチ入り26人をすべて使い切る異例の全員野球で「3-3の引き分け」に終わった。 143試合を戦い「68勝71敗4分けの借金3」。「3位」でクライマックスシリーズへ駒を進めた。

 午後 2時 1分開始のデーゲームも 4時間10分の大熱戦。日が暮れた中で矢野監督があいさつした。

 今季最終戦を終えファンにあいさつをする矢野燿大監督=阪神甲子園球場

 「まずは今シーズンもコロナ禍の中、この甲子園には『日本一の数の阪神タイガースファン』のみなさんに来ていただきました。ビジター球場でも、テレビ、ラジオ、いろんなところでも『日本一の応援』をしていただけたことに心から感謝申し上げます」とファンに感謝した。

 「昨日( 1日)『3位』が決定した瞬間、僕の気持ちは『(勝率が)5割にも達していないな』『3位だったけど、喜んでいいのかな』そのような気持ちもありました。でも、僕の正直な気持ちはめちゃくちゃうれしかったです」と正直な思いをスタンドの虎党へ伝えた。

 試合後、矢野燿大監督への幕が掲げられた=阪神甲子園球場

 「『開幕9連敗、借金最大16』。そのような中でも選手があきらめず戦ってくれることにこのチームの成長を感じます」とナインをたたえた。

 「僕は監督に就任してずっと夢と理想を掲げてきました。苦しくても楽しもうぜ、あきらめずに挑戦しようぜ、転んでも1歩前に出ようぜ、そういう理想と夢をずっと掲げてきました。そして、コーチ、スタッフもその思いを持って、選手の背中を押し選手たちもそれについてきてくれて、この『3位』を取れたと思います」。

 今季レギュラーシーズン最終戦を終えスタンドからの「矢野コール」に矢野ガッツで応える矢野燿大監督=阪神甲子園球場

 「この選手たちが粘りに粘って取ってくれた『3位』。もう 1度この甲子園に帰ってくるには、『日本シリーズ』になります。僕の大好きな選手たちと、満員の甲子園で『日本シリーズ』をやれることを思い描き、横浜スタジアム、神宮と僕たちの野球で挑戦してきます。今までもみなさんには本当に感謝、感謝です。でも、もう少し、僕たちと一緒に戦ってください。最後までどうぞよろしくお願いいたします」と、CSを突破し「日本シリーズ」で甲子園に帰ってくることを誓った。

 満員の右翼席からは、ベンチ奥へ矢野監督の姿が消えるまで「矢野コール」が鳴りやまなかった。

 

 今季限りで退任する矢野燿大監督が「日本シリーズの甲子園決戦」を誓った。「シーズン最終戦」は、延長の末にベンチ入り26人をすべて使い切る「異例の全員野球で執念ドロー」。 1人でもケガをすれば「没収試合」という綱渡り采配だった。聖地で「矢野コール」を浴びた指揮官は「下克上を宣言」。 8日から「2位」DeNAとの「クライマックスシリーズ(CS)、ファースト・ステージ(横浜)」に臨む。

◇    ◇    ◇

 ライト席から自然発生的に「矢野コール」が起こった。最終戦スピーチを終えてファンの声援に応えた矢野監督は、 1度ベンチに戻り掛けた。それでも鳴り止まないコールに、グラウンドに戻るとガッツポーズで応えた。「あれだけコールをしてもらえるとね。黙って帰るわけにはいかない。もちろん、もう 1回ここに帰ってくる気持ちなので、最後というより感謝の気持ち」。感謝と決意の矢野ガッツだった。

 試合後、ファンの拍手に応える矢野燿大監督(中央)=阪神甲子園球場

 あわやの事態だった。 6回に 1点を先制するも、 9回にケラーが打ち込まれ試合をひっくり返された。その裏に梅野、榮枝のタイムリーで「今季16度目の延長戦」に突入も、この時点でベンチに残っているのは才木 1人だけ。調整の意味合いもあって選手をつぎ込んでいただけに、「いやー、ドキドキした。最後の試合が『没収試合』になったらどうしようかなっていうね」と肝を冷やした。

 前夜に巨人がDeNAに敗れて「4年連続のAクラスが確定」した。「開幕9連敗」から始まったシーズンは 143試合を終えて「68勝71敗4分けの借金3」。今季限りで退任する矢野監督は「『5割』にも達していない。『3位』だったけどいいのかな。そのような気持ちもありました。でも、僕の正直な気持ちは、めちゃくちゃうれしかったです」と大観衆の前で偽らざる思いを明かした。

 今季最終戦を終えファンにあいさつをする矢野燿大監督=阪神甲子園球場

 ひやひやドキドキ。最後までジェットコースターのようなシーズンだったが、矢野監督は晴れやかだった。「僕らは挑戦者。選手たちがまだ野球をやれる時間をつくってくれた。その試合を味わいながら、思いっ切り楽しみながら、そして挑戦して。そういう野球をしていきます」。もう失うモノはない。「奇跡のドラマ」を巻き起こして再び甲子園で右手を突き上げる。

 今季「甲子園最終戦」を終えファンに手を振る矢野燿大監督=阪神甲子園球場

▼今季の阪神は「開幕から9連敗」を喫した。「開幕から7連敗以上」した過去 7チームの最終順位は54年広島と02年千葉ロッテの「4位」が最高。「Aクラス入りしたチーム」がなかったが、今年の阪神は「開幕9連敗」から「3位」。「Aクラス入り0%」の負のデータを覆したシーズンとなった。

 試合後、ファンの拍手に応える矢野燿大監督=阪神甲子園球場

○…シーズン終盤まで「最多安打争い」を演じた近本と中野は、「タイトル獲得」とはならなかった。中野は「マルチ安打」を放つも「157安打」、近本は「154安打」。この日を終えた時点で「リーグトップ」中日岡林の「161安打」に及ばなかった。中野は「収穫としては打席での対応力」とレベルアップを実感。「最後まで『日本一』を目指して監督を胴上げできるように頑張っていきたい」とうなずいた。また、近本は「30盗塁でリーグ1位」。「2位」東京ヤクルト塩見、中日岡林に「6個差」で、「2年ぶりの盗塁王」をほぼ確実とした。

  9回裏阪神二死 1、 2塁、代打榮枝裕貴捕手は右前適時打を放ち同点とする=阪神甲子園球場

○…高卒 2年目の髙寺は「甲子園初安打」で沸かせた。「7番2塁」で先発。 0- 0の 6回、先頭でサイスニードの 148キロ直球をたたき、「左翼フェンス直撃の2塁打」から先制点の流れをつくった。ただ、同点で迎えた 9回裏二死満塁では 5球ファウルで粘った末に空振り三振。「(甲子園で) 1本打てて良かった」としながらも「他の打席で打ちたかった思いが強いです」と納得しなかった。

 

 佐藤輝明内野手が、「チーム唯一となる全試合出場」で 2年目のレギュラーシーズンを締めくくった。この日は「6番右翼」でスタメン出場し「4打数無安打」だった。試合は延長12回、 4時間超えの熱闘の末、引き分けに終わった。

 大卒 2年目以内の野手では81年岡田彰布、05年鳥谷敬に次ぎ球団 3人目。いずれも 2年目で達成しており、「球団のレジェンド」に続く記録となった。

 試合後には「ホームランを増やすということができなかったので、それは来年に向けて頑張ります」とコメント。「全試合出場」については「多く試合に出られたということなので、すごくうれしいですし、この先も続けていきたい」とうなずき、「去年もそうですけど、毎日、同じように体は動かないので、そこらへんの感覚、調整、体調管理の面がまだできることはあるんじゃないかなとは感じました」と振り返った。

  5回裏阪神二死、佐藤輝明内野手は右飛を打ち上げる。投手はサイスニード投手=阪神甲子園球場

 今季は「開幕4番」でスタート。「昨季24本だった本塁打」は、「2年目20本」でフィニッシュした。ただ、本塁打以外の数字は軒並み良化。「173あった三振数」は「137」に激減。打率、打点、安打数などほぼ全ての成績が 1年目を上回った。

 昨季は「NPB野手ワースト」となる「59打席連続無安打」とどん底を味わったが、今季は「長期スランプ」なく乗り切り、「新型コロナ感染」や「故障離脱」もなかった。強い体とたくましい精神力が光った。

  8日からは「クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ」のDeNA戦(横浜)。「昨季のCSファーストステージ」は「3位」巨人に連敗し、敗退。佐藤輝自身は 2戦目で「適時2塁打」を放ったが、初戦は代打での出場にとどまるなど「不完全燃焼」だった。

  8回裏阪神無死、佐藤輝明内野手は中飛を打ち上げる。投手は竹山日向投手=阪神甲子園球場

◆佐藤輝明内野手の1年目と2年目の主な成績比較 ※項目、1年目成績→2年目成績

▼試合 126→143

▼打率 2割3分8厘→2割6分4厘

▼打席 455→603

▼安打 101→143

▼二塁打 25→35

▼三塁打 0→8

 

  8回裏阪神無死、佐藤輝明内野手は中飛を打ち上げる。投手は竹山日向投手=阪神甲子園球場

▼本塁打 24→20

▼打点 64→84

▼得点 56→70

▼三振 173→137

▼四球 25→51

▼盗塁 6→11

▼出塁率 2割8分4厘→3割2分8厘

▼得点圏打率 2割4分5厘→2割5分

 

 阪神 2年目の髙寺望夢内野手が、 1軍公式戦では「プロ初」となる甲子園での安打を放った。

 両軍無得点の 6回先頭。ヤクルト・サイスニードの高め 148キロを振り抜くと、左翼フェンス直撃の 2塁打となった。

  6回裏阪神無死、髙寺望夢内野手は 2塁打を放ちガッツポーズをする=阪神甲子園球場

 その後、一死 3塁となり「9番」島田の 1ゴロで本塁突入。ヘッドスライディングも間一髪タッチアウトとなった。矢野監督がリクエスト要求するも判定は覆らず。ただ、若さあふれるプレーで甲子園のファンを魅了した。

  6回裏阪神一死 3塁、 3塁走者髙寺望夢内野手は島田海吏外野手の 1ゴロで生還もアウト。捕手は中村悠平捕手=阪神甲子園球場

 髙寺は 9月23日広島戦(マツダスタジアム)で「1軍再昇格」。そこから「3試合連続でスタメン起用」されチームは「3連勝」を決めた。その間に「プロ初安打、初打点」も記録。まさに「ラッキーボーイ」として「逆転CS進出」に貢献した。

 

 阪神 2年目の榮枝裕貴が、「プロ初打席で劇的な初安打」を決めた。

  9回。ヤクルトの守護神、マクガフを攻め立て 1点差に迫り、なおも二死 、 2塁。ベンチ入り野手は残り榮枝だけで、投手小林のところで代打起用された。これが「プロ初出場初打席」となった。

  2ボール 2ストライクから、「あそこで引いていたら男じゃないと思ったので、手を出していきました」と、最後は外角高め 154キロ直球を右前打。 2塁走者がかえり「同点適時打」となった。「プロ初安打初打点」。榮枝は 1塁ベース上でガッツポーズし、記念は 1塁ベンチへと回収された。ベンチの仲間、スタドのファンは総立ちで祝福した。

  9回裏阪神二死 1、 2塁、代打榮枝裕貴捕手は右前適時打を放ち同点とする。投手はマクガフ投手=阪神甲子園球場

 「ヤクルトのクローザーが相手なので、僕みたいなバッター相手には真っすぐで攻めてくると思ったので、それをなんとか打つことができて良かったです。これが『初打席』ですけど、今季はこれがラストチャンスだったので。本当に死ぬ気でじゃないですけど、気持ちで打ちました」と話した。

 高知高、立命大を経て20年「ドラフト4位」で阪神に入団した「佐藤輝明世代」の 1人。即戦力として期待されながらも昨年は故障に泣かされてきた。矢野監督の現役時代の「背番号39」を受け継ぐ「将来の正捕手候補」が、レギュラーシーズン最終戦の二死からチャンスをものにした。ベンチに帰る際には佐藤輝にお尻をたたかれ、先輩たちにはハイタッチで迎えられた。

  9回裏阪神二死 1、 2塁、代打榮枝裕貴捕手は同点の右前適時打を放った=阪神甲子園球場

 矢野監督の現役時の「背番号39」を継承する男が大仕事だ。阪神 2年目榮枝裕貴捕手が「プロ初安打初打点」を決めた。 9回、 1点差に迫り、なおも二死 1、 2塁。代打でプロ初出場し「あそこで引いていたら男じゃない」と覚悟を決めた。ヤクルト「守護神」マクガフの外角 154キロを右前適時打。「本当に死ぬ気でじゃないですけど気持ちで打ちました」。劇的な同点打デビューで甲子園を沸かせた。

 この時点でベンチに残る野手は榮枝のみだった。「運命だと思って」。 2年前の入団会見で「矢野さんの『39』を超えるような選手になる」と語った若武者が、レギュラーシーズン最終戦 9回二死 2ストライクから勝負を決めた。矢野監督からは「持ってるな」と声をかけられ「最後にちょっと、ほんのちょっとですけど、見せられてよかった」。少しだけ恩返しができた。

 榮枝裕貴捕手は「プロ初安打」を記録し、ボールを手に笑顔を見せる=阪神甲子園球場

 同期入団の佐藤輝、中野、伊藤将は 1年目から活躍。自身は昨季、「右肋骨(ろっこつ)の疲労骨折」を 2度も経験した。「自分ももっともっとやれるのに…って悔しい気持ちがあったから、なんとかここまでやれました」。反骨心が原動力だった。「初ヒットの記念球」は地元高知の両親に贈る予定。CSでも「持ってる男」が鼻息荒く出番を待つ。

◆榮枝裕貴(さかえだ・ゆうき)捕手

 1998年(平10) 5月16日生まれ、高知県出身。高知から立命大を経て20年「ドラフト4位」で阪神に入団。佐藤輝、伊藤将、中野らと同期入団。今季ウエスタン・リーグでは68試合に出場し、「44安打、1本塁打、14打点、打率2割4分3厘」。 180センチ、83キロ。右投げ右打ち。

 

 阪神先発の西純矢投手=阪神甲子園球場

 西純矢は「王者」ヤクルト相手の秘密兵器となりそうだ。この日は先発で 3イニングを「3奪三振1安打無四球」で無失点。わずか34球で内野安打 1本にまとめ、「(坂本)誠志郎さんとも会話しながら、変化球を主体に、どのボールもしっかり意図を持って投げ分けることができました。全体的にうまく組み立てることができた」と納得した。

 阪神先発の西純矢投手=阪神甲子園球場

 高卒 3年目の今季は14試合登板で「6勝3敗、防御率2.68」と大きく飛躍。中でもヤクルト戦には「3試合先発で無傷の2勝、防御率1.59」と好相性を誇る。矢野監督は「内容は素晴らしく良かった。全部のボールを操れている感じだし、相手にスイングをさせていない。自分のタイミングで振らせていないボールが多かった」と絶賛。「2位」DeNAとの「CSファーストステージ」を勝ち上がれば、「ファイナルステージ」で先発マウンドに上がる可能性が高い。

 

 湯浅京己投手が、「最優秀中継ぎ賞」を獲得した。

 両軍無得点の 4回に登板し、 1回無失点で「43ホールド目」を手にし、中日ロドリゲスと並ぶ「45ホールドポイント」を挙げた。球団では17年の桑原謙太朗とマテオ以来、 5年ぶり 6人目。「独立リーグ出身」の投手では「史上初のタイトル獲得」となった。

 投球前に手を高く上げる阪神「2番手」の湯浅京己投手=阪神甲子園球場

 この日は本職の 8回ではなく、先発西純に代わって 4回から「2番手」で登板。松本友、キブレハンから「宝刀フォークで連続三振」を奪取。二死からオスナを遊撃中野の失策で出塁を許したが、続く宮本の打席で代走丸山和の 2盗を坂本が阻止した。

  4回、阪神「2番手」の湯浅京己投手=阪神甲子園球場

 球団を通じた試合中の談話では「いつも通り、打者に向かっていく気持ちで投げることができました。最終戦ということもあり、たくさんのファンの方々の前でアツアツな投球ができたと思います」とコメント。「28試合連続無失点」で今季最終戦を締めくくった。

  4年目の今季はチームトップの59試合に登板し、「2勝3敗、43ホールド、45ホールドポイント」だった。

  4回、阪神「2番手」で登板の湯浅京己投手=阪神甲子園球場

 湯浅京己投手が、「最優秀中継ぎ賞」を手にした。本職の 8回ではなく、両軍無得点の 4回から「2番手」で登板。松本友、キブレハンから「宝刀フォーク」で連続三振を奪うなど 1回を「ゼロ封」。「28試合連続無失点」で、中日ロドリゲスに並ぶ「45ホールドポイント目」をゲット。球団では17年の桑原謙太朗とマテオ以来 5年ぶり延べ 9人目で、「独立リーグ出身の投手」では「史上初のタイトル獲得」となった。

 「自分 1人の力じゃ積み上げられなかった数字なので、感謝したいです」

 揺るぎない「自信」が、右腕の快投の支えとなった。「お前のボールは絶対 1軍で通用する」。昨季プロ 2戦目の 6月 5日ソフトバンク戦で打ち込まれ、「2軍降格」が決まった際に矢野監督からかけられた言葉だ。「ずっと心の中に残っていますし、自信につながってます」。 3月29日の広島戦で 9回にサヨナラ打を浴びた時も「自分の力を出せば抑えられる」と励まされ、すぐに気持ちを切り替えられた。「悲願のタイトル獲得」は、確固たる自信を植え付けてもらった矢野監督への恩返しとなった。

  4回表ヤクルト無死、湯浅京己投手は松本友内野手を三振に仕留める=阪神甲子園球場

 昨季まで「1軍戦通算3試合」だった右腕を、 4月上旬から「セットアッパー」として起用した指揮官は「ここまで持ってきたことがすごいこと。よく(タイトルを)取ってくれたと思います」とねぎらった。「チーム最多の59試合に登板」し、「防御率1.09」と圧倒的な数字を残した右腕は「『日本シリーズ』でもう 1回甲子園でできるように、 1試合、 1試合大切にして、みんなで力合わせて勝っていきたい」と、タイトルの余韻に浸ることなく、頂点を見据えた。

 阪神「4番手」の岩崎優投手はヤクルト打線を無失点に抑え湯浅京己投手とグータッチする=阪神甲子園球場

○…岩貞が登場曲に 1日に心不全のため亡くなったアントニオ猪木さんのテーマ曲「炎のファイター~INOKI BOM-BA-YE~」を使用した。満員の甲子園に、音楽に合わせて手拍子が鳴り響いた。 1点リードの 7回に「5番手」で登板。丸山和、宮本をスライダーで連続の空振り三振に斬るなど、 1回を無失点。今季は「自己最多の53試合」を投げ、「2勝1敗、11ホールド」。中堅組としてリリーフ陣をけん引した。

○…才木が今季初めて中継ぎで登板し、「3回無失点」と好投した。同点の延長10回から登場し、一死から 3連打を浴び満塁のピンチを招くも、後続を断った。11、12回は難なく抑え、引き分けに持ち込んだ。登板前からこの場面を「イメージしていた」という右腕は「絶対に 1点もやれない場面で投げさせてもらうのは、なかなかレアな経験をさせてもらいました」。ベンチ入りのラスト26人目として出場。最後のとりでとして、大役を果たした。

 

 一時は「V」から見放されたが、よくここまでやってきた!あと少しだ!ファイトだ!タイガース! 夢を掴んで欲しいですね。頑張れ!我らのタイガース!     

 2022年チームスローガン「イチにカケル!」 1を意識し、1にこだわる、その思いを1に「カケル」という言葉にしました。 また赤い数字の1は、イノチをかけて勝利を目指す執念を、また「カケル!」の「ル!」には「心」という文字も表しています。

 ファンの皆さん、このスローガンで共に一番を獲りに行きましょう! 

※このスローガン・デザインは2022年のシーズンロゴとしても展開してまいります。

 

 

 2022年 オープン戦 最終順位表

 

 2022年 交流戦最終順位表

 

 2022年 公式戦 順位表

 

 2022年 公式戦日程表と結果(09月)

 

 2022年 公式戦日程表と結果(10月)

 

 

 

 

 

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