●ユニホームが、甲子園でお披露目された。この日からの巨人 3連戦で着用する。甲子園球場100周年に合わせ、甲子園のイメージカラー「緑」を前面に押し出したもの。「ウル虎の夏」は 7月19~21日の広島戦、同26~28日の中日戦(ともに甲子園)で開催される。
●11人組人気男性グループJO1が、甲子園を盛り上げた。この日試合開始前には、最新曲「Test Drive」を披露。さらにメンバーの豆原一成(21)がファーストピッチセレモニーに登板。打者役は川西拓実(24)が務め女性ファンからの黄色い声援を受けながら、ノーバウンド投球。拍手に包まれた。打者役の川西は 6日に、巨人本拠地の横浜DeNA戦で登板。感謝した。試合前に守備に就く選手を呼び込んだ河野純喜(26)は、笑いを誘った。同グループはオーディション番組から結成され、昨年末には紅白歌合戦にも出場した注目のグループ。
●阪神が降雨コールドで今季 2度目の引き分けとなった。ゲーム終盤から降り始めた雨は次第に強まり、雷雨に変化。球審から試合中止が告げられ、 9回が終わった時点で試合終了が告げられた。マウンドとホーム付近に 2枚の防水シートが用意された瞬間、豪雨となり、風も強まり、ファンは悲鳴を上げながら、銀傘の下などに避難した。甲子園で行われた今季初の伝統の一戦は1-1で引き分け。 3回一死 3塁で巨人・山崎伊織投手(25)が自らを援護する中前適時打を放って先制。 7回一死 2、 3塁で代打・糸原健斗内野手(31)の右犠飛で同点に追い付いた。 1- 1で 9回終了後に雨が強くなり、一時中断。10回表、降雨のためコールドゲームとなった。今季初となる甲子園での巨人戦は延長に入ることなく、 9回打ち切りとなった。阪神は今季初のコールド試合。雨に打たれながらも延長10回の攻撃を待つ巨人の応援団の応援が響いた。
●永遠のライバル、巨人を今季初めて甲子園に迎える 3連戦の初戦。開場100周年を迎える〝甲子園カラー〟のウル虎ユニホームに身を包んだ村上頌樹投手(25)が、伝統の一戦のマウンドに上がった。うなりをあげるような直球に鋭く落ちる変化球を織り交ぜ、巨人打線を 2回までパーフェクト。上々の滑り出しをみせた。しかし、 3回は先頭・岸田行倫捕手(27)に前回登板の 9日の広島戦(甲子園)では有効的に使うことができたスローカーブにタイミングを合わされ、右中間方向への 2塁打で出塁される。吉川尚輝内野手(29)の中飛で一死 3塁となり、打席には東洋大時代から大学日本代表などで親交がある、投手の山崎伊。追い込んでからのフォークに反応され、打球は自らの足もと、そして前進守備の 2遊間を抜けていった。これには思わず苦笑い。好投手と認めるからこそ許したくなかった先制点を与えたシーンだった。昨季は巨人戦で 2試合に登板。 2年ぶりに先発を務めた 4月12日(東京ドーム)では 7回完全投球と圧倒するなどし、計13回を投げて自責点ゼロ(失点1)だったが、ここで初めて対戦防御率0.00が崩れた。魂の106球だった。今季初となる甲子園での巨人戦を任された村上頌樹投手は 7回5安打1失点。今季2勝目はお預けとなったが、十分な手応えを感じていた。コースを突く直球に威力があるからこそ、カットボールも鋭く落ちる変化球も生きた。 2回まで完全。 3回には一死 3塁で、打力を警戒していた投手の山崎伊に中前先制打を許し、昨季から続いていた巨人戦での連続自責点ゼロは15イニングでストップしたが、テンポよく、制球よく投げ続け、崩れることなく投手戦を演じた。
●岩崎優投手(32)が同点にした直後の 8回に登板。二死から連打で 1、 2塁のピンチを招いたが、最後は坂本勇人内野手(35)を 145キロで投ゴロに仕留め、ベンチでは笑顔を見せた。左腕が登板した巨人戦は18試合連続(15勝3分け)で、チームの負けなしが続いている。
●阪神のハビー・ゲラ投手(28=前レイズ)が 1- 1の 9回にマウンドへ。一死から右前打を許し、二死 2塁とされたが、代打・丸佳浩外野手(34)を中飛に仕留めた。初めての甲子園での巨人戦を無失点で終えた。チーム最多の 9試合に登板し、0勝1敗、2セーブ、5ホールド、防御率1.00と抜群の安定感。岩崎とのダブルストッパーで守り勝つ野球を体現する。
●坂本誠志郎捕手(30)は準備力が光った。 8回一死からD3位・佐々木俊輔外野手(24=日立製作所)が出塁し、続く門脇誠内野手(23)の初球でスタート。これをきっちり刺してピンチの芽を摘んだ。打席では 7回無死 1塁でスリーバントを決め、同点劇につなぐなど、攻守で存在感を発揮した。先発村上の 7回1失点を好リードで導き、岩崎、ゲラの無失点投球も演出した。
●佐藤輝明内野手(25)が、 2度の好機で連続の空振り三振に倒れた。「5番3塁」で出場。初回二死 1、 3塁で迎えた第 1打席では、巨人山崎伊の内角低めフォークで、 4回無死 1、 2塁からも低めのフォークに手が出て空振り三振。甲子園がため息に包まれた。佐藤輝明内野手は 9回先頭の第 4打席でアルベルト・バルドナード投手(31)のスライダーを左前にはじき返した。
●分厚い雨雲に覆われた甲子園にわずかな光が差し込んだ。湿りっぱなしの虎打線の中で、クリーンアップが 3試合ぶりにそろって快音。チーム唯一の2安打を放った森下翔太外野手(23)が気を吐いた。7番に降格した14日の中日戦(バンテリンドーム)は3打数無安打。それでも、再び3番に戻って 1回に左前打、 4回には右前打を放った。4番復帰した大山悠輔内野手(29)は森下に続いて 4回にしぶとく中前打を放つ。 3日の横浜DeNA戦(京セラ)以来となるクリーンアップの連打。 9回には5番・佐藤輝にも左前打が飛び出した。これで打率.200とした佐藤輝だが、本調子にはほど遠い。森下翔太外野手(23)、大山もいまだ打率1割台で苦しんでいる。森下は胸をなで下ろした。山崎伊は昨季6打数無安打と苦手としていたが、攻略につなげた。ただ、 4回一死 1、 2塁で 2塁走者だった森下は、シェルドン・ノイジー外野手(29)の 2飛で飛び出して戻れず併殺となる走塁ミスでチャンスをつぶした。 6、 8回の打席では連続で三振に倒れ、中盤以降で課題も残した。
●シェルドン・ノイジー外野手が同点劇の起点となる一打を放った。 7回先頭で 2打席抑えられていた山崎伊から左前打。直後に代走・植田海内野手(27)が送られた。 9日の広島戦(甲子園)以来となる13打席ぶりの安打で、 2試合ぶりのスタメン起用に応えた。
●植田海内野手が、「神回避」でピンチをチャンスに変えた。 1点を追う 7回、左前打で出塁したノイジーに代わって代走で出場。坂本誠志郎捕手(30)の犠打で 2塁へ進塁すると、続く木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)の投ゴロで飛び出してしまったが、山崎伊の追走を左右へのフェイントをかけながらタッチをかわし、その後挟まれながらも最後は 3塁手坂本の追いタッチをかいくぐって 3塁へ滑り込んで生き残った。痛恨の走塁ミスになってしまうところを、持ち味の快足を生かして「神走塁」に変えてみせた。続く代打糸原の右犠飛で本塁へヘッドスライディングで同点のホームイン。好走塁で試合を振り出しに戻した。絶体絶命だと誰もが思った。球団史上初のセ・リーグ連覇どころか、最大の屈辱が刻まれるところだった。植田の〝神の手〟と〝神の足〟が土俵際で炸裂した。打席数を重ねるため、 2軍戦に出場してから臨んだ今季初の甲子園での巨人戦。執念のドローに持ち込み、ファンの留飲を下げた。 3塁コーチャーを務める藤本敦士内野守備走塁コーチ(46)の叫びで快足度が増す。巨人の中継プレーも感じ取りながら必死で右手をのばした。ヘッドスライディングで黒土にまみれる。巨人のリクエストもセーフ判定のまま。まさに本能だけだった。17日は1985年(昭60)の同日に3番R.バース氏(70)、4番掛布雅之氏(68=現HANSHIN LEGEND TELLER(ハンシン・レジェンド・テラー(略称:HLT))、5番岡田彰布氏(66=現阪神1軍監督)の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の記念日。今年は「甲子園&巨人戦&水曜日&ナイター」のすべてが39年ぶりに重なる巡り合わせだ。試合終了から約30分。嵐は過ぎ去り、グラウンドの水たまりも小さくなった。メモリアルな 1日はスカッと勝ちたいところ。今度は悲鳴ではなく、歓喜の六甲おろしを響かせる。
●植田海内野手が〝神走塁〟で甲子園を沸かせた。 0- 1の 7回。先頭のノイジーが左前打を放つと、代走・植田がコールされた。坂本の犠打で 2進。8番・木浪の打球は投ゴロとなった。 2塁から飛び出していた植田を投手・山崎伊が追い詰める。間合いを取った植田は 3塁方向へ逃げた。ボールは 3塁手・坂本へ。 2塁を狙った木浪を見て、坂本は 2塁へ送球。ボールは再び坂本へ。植田はタッチをかいくぐり、 3塁へ走った。判定はセーフ。同点のホームインが認められると、阪神ファンから大歓声が沸き起こった。
● 3回一死 3塁で巨人・山崎伊織投手が自らを援護する中前適時打を放ち、先制した。 7回一死 2、 3塁で代打・糸原健斗内野手の右犠飛で同点に追い付いた。岡田彰布監督は阪神の監督として485勝目が懸かり、歴代単独2位に浮上する。完璧な準備で、仕事をこなす男がいるからチームは強い。勝利には結びつかなかったが、バットマンがあらためて存在感を示した。

記事をまとめてみました。

 

 

 <阪神 1- 1巨人=延長10回表無死降雨コールド>◇ 4回戦◇阪神 1勝 2敗 1分◇16日◇阪神甲子園球場

 「ウル虎の夏2024」ユニホームを着用する阪神の選手ら=阪神甲子園球場
 ユニホームが、甲子園でお披露目された。この日からの巨人 3連戦で着用する。
 甲子園球場100周年に合わせ、甲子園のイメージカラー「緑」を前面に押し出したもの。両サイドには「100」と「∞(無限)」を表すラインが入っている。
 「ウル虎の夏」は 7月19~21日の広島戦、同26~28日の中日戦(ともに甲子園)で開催される。

 


 ファーストピッチセレモニーで投球するJO1豆原一成氏=阪神甲子園球場
 11人組人気男性グループJO1が、甲子園を盛り上げた。
 この日試合開始前には、最新曲「Test Drive」を披露。さらにメンバーの豆原一成がファーストピッチセレモニーに登板。打者役は川西拓実が務め「マメー(豆原)!」と女性ファンからの黄色い声援を受けながら、ノーバウンド投球。拍手に包まれた。昨年はワンバウンドだったが「去年のトラウマがフラッシュバックしたけど『もう行くしかない!』といい感じにいけてよかったです」と喜んだ。打者役の川西は 6日に、巨人本拠地の横浜DeNA戦で登板。「ジャイアンツ・阪神ファンの皆さまに許していただき、すごく心が広いな」と感謝した。


 ファーストピッチで打席に立ったJO1の川西拓実氏=阪神甲子園球場
 試合前に守備に就く選手を呼び込んだ河野純喜は「(勝てば)もう、どんちゃん騒ぎです。あとは砂を持ち帰ろうかな」と話し、笑いを誘った。
 同グループはオーディション番組から結成され、昨年末には紅白歌合戦にも出場した注目のグループ。今季、阪神の勝利時に外野の照明を使った球場演出「Panasonic presents Victory Disco」のために書き下ろした「Test Drive」(先行配信中)でシーズンを通して盛り上げる。この日勝利すれば、同曲を試合後に披露する予定。

 


 10回表、降雨コールドとなった甲子園球場=阪神甲子園球場
 甲子園で行われた今季初の伝統の一戦は1-1で引き分け。 3回一死 3塁で巨人・山崎伊織投手が自らを援護する中前適時打を放って先制。 7回一死 2、 3塁で代打・糸原健斗内野手の右犠飛で同点に追い付いた。 1- 1で 9回終了後に雨が強くなり、一時中断。10回表、降雨のためコールドゲームとなった。


 10回表、降雨コールドとなり甲子園球場上空には稲妻が光る=阪神甲子園球場
 甲子園上空で雷が光り、ファンがどよめいた。 1- 1で同点の 9回表。巨人岸田の打席で一瞬、上空が光り、球場がざわついた。このタイミングで雨も降り出した。甲子園のファンはカッパを準備するなど、悪天候でも熱戦を見守った。
 延長10回の開始前には、マウンドとホームにシートが敷かれ、試合が一時中断した。阪神園芸が素早く対処したが、雨は強まる一方だった。


  9回裏を終え、ベンチから豪雨を見つめる岡田彰布監督(右)=阪神甲子園球場
 阪神が降雨コールドで今季 2度目の引き分けとなった。ゲーム終盤から降り始めた雨は次第に強まり、雷雨に変化。球審から試合中止が告げられ、 9回が終わった時点で試合終了が告げられた。
  0- 0の 3回一死 1、 3塁。阪神先発の村上頌樹投手が9番投手の山崎伊から 2遊間にはじき返される中前適時打で先制点を献上。それでも以降は粘投を続け、 7回 106球を投げて5安打1失点。最終イニングは、二死 1、 3塁を招きながらも、再び山崎伊を空振り三振に仕留めた。


 10回表、雨で中断となりベンチで待機する岡田彰布監督(右端)ら阪神ナイン=阪神甲子園球場
 無得点に抑え込まれていた打線も、快投に奮起した。 7回に一死 2塁の好機をつくり、8番木浪の投ゴロ野選で一死 2、 3塁の同点機を演出。9番村上の代打として送られた糸原健斗内野手、きっちり同点右犠飛を決めた。
 しかし、その後は両軍勝ち越し点を奪えず、 9回が終わって 1- 1の同点。
 今季初となる甲子園での巨人戦は延長に入ることなく、 9回打ち切りとなった。阪神は今季初のコールド試合。


 延長10回を前に雨でシートがかけられる阪神甲子園球場
  9回から強まった雷雨に、阪神園芸も翻弄(ほんろう)された。
  9回の阪神の攻撃が終わり、延長戦に入ることが決まると、阪神園芸のスタッフがグラウンド整備に入った。
 だが、その瞬間に雷雨がさらに強まり、まず審判団が協議。阪神園芸と連携をとって、グラウンド整備を引き揚げさせた。
 午後 9時に中断が発表された。
 マウンドとホーム付近に 2枚の防水シートが用意された瞬間、豪雨となり、風も強まり、ファンは悲鳴を上げながら、銀傘の下などに避難した。


 雷雨コールドゲームとなった阪神対巨人戦=阪神甲子園球場
  9回を終わって 1― 1で延長に突入。大雨に雷がはっきり見える悪天候の中、マウンドにシートがかぶせられ、試合は午後 9時から一時中断となった。
 スタンドには強風で大きな雨粒が塊となって流れ込み、稲光がはっきりと見える嵐のような天候に見舞われた。試合は 3回に巨人が先制したが、 7回に阪神が糸原の犠飛で同点に追いついた。雨に打たれながらも延長10回の攻撃を待つ巨人の応援団の応援が響いた。

 

 永遠のライバル、巨人を今季初めて甲子園に迎える 3連戦の初戦。開場100周年を迎える〝甲子園カラー〟のウル虎ユニホームに身を包んだ村上頌樹投手が、伝統の一戦のマウンドに上がった。
 「投げていて感覚も調子もよかったです。先制されてしまいましたが、それ以降は何とか粘り強く投げることができました」
 うなりをあげるような直球に鋭く落ちる変化球を織り交ぜ、巨人打線を 2回までパーフェクト。上々の滑り出しをみせた。
 しかし、 3回は先頭・岸田に前回登板の 9日の広島戦(甲子園)では有効的に使うことができたスローカーブにタイミングを合わされ、右中間方向への 2塁打で出塁される。吉川の中飛で一死 3塁となり、打席には東洋大時代から大学日本代表などで親交がある、投手の山崎伊。「(山崎)伊織は打撃がいいので、油断しないように投げていきたい」と話していたなかで、追い込んでからのフォークに反応され、打球は自らの足もと、そして前進守備の 2遊間を抜けていった。これには思わず苦笑い。好投手と認めるからこそ許したくなかった先制点を与えたシーンだった。
 昨季は巨人戦で 2試合に登板。 2年ぶりに先発を務めた 4月12日(東京ドーム)では 7回完全投球と圧倒するなどし、計13回を投げて自責点ゼロ(失点1)だったが、ここで初めて対戦防御率0.00が崩れた。


 阪神先発の村上頌樹投手=阪神甲子園球場
 阪神の先発・村上頌樹投手は 7回 1失点だった。
 MVP右腕の本領を発揮した。 3回一死 3塁で先発・山崎伊にフォークを拾われ、 2遊間を抜ける先制打を許す。昨季の巨人戦 2試合に登板し、13イニングを自責点0。これがプロ入り後、巨人戦での初自責点となったが、ここから崩れなかった。
  4回から 6回まで無失点で投げ、 7回はオコエの 2塁打から二死 2、 3塁のピンチを招くも、適時打を許した山崎伊を空振り三振に抑えて追加点を許さず。 106球の熱投で10個の三振を奪い、その裏の一死 2、 3塁で代打を送られて降板。糸原が犠飛を放って同点に追い付いた。

◆阪神・村上頌樹投手
 「投げていて感覚も調子もよかったです。先制されてしまいましたが、それ以降は何とか粘り強く投げることができました。みんなで追い付いてくれたのでこの試合も勝ちきれるようにしっかり応援します」


  1回表巨人無死、村上頌樹投手は萩尾匡也外野手を空振り三振に仕留める.jpg
 永遠のライバル、巨人を今季初めて甲子園に迎える 3連戦の初戦。開場100周年を迎える〝甲子園カラー〟のウル虎ユニホームに身を包んだ阪神・村上頌樹投手が、伝統の一戦のマウンドに上がった。
 「投げていて感覚も調子もよかったです。先制されてしまいましたが、それ以降は何とか粘り強く投げることができました」
 うなりをあげるような直球に鋭く落ちる変化球を織り交ぜ、巨人打線を 2回までパーフェクト。上々の滑り出しをみせた。


  7回、巨人・山﨑伊織投手を三振に抑え雄たけびを上げた村上頌樹投手.jpg

 しかし、 3回は先頭・岸田に前回登板の 9日の広島戦(甲子園)では有効的に使うことができたスローカーブにタイミングを合わされ、右中間方向への 2塁打で出塁される。吉川の中飛で一死 3塁となり、打席には東洋大時代から大学日本代表などで親交がある、投手の山崎伊。「(山崎)伊織は打撃がいいので、油断しないように投げていきたい」と話していたなかで、追い込んでからのフォークに反応され、打球は自らの足もと、そして前進守備の 2遊間を抜けていった。これには思わず苦笑い。好投手と認めるからこそ許したくなかった先制点を与えたシーンだった。
 昨季は巨人戦で 2試合に登板。 2年ぶりに先発を務めた 4月12日(東京ドーム)では 7回完全投球と圧倒するなどし、計13回を投げて自責点ゼロ(失点1)だったが、ここで初めて対戦防御率0.00が崩れた。
 だが、その後の二死 1、 2塁では門脇を 149キロ直球で見逃し三振に仕留めて最少失点で切り抜け、続く 4回も智弁学園高の先輩・岡本和の内角を厳しく突いて見逃し三振に抑えこむなど、ペースをやすやすと渡しはしなかった。 5回には二死から中前打を許した1番萩尾を素早いけん制で刺し、つながれれば中軸へと巡っていく場面でチャンスを作らせず。 7回 1失点で自己最多タイの 1試合10奪三振。打線の反撃を信じて、懸命に腕を振り続けた。


  7回、巨人・山﨑伊織投手を空振り三振に打ち取り吠える村上頌樹投手=阪神甲子園球場

 村上頌樹投手が、 7回 1失点の好投で役目を終えた。 7回の攻撃で代打を送られた。
  0- 0の 3回一死 3塁。巨人の0番山崎伊を追い込みながらも、最後は 136キロの縦変化のボールを捉えられ、中前適時打を許した。兵庫県出身の同い年対決で、先制パンチをくらった。巨人戦は過去 2試合の登板で 1失点も自責0で、対戦防御率0.00だったが、対巨人戦初の自責点となった。
 しかし、 1点ビハインドの 7回二死 2、 3塁では、山崎伊をきっちりと空振り三振に仕留め、おたけびをあげた。
 村上はこれで3試合で防御率1.06。昨年のリーグMVP男が、状態を上げてきた。
 魂の106球だった。今季初となる甲子園での巨人戦を任された村上頌樹投手は 7回5安打1失点。今季2勝目はお預けとなったが、十分な手応えを感じていた。
 「投げていて、感覚も調子自体もよかった。先制されてしまいましたが、それ以降はなんとか粘り強く投げることができました」
 コースを突く直球に威力があるからこそ、カットボールも鋭く落ちる変化球も生きた。 2回まで完全。 3回には一死 3塁で、打力を警戒していた投手の山崎伊に中前先制打を許し、昨季から続いていた巨人戦での連続自責点ゼロは15イニングでストップしたが、テンポよく、制球よく投げ続け、崩れることなく投手戦を演じた。
 「 2点目をまた投手に打たれるというのはダメだと思った。ここはしっかりと抑えないと、と気合を入れた」

 


  8回表に阪神2番手で登板した岩崎優投手=阪神甲子園球場
 岩崎優投手が同点にした直後の 8回に登板。二死から連打で 1、 2塁のピンチを招いたが、最後は坂本を 145キロで投ゴロに仕留め、ベンチでは笑顔を見せた。「ひとまず、よかったです」。今季は初登板から8試合連続無失点。引き分けに「また、明日」とサラリと言い残して、球場を後にした。

 阪神・岩崎優投手は 8回のピンチをしのいで無失点=阪神甲子園球場
 岩崎優投手が「不敗神話」を継続させた。
 同点の 8回から2番手で登板。二死から連打を浴びピンチを招いたが、坂本の頭上に飛んだ強めのゴロをジャンプして捕球し、難を逃れた。「よかったです。また明日(頑張ります)」。左腕が登板した巨人戦は18試合連続(15勝3分け)で、チームの負けなしが続いている。

 


 阪神3番手のハビー・ゲラ投手=阪神甲子園球場
 阪神のハビー・ゲラ投手が 1- 1の 9回にマウンドへ。一死から右前打を許し、二死 2塁とされたが、代打・丸を中飛に仕留めた。初めての甲子園での巨人戦を無失点で終え「伝説の一戦という独特の雰囲気というか、ファンの熱狂ぶりも感じられましたし、その中で0点に抑えられてよかった」とうなずいた。チーム最多の 9試合に登板し、0勝1敗、2セーブ、5ホールド、防御率1.00と抜群の安定感。岩崎とのダブルストッパーで守り勝つ野球を体現する。

 阪神のハビー・ゲラ投手は 9回を無得点に抑えた=阪神甲子園球場
 ハビアー・ゲラ投手が3試合連続無失点で最後を締めた。同点の 9回に登板。
 一死から岸田に右前打を許し、犠打で得点圏に走者を進められたが、二死 2塁から代打丸を中飛に仕留めた。甲子園では初となる伝統の一戦での登板で「独特の雰囲気というか、ファンの熱狂ぶりも感じましたし、その中でも0点に抑えられて自分の仕事はできたと思います」と振り返った。

 


  7回、犠打を決めた坂本誠志郎捕手=阪神甲子園球場
 坂本誠志郎捕手は準備力が光った。 8回一死からD3位・佐々木(日立製作所)が出塁し、続く門脇の初球でスタート。これをきっちり刺してピンチの芽を摘んだ。「バントの構えで走るというのも情報が入っていた。そういう準備ができていたから良かった」。打席では 7回無死 1塁でスリーバントを決め、同点劇につなぐなど、攻守で存在感を発揮した。

  8回表巨人一死 1塁、坂本誠志郎捕手は打者門脇誠内野手のとき 1塁走者佐々木の 2塁盗塁を刺す=阪神甲子園球場
 坂本誠志郎捕手が 2盗阻止でチームを救った。 1- 1の 8回無死 1塁で 1走の佐々木がスタートを切ったが、ストライク送球で 2塁タッチアウトに仕留めた。「準備ができていたからよかったと思います」とうなずいた。
 先発村上の 7回1失点を好リードで導き、岩崎、ゲラの無失点投球も演出した。

 


  1回裏阪神二死 1、 3塁、佐藤輝明内野手は三振に倒れる。投手は山﨑伊織投手=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手が、 2度の好機で連続の空振り三振に倒れた。
 「5番3塁」で出場。初回二死 1、 3塁で迎えた第 1打席では、巨人山崎伊の内角低めフォークで、 4回無死 1、 2塁からも低めのフォークに手が出て空振り三振。甲子園がため息に包まれた。


  9回、安打を放った佐藤輝明内野手=阪神甲子園球場
 佐藤輝明内野手は 9回先頭の第 4打席でバルドナードのスライダーを左前にはじき返した。「いい当たりが打てたので続けていきたいです」。あごひげをそり、最後に意地を見せた大砲だが、 1回と 4回の得点圏では山崎伊の前に空振り三振に倒れた。中断を経て引き分けに終わり「しっかり切り替えて準備して、あした、やっていきたいと思います」と力を込めた。

 


  1回裏阪神一死 1塁、森下翔太外野手は左前打を放った=阪神甲子園球場
 分厚い雨雲に覆われた甲子園にわずかな光が差し込んだ。湿りっぱなしの虎打線の中で、クリーンアップが 3試合ぶりにそろって快音。チーム唯一の2安打を放った森下翔太外野手(23)が気を吐いた。
 「打てなかった次の試合でしっかり2本出たというのはよかったかなと思います」
 7番に降格した14日の中日戦(バンテリンドーム)は3打数無安打。それでも、再び3番に戻って 1回に左前打、 4回には右前打を放った。
 4番復帰した大山は森下に続いて 4回にしぶとく中前打を放つ。 3日の横浜DeNA戦(京セラ)以来となるクリーンアップの連打。 9回には5番・佐藤輝にも左前打が飛び出した。これで打率.200とした佐藤輝だが、本調子にはほど遠い。森下、大山もいまだ打率1割台で苦しんでいる。


  4回、安打を放った森下翔太外野手=阪神甲子園球場
 森下翔太外野手が 5試合ぶり今季 3度目のマルチ安打と奮闘した。打順が14日の中日戦の7番から3番に戻り、一死 1塁から巨人山崎伊の外角低め 136キロを捉え、 8打席ぶりのヒットとなる左前打をマーク。 1点を追う 4回先頭では外角直球を逆方向にはじき返す右前打で攻撃の起点となった。
 森下は「打てなかった時にどうやって修正していくかが、長いシーズン戦う上で大事。打てなかった次の試合でしっかり 2本出たのはよかった」と胸をなで下ろした。山崎伊は昨季6打数無安打と苦手としていたが、「甘いボールを1球で仕留められるようにしました」と攻略につなげた。
 ただ、 4回一死 1、 2塁で 2塁走者だった森下は、ノイジーの 2飛で飛び出して戻れず併殺となる走塁ミスでチャンスをつぶした。 6、 8回の打席では連続で三振に倒れ、中盤以降で課題も残した。

 


  7回、安打を放ったシェルドン・ノイジー外野手=阪神甲子園球場
 シェルドン・ノイジー外野手が同点劇の起点となる一打を放った。 7回先頭で 2打席抑えられていた山崎伊から左前打。直後に代走・植田が送られた。「前の 2打席と同じで、いい球がきたら積極的に振っていこうと思っていました」。 9日の広島戦(甲子園)以来となる13打席ぶりの安打で、 2試合ぶりのスタメン起用に応えた。

  7回裏阪神無死、シェルドン・ノイジー外野手は左前打を放った=阪神甲子園球場
  2試合ぶりにスタメン出場した阪神シェルドン・ノイジー外野手が 7回の第 3打席で、同点口火との左前安打を放った。
 山崎伊の 137キロをしっかりとらえた。 1打席目は遊ゴロで 4回一死 1、 2塁の 2打席目は右前に落ちそうな 2飛。 2走の森下が塁に戻れず、好機を逃していた。「前の 2打席と一緒で、しっかりいい球が来たら振っていこうと、積極的に行きました」と振り返った。

 

 植田海内野手が、「神回避」でピンチをチャンスに変えた。
  1点を追う 7回、左前打で出塁したノイジーに代わって代走で出場。坂本の犠打で 2塁へ進塁すると、続く木浪の投ゴロで飛び出してしまったが、山崎伊の追走を左右へのフェイントをかけながらタッチをかわし、その後挟まれながらも最後は 3塁手坂本の追いタッチをかいくぐって 3塁へ滑り込んで生き残った。
 痛恨の走塁ミスになってしまうところを、持ち味の快足を生かして「神走塁」に変えてみせた。
 続く代打糸原の右犠飛で本塁へヘッドスライディングで同点のホームイン。好走塁で試合を振り出しに戻した。


  7回裏阪神一死 2塁、 2走植田海内野手(左)は木浪聖也内野手の投ゴロで 2、 3塁間で挟まるも山﨑伊織投手をかわし 3塁へ進む=阪神甲子園球場
 神の手、神の足で最大の屈辱を逃れた。阪神は延長10回表、無死降雨コールドで巨人と 1- 1で引き分けた。 1点を追う 7回に代走・植田海内野手が糸原の浅い右犠飛で 3塁から生還。直前は 2、 3塁間に挟まれながらもタッチをかいくぐった。伝統の一戦で開幕 4戦 3度目の零敗であれば球団初だったが、執念の走塁で回避。雨降って、そろそろ地固まれ!
 絶体絶命だと誰もが思った。球団史上初のセ・リーグ連覇どころか、最大の屈辱が刻まれるところだった。植田の〝神の手〟と〝神の足〟が土俵際で炸裂した。打席数を重ねるため、 2軍戦に出場してから臨んだ今季初の甲子園での巨人戦。執念のドローに持ち込み、ファンの留飲を下げた。
 「左手だとタッチされそうだなと思ったので(ホームへは)右手でいきました」


  7回裏阪神一死 2塁、 2走植田海内野手(左)は木浪聖也内野手の投ゴロで 2、 3塁間で挟まるも山﨑伊織投手をかわし 3塁へ進む=阪神甲子園球場
 どす黒い雲が甲子園に襲いかかっていた。巨人との開幕戦から2戦連続零敗。 4試合で 3度となれば 2リーグ分立後、球団として初めてだった。 0- 1の 7回一死 2、 3塁。代打・糸原がバットに当てた瞬間、 3走・植田はスタートを切ったが、右翼への飛球を見て戻り、タッチアップ-。
 「いくぞ!」
 「いけ!」
  3塁コーチャーを務める藤本内野守備走塁コーチの叫びで快足度が増す。巨人の中継プレーも感じ取りながら必死で右手をのばした。ヘッドスライディングで黒土にまみれる。巨人のリクエストもセーフ判定のまま。まさに本能だけだった。


  7回裏阪神一死 2塁、 2走植田海内野手(左)は木浪聖也内野手の投ゴロで 2、 3塁間で挟まれるも 3塁手坂本勇人内野手のタッチをかわし 3塁へ進む=阪神甲子園球場
 負けなかった! 阪神は今季初の甲子園での伝統の一戦を引き分けた。
 14日の中日戦は全打順を入れ替えたが、この日は1番近本、4番大山など従来型のオーダーに回帰。 1点を追う 7回に糸原の犠飛で追いついたが、8試合連続2点以下と貧打は解消されていない。試合は 1- 1の10回表に雨が激しくなり、そのままコールド。85年にバックスクリーン3連発が出た記念日の17日こそ、打線が目覚めてスカッと勝ちたい。
            ◇   ◇   ◇
 すさまじい雷鳴が甲子園に響いた。悲鳴にも似たどよめきが止まらない。午後 9時、雨のため試合が一時中断。今季初の甲子園での「伝統の一戦」はそのまま、降雨コールドゲームで引き分けに終わった。岡田監督はグラウンドに打ちつける雨を眺めた後、クラブハウスへと引き揚げた。


  7回裏阪神一死 2塁、 2走植田海内野手(中央)は木浪聖也内野手の投ゴロで 2、 3塁間で挟まるも 3塁手坂本のタッチをかわし 3塁へ進む=阪神甲子園球場
 なんとか 1点をつかんだ。試合を動かしたのは 1点を追う 7回。左前打のノイジーに代走植田海内野手が送り込まれた。坂本の犠打で 2塁へ進塁すると、続く木浪の投ゴロで飛び出してしまう。「木浪さんが 2塁にいくまでは粘って、という感じで走っていました」。山崎伊の追走をフェイントを入れてかわし、 2、 3塁間に挟まれながらも、最後は 3塁手坂本のタッチをかいくぐって 3塁に生き残った。
 自らの「ボーンヘッド」で好機をつぶしてしまう可能性もあったが「神回避」で一死 2、 3塁。代打糸原の中犠飛で、本塁ヘッドスライディングで生還した。 3塁側ベンチからリクエストが要求されたが「先に手で触っている感覚はあったので」と確信の同点劇。朝から鳴尾浜で練習し、昼のウエスタン・リーグ、オリックス戦にフル出場。2安打を決め甲子園に乗り込んできた男が意地を見せた。


  7回、木浪聖也内野手の内野ゴロで 2、 3塁間に挟まれたが、巨人・坂本勇人内野手のタッチを避けて 3塁へ到達する植田海内野手=阪神甲子園球場
 平田 1軍ヘッドコーチは「あいつの持ち味」と足を称賛。ただ、 9回無死 1塁では犠打を失敗し「最後、バント決めてりゃ言うことなかったけど」。サヨナラ機をつくることができず、これで8試合連続2得点以下と打てない。
 14日の中日戦では大山を5番起用、1番木浪、2番梅野と打線を大改造したが、3番森下、4番大山、5番佐藤輝と「通常モード」に戻した。それでも爆発力は戻らない。夏のイベント「ウル虎の夏」で着用する限定のグリーンユニホームお披露目デーを勝利で飾ることはできなかった。
 17日は1985年(昭60)の同日に3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の記念日。今年は「甲子園&巨人戦&水曜日&ナイター」のすべてが39年ぶりに重なる巡り合わせだ。試合終了から約30分。嵐は過ぎ去り、グラウンドの水たまりも小さくなった。メモリアルな 1日はスカッと勝ちたいところ。今度は悲鳴ではなく、歓喜の六甲おろしを響かせる。


  7回、糸原健斗内野手の犠飛で生還した植田海内野手=阪神甲子園球場
◆39年前のこの日
 85年 4月16日の巨人戦(甲子園)で 2点を追う阪神は 4回、掛布の1号ソロで追い上げ、なお二死 1塁。佐野は遊撃後方に高い飛球を打ち上げた。チェンジかと思われたが、遊撃河埜がグラブの土手に当て、まさかの落球。勢いを得た阪神はこの回、木戸、真弓が本塁打を放つなど、大量 7点を挙げて逆転した。阪神は翌日17日の同戦で、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発が飛び出し逆転勝ち。18日も巨人を下し、同一カード3連勝を飾り、日本一へのきっかけをつくった。


  7回裏阪神一死 2、 3塁、三走植田海内野手(右)は代打糸原健斗内野手の右犠飛で生還する=阪神甲子園球場
 植田海内野手が〝神走塁〟で甲子園を沸かせた。 0- 1の 7回。先頭のノイジーが左前打を放つと、代走・植田がコールされた。坂本の犠打で 2進。8番・木浪の打球は投ゴロとなった。 2塁から飛び出していた植田を投手・山崎伊が追い詰める。間合いを取った植田は 3塁方向へ逃げた。ボールは 3塁手・坂本へ。 2塁を狙った木浪を見て、坂本は 2塁へ送球。ボールは再び坂本へ。植田はタッチをかいくぐり、 3塁へ走った。判定はセーフ。記録は投手の野選で一死 2、 3塁とすると、続く代打・糸原の浅い右飛で植田はホームへタッチアップ。判定はセーフ。巨人のリクエストでリプレー検証が行われたが、判定は変わらず、同点のホームインが認められると、阪神ファンから大歓声が沸き起こった。

 


  7回裏阪神一死 2、 3塁、右犠飛を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
  3回一死 3塁で巨人・山崎伊織投手が自らを援護する中前適時打を放ち、先制した。 7回一死 2、 3塁で代打・糸原健斗内野手の右犠飛で同点に追い付いた。岡田彰布監督は阪神の監督として485勝目が懸かり、歴代単独2位に浮上する。

  7回、犠飛を放った糸原健斗内野手=阪神甲子園球場
 糸原健斗内野手がひと振りで仕事人ぶりを発揮した。 7回一死 2、 3塁で村上の代打で打席へ。 3球見送った後の 4球目、高めの直球を引っ張って右翼へ運んだ。浅いフライになったが、植田が俊足を発揮して生還。殊勲の同点犠飛にも「植田がよく走ってくれました。感謝してます。あとは植田に聞いてください!」と〝神走塁〟をたたえた。


  7回裏阪神一死 2、 3塁、山崎伊織投手は代打糸原健斗内野手に右犠飛を打たれ失点する=阪神甲子園球場
 すでに甲子園上空に、雷雲がじわりと忍び寄っていた。 7回に飛び出した糸原健斗内野手の一打は大きな意味を持っていた。代打のスペシャリストが黒星を回避した。
  0- 1のまま終盤戦へ。粘りながら最少失点に抑えてきた先発村上を見殺しにはできない。 7回。一死 2、 3塁の逆転チャンスがやってきた。一番の勝負どころで村上に代わってコールされたのは糸原だった。
 カウント 2- 1の打撃カウント。冷静にタイミングを取り、内角高め 149キロを狙いすまして、たたいた。強くとらえた打球はライナーで右中間へ。右翼佐々木に捕球されたが、植田が間一髪でホームに突っ込み、セーフをもぎ取った。


  7回裏阪神一死 2、 3塁、 3走植田海内野手(中央)は代打糸原健斗内野手の右犠飛で生還する。捕手は岸田行倫捕手=阪神甲子園球場
 「植田に聞いてください。よく走りました。植田に感謝しています」。背番号33はそれだけ言って、ロッカールームに引き揚げた。 3月31日の巨人戦(東京ドーム)で、代打で 2塁にゴロを転がして打点を挙げて以来の今季2打点目。その時の走者も植田だった。俊足ランナーが塁にいる際の打撃も心得ている。
 岡田監督になった昨季から代打が主戦場になった。悔しさは胸に秘めるが、モチベーションは高い。完全に調整を任された 8年目は初の春季キャンプ 2軍スタート。逆に存在感を高めた。「はつらつとやるのがテーマですから」。アップから高卒新人らよりも声を出した。周囲を驚かせたのはキャンプ初日のフリー打撃。鋭いまなざしで打席に入り、その 1球目から完璧なセンター返しをしてみせた。打ち損じのない練習を繰り返し、和田2軍監督は「あれが1軍の主力」と原口と糸原を絶賛した。
 完璧な準備で、仕事をこなす男がいるからチームは強い。勝利には結びつかなかったが、バットマンがあらためて存在感を示した。

 

※ 4月17日の予告先発は、阪神・伊藤将司投手(27)―巨人・赤星優志投手(24)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(03月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

 

 

 

 

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