世にも奇妙な物語・傑作選 | よっ、大統領!

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てきとーなこと書いてます。

「8分間」

 

あらすじ(ネタバレなし)

 

強盗に妻を殺されたサラリーマン。

 

彼は、妻を失って以来、毎日午後3時からの8分間、決まって意識がなくなる。

 

そして、気がつくと死のうとしているのだった。

 

彼は死ぬことを恐れ、病院に行く。

 

初対面のはずの先生。だが男はどこかで会ったことがあるような気がする。

 

先生に聞いてみたが、先生は初対面だと言う。

 

先生は、妻を失ったショックによるものだと診断する。

 

病院で見てもらってからも男の意識が飛ぶことはとまらない。

 

しかもどんどんひどくなっていった。

 

だんだん、男は意識を失う直前に、自分に何かが注射される幻覚を見るようになった。

 

***

 

感想

 

謎の8分間。

 

会ったことがある医者。

 

見えてきた注射の幻覚。

 

私は、これは医者と奥さんが結託して、男を自殺にみせかけて殺そうとしているのではないかと予想しました。

 

この予想。

 

ある意味当たっていましたが、結果的には脚本家の罠にまんまと乗せられていました(笑)

 

***

 

オチ

 

男の意識の喪失はひどくなる一方だった。このままでは自殺してしまう。

 

男は先生に助けを求めるが、先生は、言葉で男を力づけることしか出来ない。

 

もしかしたら男は無意識のうちに奥さんのところへ行こうとしているのではないか?

 

男は考えるが、「死にたくない」という思いしか浮かんでこない。

 

だが、魔の8分間がやってきたとき、男はついにビルから飛び降りて死んでしまう。

 

 

男は病院のベッドで目を覚ました。

 

枕元には妻がいた。

 

実は強盗に襲われたとき、妻は死んでいなかった。

 

妻を守ろうとした男が強盗に殴られて、こん睡状態に陥っていたのだ。

 

先生は、まだ臨床結果が得られていない新薬を注射して、意識を回復させることを提案する。

 

その薬は、一日一度、8分間しか効果がない。

 

妻はたとえ8分間でも夫の意識が戻るならと使用に同意する。

 

そして、毎日午後3時に注射していたのだ。

 

男の前に、新薬を注射してくれた先生がやってくる。

 

彼は、あちらの世界で出会った先生と同じ顔をしていた。

 

「ありがとうございます」

 

男は感謝の言葉を述べる。

 

男は妻と二人で、病院の屋上から夕日をながめる。

 

「8分間。もしかしたら、もうひとつの世界から、こちらの世界に戻るために、自殺しようとしていたのかもしれない」

 

男と妻の前に、東京の空が広がっている。

 

 

***

 

「鏡子さん」

 

怖すぎるので省略

 

***

 

「不幸をあなたに」

 

あらすじ(ネタバレなし)

 

ミサとカズミは同期のインテリアデザイナー。

 

ある日、上司から「どちらかをチーフにする」といわれる。

 

どちらがチーフになっても仲たがいしたりしないわと上司の前では笑ってみせたものの、内心、ミサは面白くない。

 

「私がカズミの下で働くなんていやよ」

 

そんなミサの目に、「不幸をあなたに」という看板が飛び込んでくる。

 

「幸せをあなたにの間違いでしょ?」

 

だが、そこでは本当に不幸を斡旋していた。

 

「私どもは、努力で乗り越えられる不幸を斡旋しております。不幸を不幸のままにするか、幸福に変えるかは、あなた次第。ためしに無料コースをお試ししてみますか?」

 

男の口車に乗せられて、ミサは、ためしに無料で不幸を斡旋してもらうことになった。

 

 

会社に行くと、みんながミサのPCの前に集まっていた。

 

ミサのPCで仕事をしていたカズミが、ミサのPCをクラッシュさせてしまい、データを全部消去してしまったのだ。

 

怒りの言葉を吐こうとして、ミサは不幸斡旋所の男の言葉を思い出す。

 

「私が斡旋するのは、幸福を呼ぶ不幸。不幸を不幸のままにするか、幸福に変えるかはあなた次第」

 

ミサは怒りの言葉を飲み込んで、笑顔で言う。

 

「PCは不安定な機械。こんなこともあるわ。バックアップを取ってなかった私が悪いの。気にしないで」

 

この一言で、ミサの株はぐっと上がる。

 

上司は、「あの一言に感心した」とミサをチーフに抜擢。

 

ライバルのカズミも、「私ならあんなふうにいえない。チーフにはミサがふさわしい」と納得してくれた。

 

 

ライバルのカズミに勝って気をよくしたミサは、今度は男に

 

「3年間付き合っているけどイマイチ結婚がピンと来ない彼氏と別れる不幸を斡旋して」

 

と頼む。

 

直後、お酒を持って彼氏の家を訪ねたミサは、彼氏が同じ会社の営業部の女性とHしている現場に居合わせてしまう。

 

彼氏の家を飛び出したミサは仕事もできてイケメンの同僚にばったり出会う。

 

何があったのかと聞かれたミサは、彼氏の裏切りのことを話しながら、ポロリと涙を流す。

 

同僚は、ミサに同情。「彼氏のことは噂になっていたんだ。僕なら君を悲しませるようなことはしないのに」という。

 

 

同僚を好きになってしまったミサは、同僚と結婚できる不幸を斡旋してもらう。

 

直後、ミサの部下が大きなミスをしてしまう。

 

部下を左遷させるという上司に、ミサは、「私が責任を取ってやめるから、左遷させないでほしい」という。

 

同僚はミサを追いかけて言う。

 

「やめてどうするんだ?僕は君と会えなくなるなんてイヤだ。結婚しよう」

 

 

会社をやめ、結婚することが決まったミサ。

 

だが、彼の両親は結婚に反対だった。

 

両親に結婚に賛成してもらうための不幸を斡旋してもらったミサは、見事に望まれて結婚。

 

その後彼も会社をやめ、両親の会社を継ぎ、大成功。

 

お手伝いさんを家におき、悠々自適の専業主婦をエンジョイしていたミサ。

 

ある日、ライバルだったカズミに呼び出される。

 

カズミは、ミサがやめたあと、チーフとしてプロジェクトを引き継ぎ、大成功。

 

テレビにもちょくちょく出るようになり、今はフリーで活躍しているという。

 

「私も、彼が好きだったの。でも、ミサと結婚してしまって。失恋の痛手をバネに頑張ったの」

 

ミサは、

 

「失恋の痛手をバネになんて・・・私には考えられないわ」

 

と笑ってみせたが、内心カズミの成功が悔しくて仕方ない。

 

ミサは不幸斡旋所に行き、

 

「世界一の幸せがほしい」

 

と頼む。

 

「よろしいんですか?」

 

男の言葉に、ミサはうなずく。

 

 

その後ミサは、不幸の坂を転げ落ちていった。

 

夫は事業に失敗し、会社は倒産。

 

借金取りに追われ、ミサは清掃の仕事をはじめた。

 

豪邸も引き払い、蜘蛛の巣だらけの借家住まい。

 

ミサは苦労がたたって結核になってしまう。

 

それほどの不幸に耐えているのに、幸福はなかなかやってこない。

 

ミサは男のところへ行き、叫ぶ。

 

「いつになったら世界一の幸せを手に入れられるの?

 

絶対に揺るがない、最高の幸せ。

 

もう我慢できない。

 

不幸を小出しにしないで、いっぺんに頂戴。

 

そして、すぐに幸せになりたい」

 

男はミサに言った。

 

「いいんですか?

 

ほんとうにいいんですか?」

 

ミサはうなづいた。

 

男の後ろの水槽で、ピラニアが泳いでいる・・・

 

 

感想

 

確かに、そうなんですよ。

 

不幸せをいかに乗り越えるか。

 

それによって、その後の人生が決まってきます。

 

不幸せって、ある意味、チャンスなんですよね。

 

「不幸せを不幸せのままにするか、幸福に変えるかは、あなた次第」

 

これって、ほんとうにそのとおりです。

 

 

ただ、ミサのように、はじめから幸せがわかっていて、その幸せを目当てにいい人のふりをしても、結局はうまく行かないような気がします。

 

ハードディスクの消去や部下の失敗を、もしも心から快くミサが許すことが出来たなら・・・

 

ミサがそういう人間だったら、不幸斡旋所に頼らなくても、はじめからミサには幸福が約束されていたことでしょう。

 

でも、残念ながらミサは、自分の幸せのために、いい人のふりを演じていただけでした。

 

そんなミサが手に入れた幸福は、しょせん、まがいもの。

 

長く続くわけがありません。

 

 

このドラマ、人間の因果応報を端的に描いていて、とても面白かったです。

 

「そうそう、そうだよね」

 

と身につまされながら見ました。

 

世の中には本当にラッキーな人がいて、そういう人は、心の中は真っ黒なのに、表向きだけいい子にしてみんなをだまし、幸運を手に入れてのうのうと生きています。

 

でも、そういう人はごく少数。

 

たいていの人は、不幸によって人間性を試され、不幸によって人間の器を磨きながら、その輝きによって少しずつ幸せを手に入れていきます。

 

嘘の輝きでは、そこそこの幸運を手に入れることは出来ても、本当の幸福は手に入れられません。

 

人生って、不思議とそういうふうに出来ているんですよね。

 

不幸斡旋所。きっとどこかに本当にあるんじゃないかな?(笑)

 

***

 

オチ

 

不幸斡旋所を後にしたミサは、入れ替わりに入っていく自分の夫を目にして驚く。

 

「なぜ?どうしてあの人がここに」

 

そのとき強風が吹き、「不幸せをあなたに」という看板が落ち、ミサを直撃する。

 

看板の下敷きになって血を流しながらミサは微笑む。

 

「こんな不幸せなめにあったんだから、きっとすごい幸せが・・・」

 

 

告別式。

 

祭壇には微笑むミサの遺影が飾られている。

 

がっくりと肩を落とすミサの夫。

 

そこへ、現在は成功を収めてフリーで活躍しているミサの同僚・カズミがやってくる。

 

ミサをなくした夫をなぐさめるカズミ。

 

やがてふたりの前に、黒服の男がやってくる。

 

不幸斡旋所の男だった。

 

「このたびはご愁傷様です。人生の伴侶をなくされるという不幸に会われたのですから、きっとそれに似合う幸運があなたを待っているはずです」

 

「ありがとうございます」

 

夫は深々と頭を下げた。

 

そして、カズミと見詰め合う。

 

男はミサの遺影に話しかける。

 

「世界一のゆるぎない幸せ。

 

極楽浄土のご気分はどうですか?

 

お気に召しましたでしょうか?」

 



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