昨日の火曜日は幾つかの映画館のサービスデーという事で、ハシゴ観した映画の二本目がこちら。
タイものではないのですが、元々予告を観て興味惹かれてたトコに、沼仲間の方がレビューされてるのを見かけて、やっぱ押さえとかなきゃなぁ、という事になりまして…(笑
※当ブログの映画感想系記事は、基本的にモロネタバレは避ける方針で書いておりますが、感想上必要な範囲内で物語の核心に触れたり触れなかったりしますので、その辺ご了承の上お読みくださいませ。
『Summer of 85』 フランソワ・オゾン監督
死に特別な想いを抱く文学少年のアレックスは、ある事故をきっかけに年上の青年・ダヴィドと知り合う。
陽気でチョイ悪、やんちゃだが繊細な面も併せ持つダヴィドに、戸惑いつつも惹かれてゆくアレックス…当然のように結ばれ、ひとつの誓いを交わした二人を待っていたのは、突然で絶対的すぎる別れの悲劇であった…
まず二人の主人公が素晴らしいですねぇ。
主人公アレックスの、十二分に美少年なのにどことなく匂い立つ地味なフツメン感のアンバランスな魅力。
個人的に印象的だったのが彼の寝起きシーン、本当に何気ないシーンなんですが、ベットから這い出たアレックスのパジャマが朝勃ちでかなり御立派なコトになっていて(笑、うわぁ、なんて突き刺さる若さの表現…と軽いショックを受けました…
そしてダヴィドの絶妙さ、アレックスが見つめた初恋の理想象と、素の彼自身の表情がなかなか見事に同じキャラクターの中で並立してる。
大人ならパッと見で気付くであろう彼の危うさが、若いアレックスには気付かなかったんだろうなぁ、と思わせるバランスの説得力が凄い、これは役者の子が巧いのか、監督の見せ方が凄いのか?
アレックスのオヤジにダヴィドの母、文学の教師など、サブキャストのエグみもなかなか絶妙でしたね、ヒロイン?の少女の絶妙な可愛らしさも良かったし…(笑
主人公二人の年齢差は2歳なのだけども、実際の年齢差はもうちょっと大きいのだと思う、まだまだ純粋無垢なアレックスと、ちょっと擦れ始めてるダヴィド。
とは言え、二人の距離はそんなに離れてる訳でもなくて、ダヴィドにとってアレックスはまだ幼く純粋だった、決して遠くはない過去の自分の姿を彷彿とさせるのだろう、だからこそ惹かれもしたし、ウザったくもあったのだろう。
売り言葉に買い言葉で、結果、二人の恋を叩き壊してしまったダヴィド、すぐに後悔してアレックスの後を追ったのだが本当は気付いていたのかもしれない、砕けた二人の関係はもう元どおりには戻らないという事に…
この作品で一番絶妙だったのが、最終的な決定打の前に、二人の恋が終わったトコにあったような気がします。
一方のアレックス、ゲイの少年にとってはよくあるただの初恋、ただの失恋だったはずが、ほんの小さな出来事で(まぁ小さくもないのだけれど)致命的な人生のエラーになってしまった。
ある意味アレックスは一ミリの罪もないのに、とんでもない罰の方だけを喰らわされてしまった訳で、そりゃテンパりもするわ、って話で…
他人には奇行に見える彼の行動も、砕かれた自分自身を取り戻す為のステップとしては理解できるというか、むしろ自然な行動にも思える…
遺体に会いたがったり「誓い」を守ったりしたのはあくまでダヴィドの為じゃなく、アレックス自身にとって必要不可欠な儀式だったのでしょうね…
そういう意味で、この映画の中でもちろん「ダンス」はこの作品で最も重要なシーンな訳で、必要充分なクオリティではあったのですが、個人的にはちょっと整い過ぎてる気がしました。
シナリオ的にもこのダンスは解決点じゃなくて過渡期なので、もうちょい壊れてる方向でも良かったように思う…
執筆による昇華、更には裁判の判決という区切りを越えてのエンディング、一見ハッピーエンドにも見えるけど、個人的にはあー、結局まだデヴィドの影を引きづってんのなぁ、って思いを強く感じて、いいんだか、悪いんだか感…
まぁ、あれはあくまで単に次の恋であって、それこそまだまだこれからアレックスが成長してゆく為のただの第一歩なのだ、と思えば、ハッピーエンドと言えなくもないのですけれど。
一点、おそらくアレックスとダヴィドの母が和解したっぽいのはちょい救いだったなぁ、と思いました。
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