秋の衣替えした?
参加中
和服業界では、9月中は単(ひとえ:裏地がついてない和服)、10月からは袷(あわせ:裏地と表地を2重にして仕立ててある和服)を着るものだと言われている。
その他にも、柄や素材で着る季節が左右される、繊細な衣服、それがジャパニーズキモノ。
今まさに単から袷への衣替え決行中。
↑この夏の間、ステージを支えてくれた色々な和服を、洗っては仕舞い、洗っては仕舞うよ。
和服はクリーニングに出すものだと思い込んでいたが、正絹以外の普段着、おしゃれ着は、自宅でけっこう気軽に洗っていいらしい。
※ホームクリーニングに向く素材:ポリエステルなどの化学繊維、麻、綿
実際先日初めて試してみて、その結果、「和服の自宅メンテナンスは可能」という結論に達したのでここに記録する。
和服をお持ちだがメンテナンスが億劫で着ていない方はぜひ参考にされたし!
◇お金をかけないで和服を洗ってみよう!◇
●準備するもの
手前から
・おしゃれ着洗剤…ウール、キュプラ等を洗えるやつ。
・衣紋掛け…ハンガー代用不可だが、物干し竿で代用はOK。
・平型洗濯ネット…目の細かいやつで、トレーナー2~3枚入る大き目のがいい。100円ショップで買った。
●心構え
最初は、万一失敗してもそれほど心にダメージを受けない和服で実施しましょう。
自宅クリーニングに向かない和服の例:
振袖。
白無垢等の婚礼衣装。
十二単。
●手順
1.和服を、洗濯ネットの幅に合わせて折りたたみ、ネットに封入。
↓
2.おしゃれ着洗剤を溶かした水を満たした洗濯機に、大胆にIN!ドライコースなどで、脱水は極力短く。
↓
3.衣紋掛けに広げて、形を整えて干す。
↓
4.水気が切れたら、低温でやさしくアイロンをかける。
↓
5.「来年までおやすみ」と声をかけて、防虫剤と共に箪笥へ。
※注意点
普通の洗濯の時同様、色物と淡色物を一緒に洗ってはダメです。
こうなります。
指より右=もとの色。
指より左=藍色のものから落ちた色がついた。
濃色のものだけでも、色のついてないところに色移りしたり、ムラができる可能性があるので、その辺を了解いただきたい。
ちょっとわかりにくいですけど、
指より下=もとの色。
指より上=白いはずのところがうっすら青く染まった。
わたしのワードローブのもの5枚を洗ってみた結果、化繊のものは濃色でも色落ちがなかった。
天然繊維のは着色しやすいようだ。
この失敗を他山の石とし、ぜひ箪笥の肥やしになっている和服に日の目を見せてあげて欲しい。
←僭越ながら、参考にしてくださったならばクリックしていただきたく候。
ともすると、
「そんな乱暴なメンテナンスは和服を傷める!」
と専門家の方には目くじらを立てられるかもしれない。
でも使えばなんだって傷む運命なんですよ。
美術品の世界的名作を手に入れた美術館が、
「展示すると傷むから。」
といって秘蔵して、誰にも公開しないのって意味がないとわたしは思う。
茶碗等の陶芸作品をインテリアとして飾ることも珍しくはないけど、なるべく外気に触れぬよう保管されていつか壊れるのと、持ち主に愛用されて惜しまれながら欠けたりヒビが入ったりしていくのと、どちらがその茶碗の幸せだろうか。
わたしは後者と信じたい。