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音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2022年05月24日
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多彩なゲストを迎え、シンガーとしての前進と安定を示した盤


 ギターの神童と言われたエリック・クラプトン(Eric Clapton)は、1970年にソロ・デビュー盤をリリースして以降、長い目で見ると、徐々にシンガーとしての立ち位置を強めていった。かつての前のめりなギター演奏のイメージとは大きく異なり、“レイド・バック”や、レゲエを取り込んだ点などは、それが表面化した現象だったと言えるように思う。1976年発表の本盤『ノー・リーズン・トゥ・クライ(No Reason to Cry)』は、後世から見れば、そうした形でクラプトンがシンガーとしての存在感を強めていった流れの中で理解できる盤なのではないかというふうに思ったりする。

 1970年に最初のソロ作(その後にデレク・アンド・ザ・ドミノスの活動が挟まる)の後、1974年の『461オーシャン・ブールヴァード』からはソロ活動に本腰を入れ、翌年に『安息の地を求めて』、そして(間にライヴ盤のリリースを挟むものの)、その次の年に当たる1976年にリリースされたのがこの盤という流れであった。さらに次の年には『スローハンド』が発表されるのだけれど、ここで述べた期間というのは、筆者個人が特別に気に入っているクラプトンの活動期だったりする。

 さて、今回の『ノー・リーズン・トゥ・クライ』である。もはやお手のものとなったレイド・バック的なナンバーをいくつも含み、随所でブルースやギターの聴きどころを設けていて、作品としてのバランスが取れている。それに加え、シンガーとしての成長というか安定感がついてきたという印象が強い。さらに、ゲストの多彩さも目を引く。ザ・バンドのメンバーは5人全員が参加しているのに加え、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズのロン・ウッド、ジェシ・エド・デイヴィス、ビリー・プレストンなどといった超豪華なサポート陣である。

 いくつかの曲に目を向けておきたい。いかにもレイド・バックの魅力やヴォーカリストとしての安定感を感じさせるナンバーとしては、2.「カーニヴァル」や10.「ブラック・サマー・レイン」が筆者的にはお勧めである。豪華なゲストに注目したい曲も2つほど挙げておきたい。ヴォーカルでボブ・ディラン、ザ・バンドのリック・ダンコが参加している曲があり、前者は、3.「サイン・ランゲージ」(日本盤表記では「サイン・ラングウィッヂ」)、後者は、5.「オール・アワ・パスト・タイムズ」でそれぞれエリック・クラプトンとともにヴォーカルを担っている。この3.のディランとの共演は本盤での大きな聴きどころと言っていいように思う。

 また、クラプトン作品に頻繁に登場するマーシー・レヴィ(マルセラ・デトロイト)のヴォーカルが複数の曲で利いていて、しかもリード・ヴォーカルをとっているナンバー(8.)も見られる。最後に、ブルースで聴かせるナンバーが適度に配されているのも、本盤が聴き手を飽きさせないものになっている理由の一つだと言える。アルフレッド・フィールズの4.「カウンティ・ジェイル・ブルース」やオーティス・ラッシュの7.「ダブル・トラブル」といったナンバーがこれに当たる。無論、ギターの神様を求める聴き手からは、もっとギターを聴かせてもらいたいと注文がつきそうではあるのだけれど、個人的にはこれでいいのだと思ってみたりもする。


[収録曲]

1. Beautiful Thing
2. Carnival
3. Sign Language
4. County Jail Blues
5. All Our Past Times
6. Hello Old Friend
7. Double Trouble
8. Innocent Times
9. Hungry
10. Black Summer Rain
11. Last Night(CD追加曲)

1976年リリース。




 ​
ノー・リーズン・トゥ・クライ [ エリック・クラプトン ]




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Last updated  2022年05月24日 04時47分57秒
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