テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
2通りのクインテットによる初期の代表作
1950年代半ば、西海岸のアルト奏者の代表格だったバド・シャンク(Bud Shank)。本盤『昼と夜のバド・シャンク(Bud Shank-Shorty Rogers-Bill Perkins)』は、彼の代表作として知られる。“昼と夜の~”という表題は、日本盤ならではのものだが、元の盤の表題は、上で挙げたもののほかに、“Bud Shank Quintet”と呼ばれることもあるようだ。ちなみに、“昼と夜”というのは、ジャケットのデザインと関係していて、ジャケット表面には日中のロサンゼルス、裏ジャケには夜のロサンゼルスの写真が使用されている。 LPのA面(CDでは1.~6.)とB面(7.~12.)は、それぞれ異なるセッションで録音されたものである。実際には、A面が1つめのクインテットで、B面の方は異なるメンバーでのクインテット演奏である。特にA面は、いかにも軽やかで西海岸的な雰囲気だが、このセッションはバド・シャンクの初リーダー録音であった。 前半と後半で異なるセッションの音源が組み合わされて一枚になっている以外にも、本盤で特徴的なことがある。それはバド・シャンクのプレイヤーとしての特性で、ただアルト・サックスを演奏しているだけではない。本盤の後半では、テナーやバリトン・サックスも扱いこなし、前半・後半ともにフルート演奏者としての腕前を発揮している。 個人的な好みで何曲か個別の演奏に触れておきたい。2.「カサ・デ・ルス」はシャンクの自作曲(本盤では1.~6.が自作曲)で、流れるようで明朗な彼のアルト・サックスがとにかく聴いてて心地よい。5.「ジャスミン」は、少々甘めと言われるかもしれないが、ヴァリエーションのある曲や演奏の中でこうした曲に出合うと、筆者的にはついつい聴き惚れてしまう(実際、この後の6.「ジャスト・ア・フュー」では、一転してスリリングな演奏になるのもまたいい)。 後半の演奏では、8.「フルーテッド・コラムス」が、表題の通り、フルート演奏が主役となっていて、ハンプトン・ホーズのピアノと相まってその小気味よさがツボにはまると実に快楽的。実際、後半のセッションの演奏では、いくつもの曲でハンプトン・ホーズ節が演奏のノリを引っ張っている。そんな中、柔らかで少しまったり感もある11.「ア・シナー・キスト・アン・エンジェル」も、個人的にはなかなか気に入っていたりする。 [収録曲] 1. Shank's Pranks 2. Casa de Luz 3. Lotus Bud 4. Left Bank 5. Jasmine 6. Just a Few 7. Paradise 8. Fluted Columns 9. I Hear Music 10. Royal Garden Blues 11. A Sinner Kisses an Angel 12. It Had to Be You [パーソネル、録音] 1.~6.:Bud Shank(as, afl), Shorty Rogers (flh), Jimmy Rowles (p), Harry Babasin (b), Roy Harte (ds) 1954年3月25日録音。 7.~12.:Bud Shank(as, ts, bs, fl), Bill Perkins (as, ts, fl), Hampton Hawes (p), Red Mitchell (b), Mel Lewis (ds) 1955年5月2日録音。 昼と夜のバド・シャンク +1 [ バド・シャンク ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年08月02日 19時52分41秒
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