テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:ジャズ
ハード・バップからファンキーへ
本盤『ライト・フット(Light Foot)』は、『ブルース・ウォーク』と同じ年(1958年)に録音されたアルト奏者ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のリーダー作である。発売時期は数年後となったが、メンバー(ドラマー以外は同じ顔ぶれ)を見てもわかるように、『ブルース・ウォーク』と同じ編成であり、似た傾向を持った作品と言える。 その特徴は、ピアノ・トリオにドナルドソンのワン・ホーンという編成に、コンガ(レイ・バレット)が加わっている点。そして、ピアノの担当がハーマン・フォスターという個性的なピアニストという点にある。この二人の組み合わせは、“ファンキー・ジャズ”というワードで表現されることが多い。少し言葉を足すならば、ハード・バップが存在してこそのファンキーだったのではないかと思ったりする。つまりは、何もないところから、このファンキーなノリが出てきたという訳ではない。ジャズ音楽の進展とともに一つのスタイル(ハード・バップ)が出来上がってきて、それがあったからこそ、このファンキーなサウンドが生まれることになったのではないだろうか。 アルバム収録曲のうち、前半(1.~3.)はドナルドソンのペンによるナンバー。対して、後半(4.~7.)は彼以外の人物によるナンバーが演奏されていて、ハーマン・フォスターの曲(6.)や有名スタンダード(7.)も含む。 注目したい曲としては、まずは冒頭に収められている表題曲の1.「ライト・フット」。ハード・バップを踏まえてファンキーへと向かうという、上述のイメージがよくわかる演奏だと思う。続いては、3.「メアリー・アン」。曲の冒頭から、レイ・バレットのコンガが実に効果的で、なおかつ饒舌なロナルドンのサックスがいい。7.「星影のステラ」は、サックスをはじめとして演奏全体の滑らかさが心地よい。 正座して聴く(ジャズのリスナーにはそうした傾向の人が一定数いる)のではなく、リラックスして聴く。そしてその内容は、小難しいというよりは大らかで楽しい。しかし、従前の音楽を再現しているわけではなく、“らしさ”を発揮している。本盤『ライト・フット』は、そんな風に楽しんで聴く作品と言えるような気がする。 [収録曲] 1. Light-Foot 2. Hog Maw 3. Mary Ann 4. Green Eyes 5. Walking by the River 6. Day Dreams 7. Stella by Starlight [パーソネル・録音] Lou Donaldson (as) Herman Foster (p) Peck Morrison (b) Jimmy Wormworth (ds) Ray Barretto (conga) 1958年12月14日録音。 ライト・フット [ ルー・ドナルドソン ] [枚数限定][限定盤]ライト・フット/ルー・ドナルドソン[CD]【返品種別A】 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年01月25日 05時25分26秒
コメント(0) | コメントを書く
[ジャズ] カテゴリの最新記事
|
|