p3ぶろぐ おかわり : 糸井正和経済経営研究所

金融・経済・経営の幅広い分析をお届けします。身近な路地裏経済から陰謀渦巻く国際戦略まで、様々なハナシをお楽しみ下さい。

ワンサカ娘、逝く

2020-05-18 01:23:45 | 企業・産業
かつて日本最大のアパレル企業であったレナウンが破綻しました。
この週末、“追悼”としてようつべあたりで「イェイェ」しまくった向きは、少なくないでしょう。
いやまぁ、歴史が長いだけあって、いろんなヒト達が歌ってるもんですねぇ。
個人的には弘田三枝子版シルヴィ・バルタン版'87イェイェガールズ版って感じですかね.
「鴨川ホルモー」版は別というコトでw
“オリジナル”のかまやつひろし版を見つけられなかったのは、残念なトコロです.

同社の“トび方”は、グループ会社によって民事再生法の適用を申し立てられた、即ち子会社が親会社に対して資金回収の疑義を突き付けたという、「そんなコトがあるのか」と思わせられるサプライズな有り様です。

資金回収が問題になるトキに見る“お約束”な指標の一つである流動比率は、2017年2月期の388%から2018年2月期の239%、2019年12月期の220%と大きく悪化。
足下のコロナ禍を受けた緊急事態宣言下において主力の販売経路である百貨店が店舗を閉鎖しており、教科書的な“ボーダーライン”である200%を直近で割り込んでいてもおかしくない状況ではありました。

2019年12月期における流動性悪化の大きな要因が、親会社(の系列会社)による原料仕入代金の“踏み倒し”。コレはコレで「そんなコトがあるのか」つーサプライズですネ。
背景にあるのは、昨年(2019年)を通じて世界景気の成長鈍化要因であった米中貿易摩擦を受けた、親会社である山東如意の状況悪化
その意味において今回の同社の破綻は、“トドメ”をさしたコロナ禍よりも、米中貿易摩擦の悪影響の結果としての側面がより大きいと言えるでしょう。

もう一つの背景として、グローバリゼーションと共に進んだ貧富の差の拡大下での“中間層の没落”という中間ブランドにとって厳しい状況があります。
先に同社も扱っていたブランドである米J.CREWが“トんだ”のもソの現れと言えるでしょうが、今回はソレには触れません。

さて、グローバリゼーションが進行する中では、中国企業による日本企業の買収が、少なからずありました。
その“逆流”とも言える同社の様な事例が、今後拡がらないことを望みたいトコロです。

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