あけましておめでとうございます!

 2022年も良い年にしていきたいですね。今年は個人的には勝負の年になるはず…ですわ。
 さて一発目は年末見たRIZIN33の感想を書きます。


第1試合 スペシャルワンマッチ66.0kg
○三浦孝太 vs YUSHI×(1RTKO 右ストレート)
 三浦選手が見事なKO勝ち。スタンドでも思い切ったパンチを振り回し、カーフを当てるなど攻勢、寝技でも組まれた所からギロチン、三角絞め、腕十字と仕掛けていき、最後は立ち上がり際にサッカーボールキックから逃げたところに右ストレートを当ててTKO勝利。
 運動神経の良いところを見せましたね。YUSHI選手はキック経験者ということでしたが、あまり良い所が出せず。意地で寝技を防いだところが見せ場だったでしょうか。惜しいカウンターは一発だけ有りましたが。
 三浦選手は良いデビュー戦だったので、次以降はDEEP他で経験を積んでいく感じでしょうか? 勝ってるうちはRIZINに出る流れかな。相手の選定は慎重に行ってほしいですね。


第2試合 バンタム級トーナメント準決勝
○朝倉海 vs 瀧澤謙太×(3R判定 3-0)
 朝倉選手が3Rにダウンを奪い、その後もカウンターを効かせて明確な差を作って判定勝ち。瀧澤選手もブロッキングと足を使ったディフェンスで致命打を貰っていなかったんですが、最後の最後で貰って明確な差を作られてしまいましたね。右を警戒していたところに飛び込みの左フック(or左ストレート?)をもらった感じでしたかね。
 個人的には瀧澤選手が勝つ可能性も十分にあった試合だと思っていたので、途中までは拮抗していて面白かったです。


第3試合 バンタム級トーナメント準決勝
○扇久保博正 vs 井上直樹×(3R判定 3-0)
 序盤は井上選手が打撃、寝技で圧倒していたものの、2Rに扇久保選手が上を取り返すとそこから一気に流れが変わり、扇久保選手が寝技で井上選手を消耗させることに成功。3Rも扇久保選手が組みでしつこく行き、グラウンドに持ち込みバックを取り続けて判定勝ち。
 井上選手のグラウンド耐性に関しては、ジョビンさんも疑問視していたように、下になった時の動きが微妙でしたね。グラウンドの攻めは強いけど凌ぎが微妙というパターンでした。
 扇久保選手が完全に幻想を砕いた形。このバンタム級トーナメントで最初から戦いたかったと言っていただけある試合内容でした。
 井上選手が次を見据えてか下からの崩しが少なかったり、次の試合を気にして若干雑になっていたような感じもありました。右ストレートの精度も微妙でしたしね。


第4試合 バンタム級トーナメント リザーブマッチ
○元谷友貴 vs 金太郎×(3R判定 3-0)
 序盤は金太郎選手、中盤は元谷選手、後半は互角といった感じの試合展開でした。
 かなり判定が難しい印象でしたね。個人的にはドローor金太郎選手かな?と思いましたが、組みの分で元谷選手が優勢なシーンを作ったのを大きく取った感じですかね。スタンドの攻防では元谷選手ももらうシーンも多かったですが、ミドルキックや前蹴りを何発も当てるなど、思ったより差がなかったです。
 それにしても金太郎選手で蹴れるし、打撃の迫力もすごいんですが、あまり効かせるシーンを見てないんですよね。まぁRIZINクラスの選手って目も良いんでしょうけど、印象よりも金太郎選手の打撃の強い所が見られていないですよね。こういうのって面白いです。
 ※実際この試合でも近距離で金太郎選手の良いパンチが当たってましたが、元谷選手はぐらつくこともなく。なぜだろう…。



第5試合 スペシャルワンマッチ61.0kg
○太田忍 vs 祖根寿麻×(2RTKO サッカーボールキック→踏みつけ)
 太田選手が組みの強さを見せつけて祖根選手に何もさせずにTKO勝ち。ガブリからの膝蹴りが凶悪でしたね。グラウンド膝があるルールだと、このクラスのオリンピアンのガブリはもうどうしようもないっす。エゲツない。下手にポジション取るよりも、ガブリからの膝だけでいいんじゃない?と思わせるくらいの攻撃力でした。
 ※ただUFCを目指してるならガブリからの膝を主武器にすると後で困るような気はしますが…(笑)。

 太田選手がガブリからの極めを覚えたらさらにえぐいことになりそうでしたね。実際首を極めてて危なそうな場面も有りましたし。あとはバックブローでダウンを奪いましたが、組み立てとかは見えていなかったので、その部分も伸びしろありそうです。

 腕十字のディフェンスが怪しかったですが、ソレ以外はいい動きをしていましたし、閂スープレックスや、ガブリスープレックスなど、グレコの武器が沢山飛び出してよかったです。

 応援コードを太田忍選手にしてよかった〜〜〜〜🤣


第6試合 スペシャルワンマッチ90.0kg
○シバター vs 久保優太×(1Rテクニカル一本 飛びつき腕十字)

 シバター選手が劇場開演から久保選手が冷酷にローキックで削っていたんですが、そこからシバター選手の右ロングフック(ロングアッパー気味?)が久保選手を捉えてダウン奪取。シバター選手が一気に詰めていき、首相撲の展開から組みを外して飛びつき腕十字で一本勝ち(タオル投入)。
 シバター選手激勝となりました。
 久保選手はやることやってましたし、体格的な部分で飛んできたパンチを食らってしまって後の対応ができなかった感じですね。体格的に有利とはいえ、シバター選手の攻めと極めが見事だった形になります。ローを打ってくるのは想定内だったことから、ローの蹴り終わりにパンチを当てるプランだったのかもしれません。見事にハマりましたね。
 とはいえ、この試合ではこれだけキレイに勝ってしまったので、流石に階級下の選手は今後断りを入れそうです。そうなると、適正階級での試合を組まれることになりそうですね(いやそれが当たり前なんですが(笑))。
 北村克哉vsシバターとかありそうですよね〜。まぁRIZINがここでシバター選手を逃がすことはなさそうなので、今後の展開は気になります。


第7試合 スペシャルワンマッチ62.0kg
×皇治 vs YA-MAN○(3R判定 2-0)
 YA-MAN選手が皇治選手とのバチバチの打ち合いを制して判定勝ち。序盤はYA-MAN選手が顔面付近への打撃を当てて印象づけ、後半は皇治選手が序盤から当てていた左ボディを中心に手数で上回る…という感じでした。
 序盤に皇治選手の金的と頭突きがありましたが、事故っぽかったけどある意味で「持ってる」のかなぁ…とは思いました。ヒール感がすごい。
 実際、皇治選手の金的はかなり深く入ってましたが、ソレに耐えて、かつその後のボディ攻勢を喰らいながらも凌ぎきったYA-MAN選手のタフさが分かる試合でしたね。良い試合だったと思います。
 皇治選手はハイキックが惜しかったのがありましたねぇ。


第8試合 スペシャルワンマッチ66.0kg
○萩原京平 vs 鈴木博昭×(3R判定 3-0)
 萩原選手がスタンドで圧力をかけつつ、要所でTDを奪って抑え込んで判定勝ち。鈴木選手もスタンドではパンチを当てさせず、インローをかなりの数当ててました。後半になれば効いたかもしれませんが、グラウンドに持っていかれてしまったのでどうしようもなかったですね。グラウンドも起き上がるというよりは下からの仕掛けをしていたりして、柔術やってんなぁという感想でした。
 グラウンドで攻められてましたが、致命的なポジションは許してなかったですしね。37歳というのが勿体ないくらいのMMA2戦目でした。
 萩原選手は相性的にやりづらい相手に制空権を維持しつつ、適度にTDを取りポジションキープして判定勝ちというMMAIQが高い勝ち方をしていました。こういう勝ち方ができると今後伸びそうですよね。不要なダメージも負わず、良い試合内容でした。
 個人的には実況と解説が萩原選手寄りになっていた感じがしましたね。UFCなら1Rは鈴木選手が取っていたかもな〜とか思いますんで。


第9試合 スペシャルワンマッチ120.0kg
×シビサイ頌真 vs 関根”シュレック”秀樹○(2RTKO サイドからのパウンド)
 なんかプロレスみたいな試合でしたね。関根選手のジャーマンの後にシビサイ選手が待ってるように見えたりとか。2R手数が出なくなったりとか。ワーク試合とは思いませんが、なんか変な試合だったな〜と。グラウンド攻防でシビサイ選手のスタミナが削れてた感じでしょうか?
とにかくなんと言ったら良いかわからない試合でした。
 次に関根vsシバターが組まれたりして…(笑)。


第10試合 スペシャルワンマッチ71.0kg
○武田光司 vs ”ブラックパンサー”ベイノア×(2R一本 腕十字)
 正直ミスマッチだと思っていた試合ですが、ベイノア選手が善戦したおかげで良い試合になりました。武田選手の散々の投げ技も、全部肩肘で受け身をとっていたのは才能的な部分なのか。またグラウンドで上になられてからの攻めも一瞬逃げて攻勢につなげるなどの部分も見えました。
 そしてスタンドではシャープな打撃で武田選手をぐらつかせ、ダウンを奪う場面も。最後は腕十字に捕まりましたが、ベイノア選手が怪我をしてないと良いですね。
 負けたけど主役はベイノア選手って感じの試合でした。本当に能力の高い選手だし、OFGでの打撃が極真空手の打撃と相性がいいのかもしれない。グローブだとあれだけ殺傷能力の高い打撃を出せていない印象もありますし。



第11試合 スペシャルワンマッチ49.0kg
×浜崎朱加 vs 伊澤星花○(2RTKO 三角絞めからのパウンド連打)
 ビッグアップセットでしたね。序盤から組みの強さと、スタンドの大胆さを見せていた伊澤選手ですが、ボトムからの蹴り上げで浜崎選手にダメージを与えていたのが大きかったですね。トップキープされると下からの選手は普通は選択肢が減りますが、伊澤選手は足を効かせて下から蹴り上げまくっていたのが大きかった。
RIZINルール以外のユニファイドルールだと反則になる技ですが、ルール上有りならグラップラーはみんな使ったほうが良い技ですよね。むしろみんなあまりに使ってないイメージ。

 浜崎選手もその体勢であんなに蹴られると思ってなかったのか、かなり蹴られてダメージを負っていたように見えました。最後の三角締めも、蹴り上げありの中でガードの中に入って、攻めあぐねていた所をセットアップされたので…。決まり手は「蹴り上げ」と言ってもいいくらいの内容でした。
 浜崎選手はパスしてからパウンド落としたかったですね。蹴り上げ食らって効いてしまったのか、それとも意地になってしまったのか、伊澤選手からパスするのが難しかったかは分かりませんが、リマッチはあるんでしょうか。
 

第12試合 スペシャルワンマッチ50.0kg
×RENA vs パク・シウ○(3R判定 3-0)
 ちょっと用事があったため、サラッとしか見られず。
 スタンドでは互角で、パクシウが組みでリードした感じでしたか。スタンドでRENA選手がもう少しリードしたかったでしょうけど、そこが攻めきれなかった印象でしょうか。個人的には若干RENA選手の方がスタンドリードしていた印象ですが、後半は組みでの消耗もあってか、パクシウに押されていたのかな。
 ディープジュエルス勢がRIZIN女子選手を飲み込んだ形。


第13試合 スペシャルワンマッチ(RIZINラストマッチ)
-那須川天心 vs 五味隆典-(2R判定 ドロー ※エキシビジョンのため)
 五味選手が良いカウンターを狙っていた印象です。流石に全盛期を遠に過ぎてますが、怖さは見せましたね。まぁ那須川選手が絶対にポカできない、怪我できないというところで半歩踏み込まずに戦っていた感じはありましたが…。
 結果的にこの試合と関係ない緊張感が五味選手の動きが良いように錯覚させていた感じもあると思います(笑)。
 とにかく武尊選手と那須川選手には、来年6月まで怪我なく進んでいってほしいですね。


第14試合 スペシャルワンマッチ66.0kg
○朝倉未来 vs 斎藤裕×(3R判定 3-0)
 朝倉選手が右フックのカウンターを効かせつつ、左も効かせてニアダウンを奪い判定勝ち。倒れはしなかったものの、カウンターの左膝蹴りなども効果的でしたね。最終的には斎藤選手のタックルカウンターで上を取るなど、総合力の高さも見せました。直前の左膝のカウンターは効いてそうでしたね。斎藤選手はよく耐えたわ。
 RIZINではブレイクが頻繁に行われるので、立ちレスの展開で斎藤選手が優勢にはなってましたが展開を作らせなかった朝倉選手の作戦勝ちでしょうか。
 

第15試合 ライト級タイトルマッチ
○ホベルト・サトシ・ソウザ vs 矢地祐介×(2R一本 三角腕十字)
 矢地選手もよく対策してきていて、TDされる前提で寝技を凌ぎタフファイトに持ち込む、という戦略が見えて面白かったです。ただ、流石にTDされてハーフで落ち着かれてしまうとどうしようもなかったですね。1Rこそ凌ぎきりましたが、2Rにニータップ気味にTDされてハーフで落ち着かれてしまったのが痛かったですね。動いて行きたかったですが、1Rの攻防で矢地選手も削られており、時間を与えてしまったのが厳しかった。
 ハーフでキムラのセットから三角腕十字までキレイに整えられて一本負け。引き出しの数が違いました。
 サトシ選手は鼻から大流血してましたが、意に返さず極めきりましたね。グラウンドでの体の力の差がすごかった。まさに寝業師って感じで。


第16試合 バンタム級トーナメント決勝戦
×朝倉海 vs 扇久保博正○(3R判定 3-0)
 扇久保選手がローを起点に有効打を当てつつ、組みの展開でプレッシャーを掛けながらTD成功も含め、またタックルフェイントを織り交ぜてのパンチも当てて完勝でした。
 ※試合後、朝倉選手が瀧澤選手との試合で右拳を骨折していたことが判明しましたが、それも含めてのトーナメントなので。本人も言い訳に出来ないと言っていましたし。
 
 扇久保選手の戦略が光りましたね。瀧澤選手が蹴っていたカーフをそのまま引き継ぐ形で集中砲火を浴びせつつ、ジャブはもらうものの右や大きな膝蹴りや蹴り上げはもらわないように立ち回ってました。そしてシングルレッグからしつこく組みの展開に持っていくのも光ってました。

 そして打撃に混ぜた組み、組みに混ぜた打撃で朝倉選手からクリーンヒットを奪いまくり、若干効かせてましたね。正直この展開になるとは思ってなかったのですが、すごかった…。

 3R後半も朝倉選手が組みの展開で驚異的な腰の強さを見せていたんですが、それがあっても何度もタックルでトライし、かつ離れても打撃で有効打を奪っていたのは扇久保選手だったので、マジで完勝でしたね。お見事。あっぱれ。

 今回の興行は全体的に「まぁこうなるか〜」くらいのノリで見てたんですが、扇久保選手関連の試合は完全に想定外の内容だったのでほんとにテンション上がりました。間違いなくMVPですね。
 ベイノア選手も見せ場を作りましたし、太田忍選手も相性ありつつもガブリからのパフォーマンスが驚異的で面白かったです。女子の試合も番狂わせあって…。

 良い年越しになりました。選手の皆さんお疲れさまでした。

 終わり