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中国棍術・槍術の基本

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中国棍術の基本のロゴ

本ページでは、中国武術の棍術と槍術の基本を動画で紹介しています。

短兵器と長兵器

中国の武器術には、大別すると短兵器と長兵器があります。

短兵器刀、剣
長兵器棍、槍
その他子母鴛鴦鉞、判官筆、

本ページでは、棍術などの長兵器の基本について紹介します。短兵器については、以下のページをご覧下さい。

〇 太極剣や太極刀の基本は、太極拳の剣と刀の基本のページで紹介しています。

〇 陳式太極剣に特化した、基本功や基本技法は、陳式太極剣の基本のページをご覧下さい。

馬に乗っている将軍のイラスト
剣や刀は短兵器と呼ばれる。

伝統棍術の特徴

棍術にも表演用の棍術と伝統の棍術があり、伝統棍術の特徴としては、一部の技法を除いて、基本的にGをかけません

Gというのは重力加速度の事です。物体が自然に落ちていく時に加速されていく速度の事を言います。

このGを超えた速度を無理に出すと、棍のほうに体が引っ張られて、バランスを崩してしまいます。

車で速度を落とさずにカーブを曲がろうとすると、体が外側に引っ張られる現象と同じです。

体のコントロールを失うという事は、武術では自滅を意味しますし、加速した棍を無理に止めると居つきが生じます。

棍術の基本

当派の棍術の基本を動画で紹介します。

なお各技法の名称や発音は、当派で使用しているものであり、他派では通用しない場合もありますのでご了承ください。

劈棍(へきこん、ピーグン)

劈とは、薪割りのように斧を振り落とすような動作の事を言います。

ただし、当派の劈棍の特徴としては、棍を振り落とすというよりも、棍が自然に倒れていくのを体全体で拾いに行くイメージです。

そして拾った瞬間に棍と体を合致させるように行います。

劈棍を練る事で、下盤と姿勢の強化にもなります。

蓋棍(がいごん、ガイグン)

蓋は、劈の変化であり、鍋にふたをするように、上から下へ覆いつくすような技法です。

車輪のように棍を回し、手の平を下にした陰手で棍を振り落とします。

八卦掌の蓋掌や陳式太極拳の高探馬などの基となった技法です。

掛棍(かこん、カーグン)

掛棍は、一般的には舞花棍と呼ばれています。

技法的には、先に紹介した蓋棍を極めを作らずに連続して行います。

当派の特徴としては、ビュンビュン振り回すのではなく、丁寧に丁寧に歩法と連動して行います。

撩棍(りょうごん、リャオグン)

撩は下から上へまくり上げるといった意味です。劈棍や蓋棍とは反対に下から上へと円を描きます。

棍が後ろ方向へ倒れていくのを、上への力に変換して回していきます。

棍自体が空中で回転しやすいよう、歩法と身法で導きます。

提撩棍(ティーリャオグン)

撩棍には体の左側と右側で回す2種類の技法がありますが、提撩棍では2種類の撩を左右交互に連続して行います。

表演などでよく見かける動作です。基本的に当派の棍術では、Gをかけませんが、この技法だけは必然的にGがかかります。

撥棍(ボーグン)

撥には、はらう、はらいのぞくなどの意味があり、頭上で棍を回した後、横へとはらう動作です。

当派では、通常は平斬(ピンザン)の名称を用いています。

中国武術でよく用いられる撥草尋蛇という技法は、草(下方)をはらって蛇を探すような意味になります。

ちなみに頭上で棍を回す動作は、雲棍(ユングン)と言います。

横掃千軍(おうそうせんぐん)

横掃千軍は、先に紹介した撥棍に八卦掌の扣歩擺歩の歩法を組み合わせたものです。

周りを囲まれた際に、空間を作るために用います。

掄棍(ルングン)

掄には長い物を振り回すの意味があります。

撥棍と同じく棍を水平に回す動作ですが、撥は体の内側から外側へ、掄は逆に体の外側から内側への軌道となります。

当派の特徴としては、肩口を支点に棍を回し、ブーメランのように用います。

技法的には掄棍で相手をのけぞらせた後、劈棍などで追い打ちします。

刺棍(ツーグン)

門派によっては、戳(たく)棍とも言います。意味はどちらも突き刺すという意味です。

当派の特徴としては、刺した後に、引き戻しながら劈の動作を行っています。

対練では、刺を劈で払い落とした後、刺で反撃する練習を行います。

槍術の基本

棍と槍は同じ長兵器のため、共通した技法が多いのですが、槍独特の技法もありますので、一部を紹介します。

攔、拿、扎(ラン、ナー、チャー)

攔は内側から外側へ弧を描き、ふさぐ、遮るといった意味です。

拿は反対に外側から内側へ弧を描き、持つ、つかむ、運ぶといった意味があります。

扎は突き刺すという意味ですが、刺よりも強くぶっ刺すというイメージです。

当派では、本来は、攔=抖(ドウ)、拿=扣(コウ)、扎=刺(ツー)の文字を用い、さらに劈(ピー)を足して、抖、扣、刺、劈の四手で練習を行います。

武当龍門十三槍 抖、扣、刺、劈

点槍(てんそう)

点は点撃、つまりピンポイントでの攻撃です。

技法的には、相手の下半身を狙った点撃となります。

単に下方を突き刺すというよりも、槍先が自然に下がっていくように導きます。

また動画では分かり辛いですが、当派の特徴としては、正面の下方ではなく、右斜め前方の下方を突いています。

楊式太極短棍

楊式太極短棍(たんこん)は、楊式太極拳と棍術や槍術の理を融合させた当会独自の練習体系です。

基本功、基本技法、套路(型)、対練といった体系があり、ここでは套路の一部を紹介します。

楊式太極短棍の套路(第一段)

楊式太極短棍について、詳しくは こちらのページ をご覧下さい。

まとめ

棍術を練習する男性会員達の写真
棍術を練習する男性会員達

今回は、中国武術の長兵器である棍術と槍術の基本を中心に紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?

棍をビュンビュン振り回す表演の棍術と比べると、Gをかけない伝統棍術は、地味な印象だったかもしれません。

今後も新たな動画を撮影した際は、掲載していく予定なので、棍術や槍術に興味のある方は、定期的にこちらのページをご覧下さい。

他の中国武器術に関しては、以下のページもご参考下さい。

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