中国の検閲状況を監視するチャイナ・デジタル・タイムスが、ロックダウン反対デモと検閲回避ツールをターゲットにしたお達しを少なくとも3つ出している事を暴露しています(2022年11月29日付け)。以下、拙訳。

政府当局がメディアに対して発した以下の検閲指令が流出し、インターネット上で配信されている。
國家互聯網信息辦公室

    2022年11月29日午後6時11分

通知:ファイアウォール回避ツール、商品、サービスの徹底的なクリーンアップと規制 (毎日のフィードバックを正午前に送信)

以前の状況の評価に沿って、全てのプラットフォームは、ファイアウォールを回避するのに使用されるツールの徹底的なクリーンアップと規制を実行するように要求する。

第一に、Eコマースプラットフォームは、ファイアウォールの迂回に使用された商品やサービスのオンライン販売を一掃するための協調的な努力を継続すべきである。これには、ファイアウォール回避ルータ、VPN、Webアクセラレータ、VPS (仮想プライベートサーバ) 、海外のAppleアカウントなどが含まれる。

次に、アプリストアやファイルホスティングサービスから、ファイアウォールを回避するすべての違法なソフトウェアやツールを徹底的に調査し、クリーンアップし、削除する。

第三に、UGC(ユーザー生成コンテンツ)プラットフォームは、ユーザーが生成または自己公開した視聴覚資料を共有しており、 「ファイアウォールの迂回」 、 「科学的なインターネットへのアクセス」 などの回避手法をユーザーに指示する有害なコンテンツをクリーンアップする必要がある。

第四に、すべての検索エンジンは、ファイアウォールの迂回に関連する検索結果のクリーンアップを引き続き実施し、 「ファイアウォールの回避」 「科学的なインターネットアクセス」 などのキーワードの拡散を制限する必要がある。

第五に、毎日正午12時以前に、過去24時間の毎日のフィードバックを送信する。同時に、禁止すべきコンテンツの推奨を提出する際には、回避ソフトウェア(ソフトウェアインストールパッケージがある場合は、それを添付しする)の名前と、ファイアウォールの回避に使用するサーバのIPアドレスを記載するように。これらを個別に列挙する。(中国語)

國家互聯網信息辦公室

2022年11月29日午後6時13分
  1. 昨日、丹生部長[國家互聯網信息辦公室副主任・丹生亦冰]は国家サイバースペース管理システム管理調整ビデオ会議を開催した。現在の状況を踏まえ、コンテンツ管理の最高レベルである「レベル1インターネット緊急対応」を開始する必要があると判断した。主要管理者は現場主義を貫き、コンテンツ管理を強化する必要がある。最近、各県で話題になっているオフラインでの騒動や海外情報の逆流などの情報を迅速に把握し、対処し、報告する必要がある。
  2. 11月24日の事件をきっかけに様々な不満が表明され、上海では悪質な政治スローガンが登場し、大学生は目立つ政治集会を開き、海外メディアによる中傷が増え、各サイトではコンテンツ管理が強化されている。
  3. 世論管理・統制:民衆の集まり、新型コロナ検問に殺到する人々、特に大学に関する内容を厳しく管理・統制する側に回る。事前監査を強化し、煽動的なアカウントは厳しく調査する。
  4. 規律と裁量を重視し、業務指示の漏洩を許さない。
  5. 昨夜、海淀区黄庄で行われた市民集会について、海外で大騒ぎになっていた。今日は朝陽区の彌雲村(アジア競技大会村)などがその方向の模様だ。十分な注意を払い、速やかに関連する内容を把握・報告するべし。
  6. 明日11月30日は11月24日に発生した死亡事件から1週間、12月9日は国際反腐敗デー、12月10日は国際人権デーです。これらの日に注意を払い、厳重に管理し、事前のコンテンツ監査を強化する。
  7. 国民感情をあおるようなコンテンツや、それに類する「標的型」コンテンツを速やかに特定し、報告するべし。
  8. 北京のパンデミックに関する世論に注目する。(中国語

リークされた3つの検閲指令(上の2つは國家互聯網信息辦公室=CACから、もう1つは地方政府から)は、最近全国で頻発する反締結デモに関するニュースを抑制し、検閲回避ツールを取り締まり、地元の宣伝者を抑制して国民感情を鎮めることを目的としている模様だ。抗議活動の背景や、抗議活動の発端となったウルムチの火災については、CDTが追悼集会やスローガン、国営メディア、政府、法執行機関、オンライン検閲機関による対応(あるいはその欠如)を詳述した記事を多数発表している。

CDTの編集者がアーカイブし翻訳した2つの中共指令は、Twitterアカウント@whyoutouzhele(別名:李老师不是你老师、Li laoshi bu shi ni laoshi)に最初に登場した。中国の時事問題に関するTweetで殺害予告を受けたとされるこのアカウントの持ち主は、「國家互聯網信息辦公室に所属する何者かが投稿したものだ」と指摘している。近い将来、グレート・ファイアウォール(GFW)を迂回するためのツールは、より厳しく規制される事になるだろう。また、幾つかの重要な記念日が近づいているので警戒して欲しい。



最初のCAC指令は、インターネット制御を回避し、ブロックされた海外のウェブサイトにアクセスするために使用されるツールの取り締まりを対象としている。2つ目は、「レベルIインターネット緊急対応」が開始されたサイバースペース管理者のハイレベルな多省庁の会議について言及している。この指令の8つのポイントは、デモのニュースを消し、国民の注意をそらし、民衆の意見をこれ以上刺激しないようにする事を意味する多くの対策を含んでいる。

以下、3つ目の指令は、ある地方自治体からのものと思われる。流出したスクリーンショットには、「地区宣伝部作業班」と呼ばれるテキストメッセージグループが写っており、129人のメンバーがいて、次のような短いメッセージが書かれている。

市は、全ての郡と地区に対し、最前線でのパンデミック予防と制御作業の試練と困難についての不必要な宣伝を控えるよう要請している。特に画像や動画が含まれている場合は、最前線で 「模範行為」 を公表する際には細心の注意を払う必要がある。現在、インターネット上には悪質な流れが非常に多く、その対応は批判の合唱となることが多く、世論の議論を呼んでいる。(中国語

すると、2人が「拝読した」と答えていた。

拙訳終わり。生々しいこってす。あけすけでもありますな。ホンマ、クズ国家。