糖化と認知症の関係について
少しショッキングなデータを紹介します
アルツハイマー病患者の脳タンパク中のAGEs量は、ADでない人(コントロール)と比べて3倍多かったというデータ
Vitek MP et al, Proc. Nati. Acad. Sci. USA. 1994; 91: 4766-4770 を改変
脳のタンパクが糖化してAGEsが溜まったからアルツハイマー病になったのか?
アルツハイマー病になるとAGEsが溜まるのか?
どちらが原因か結果なのかは不明ですが、
体にAGEsを溜めない生活習慣を続けることは認知症予防に繋がりそうです。
別の研究ではアルツハイマー病患者の脳内にはAGEsの蓄積が認められたとの報告もあります
しかもアルツハイマー病の脳の特徴である「老人斑」の周辺です。
Horie l, et al, Biochem Biophys Res Commun. 1977; 236: 327–332 を改変
やはり糖化と認知症の関係はありそうです。
抗糖化成分を脳内に届けることができれば良さそうに思えますが、一筋縄にはいきません。
ヒトのには「血液脳関門 (blood-brain barrier : BBB) 」という関所が存在し、血中成分であれば何でも脳内に届くわけではありません。脳内にも届く抗糖化成分を探すには、まだまだ研究が必要です。
ともかく、
1) 余分な糖を消費する運動習慣
→ ウォーキング、階段昇降、エクササイズ など
2) 血糖値を上げにくい食事習慣
→ 糖質の食べ方、糖質量のコントロール など
これらを常に心掛ければ認知症だけでなく、さまざまな生活習慣病や老化予防に繋がるということが、糖化研究の成果から分かり始めています