人気作家の衣笠幸夫は、長年連れ添った妻が友人とともに旅行に出かけたその日に、彼女がバス事故死したことを知らされる。

ただ妻のいぬ間に不倫をしていた幸夫にとってさほど悲しい出来事ではなかった。

同じ事故で亡くなった妻の友人の夫、陽一が電話を寄越してくる。

トラック運転手である陽一はふたりの子供を抱え、妻を失った事実に打ちひしがれて同じ境遇の幸夫と思いを分かち合おうとした。予期せず家族を失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。

人を愛することの「素晴らしさと歯がゆさ」を描ききった物語。

 

2016年の本屋大賞4位で、直木賞候補作に選ばれ、映画化もされた作品。

 

もし、嫁さんが亡くなったら、自分はどうなってしまうだろうか?と考える。

主人公の衣笠幸夫の揺れ動く心情が何となく分かる気がする。

人って、訳もなくいい人だったり、意地悪だったりするのではないだろうか?と思う。

 

常に心は揺れ動いているし。

時には、誰に対して分け隔てなくいい人になってみたり、愛する人に対しても意地悪な態度になったりする。

 

読後、心に残る作品。

是非、また再読したい。

 

 

 
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