お盆には、毎年故郷に墓参りに帰る。今年も猛暑の岐阜へ行って来た。夏空蝉時雨の下、手を合わせ、いつの間にかいつものように彼岸ではなく此岸の自分と家族の安寧を願っていた。
何時の頃からか続けて国内小旅行に行くようになった。今年はどこへ行こうかと迷い、国内旅行の達人Kさんに島根はどうかねと聞いてみた。ああ、足立美術館はいい庭が綺麗だと不思議なコメントをくれた。ちょっと検討してみたが、どうももう一つ交通の便が悪い。Kさんは地元の人なので墓参りに帰郷することもなく、混むお盆は移動せず家の片付けをして、あとは家族で鰻を食べにゆく笑っていた。成程それもよい考えだと、いつまでも片付かない書斎を見回したが、とどのつまり旅の空にある。見知らぬ土地に降り立つといつもと違う視点から世界と己の過ぎ越し方行く末が見え、井戸の中の蛙の視野も広がるし、何よりも心の休養になる。
