温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

忘れられた巨人-カズオ-イシグロ読了

2018-08-06 23:20:56 | 

昨日、忘れられた巨人-カズオ-イシグロを読了した。この本は去年の12月ころ、図書館で予約、40,50人予約者がいたので半年くらいかかるかと思っていたら、やはり半年かかった。そして、数週間前無事借りて昨日読了。実は同時に「日の名残り」も予約済みでこちらも、順番が来ている。
さて、感想だけど、以下にあるように、忘れることがテーマ、キリスト教も、ファンタジーも、老いも、アーサー王もテーマ問雨盛りだくさん。そう、壮大なテーマだ。日本のルーツを持つイギリス人の作品だ。ノーベル文学賞も不思議ではない。村上春樹と比べると村上春樹はテーマが日本人らしくちまちましている。それが彼の持ち味なんだろう。その村上春樹と比べるとテーマがずっと大きく重い。カズオ-イシグロがノーベル賞だと、村上春樹が取るまでには、もう少し時間がかかりそう。
そして、このような小説は私は初めてであった。SFやファンタジーは好きでないから初めてなのかもしれない。でもそんな好きでもない人間でも、どうなるんだろうと、結構はまり込んで読めた。こんな体験初めてという感じ。
忘れられた巨人 | カズオ イシグロ, Kazuo Ishiguro, 土屋 政雄 |本 | 通販 | Amazon
内容紹介
『わたしを離さないで』から十年。待望の最新長篇!
アクセルとベアトリスの老夫婦は、遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村を後にする。若い戦士、鬼に襲われた少年、老騎士……さまざまな人々に出会いながら、雨が降る荒れ野を渡り、森を抜け、謎の霧に満ちた大地を旅するふたりを待つものとは――。
失われた記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描く、ブッカー賞作家の傑作長篇。

5つ星のうち5.0忘却とは忘れ去ることなり
2017年12月20日
形式: Kindle版|Amazonで購入
忘却は力なり。
忘却力なんて言葉もあったっけ。
でも忘れ去れることと、忘れ去れないことがある。
忘れ去った記憶を取り戻したいという思いもある。
それらが何をもたらすのかは、一様ではない。
最初は老夫婦の退屈なお話かと思ってしまいました。
その後は冒険ファンタジーめいてきて。
いやはや大変重いテーマをこんな風に書けるんですね。

5つ星のうち4.0日々、選択されて今がある。
2018年2月23日
形式: 文庫|Amazonで購入
忘れる、過去に追いやることで、前に進める原動力になるのだと思う。
選択したゆえに、今があって、先の未来の選択肢があると思う。
だからこそ、悔いのない今を選ぶのだと、思いました。

そして忘却・・・
2018年4月26日
形式: 文庫|Amazonで購入
忘却、なんとむなしくはかないのか。
老夫婦の決死の生きざまに心打たれる。
地味なファンタジー感が、物語に面白みを与える。
アーサー王伝説を少し知っているとより楽しく読める。
いい本を読んだ。

下のインタビューが興味深い。興味を持った方はぜひ、トライを。すばらしい本です。次は「日の名残り」だ!。
今の日本なら「忘れられた巨人」と向き合える (2ページ目):日経ビジネスオンライン
27歳で書いた長編デビュー作『遠い山なみの光』で英王立文学協会賞、第2作『浮世の画家』で英ウィットブレッド賞、そして3作目『日の名残り』で英国最高の文学賞であるブッカー賞を受賞するなど世界から熱い注目を集めてきた日系人作家カズオ・イシグロが、このほど10年ぶりに長編小説『忘れられた巨人』を発表した。
『忘れられた巨人』
 「人はどんなことは記憶し、どういうことは忘れるのか。そして社会や国家はどんなことを記憶にとどめ、いかなることは忘れようとするのか」――。長年温めてきたこのテーマを小説として完成させるのに「10年以上の歳月がかかった」と話すイシグロ氏が、この本に込めた思い、そして幼少時から英国で育った彼がどのようにイシグロ独自の世界観を形成していったのか、若い頃にホームレスの人たちの支援活動に携わるなど大きな影響を受けたという経験なども交えつつ小説家イシグロの背景を語ってくれた。


人は何をもって「忘れる」のか

 今回の『忘れられた巨人』に出てくる私が創った架空の国も、似た状況下にある国です。つまり、今の世代においては平和が保たれているように見えるものの、それは何らかの軍事的な勝利によって維持されているに過ぎない。まさにこうした状況をどう表現するのか。それを考えるのに何年もかかったということです。
 この問題を解決しない限り、物語を書くことができませんでした。何をもって人々は「忘れる」のか。そのことをどう表現するのか。どんな話の設定にすればいいのか――この点についてなかなか思いつくことができなかった。

そうした中で「雌龍」という存在を考えついたということでしょうか(注:今回の物語は、5~6世紀のブリテン島においてブリトン人を率いてサクソン人を撃退したとされる伝説のアーサー王の死後が舞台。ブリトン人とサクソン人が共に住んでおり、一見、平和に見えるが、人々は少し前に起きたことさえ記憶にとどめておくことができないという状況に苦しんでいる。なぜか。それはクエリグという雌龍が存在しており、その雌龍の吐く息によって、人々は記憶を保てないという設定になっている)。

イシグロ:そう。雌龍が存在し、雌龍の吐く息によってそこに住む人たちは記憶を長く保つことができないという設定にすれば、話を組み立てていくことができると考えました。

「問い」から生まれるファンタジー:問題作『忘れられた巨人』をカズオ・イシグロが語る|WIRED.jp
「みなさんはわたしの本を読んで、この本は嫌いだ、と言う権利をおもちです」とイシグロは、『WIRED』US版のポッドキャストで語っている。「でももしみなさんが『以前の本はどれもよかったけれど、わたしはこの本は読まない。人食い鬼が出てくると人から聞いたからだ』と言うのなら、そんなのはただの偏見じゃないか、と思ってしまいます」

今日気がついたけど、FB連携はなくなったのね。

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