こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

満員電車と夜の街、喫煙、そして病院

2020年04月02日 | 自然災害・事故・感染症
ひさびさに良い天気。いつの間にか新緑が増えている。ウグイスの声が耳に心地よい。
怖い怖いと思いながらも、今朝も電車通勤。他の人も同じ気持ちだろう。自分だけが特別だなどとは夢夢考えてはいけない。
新型コロナウイルス感染症(COVID19)感染予防のためのソーシャルディスタンスの確保などとは程遠い状態だが、みなさん、息を止めたようにしているし、鉄道会社は窓開け、換気を励行して頑張ってくれている。そういったことが奏功しているのだろうが、満員電車が日々運行されているにも関わらず、そこでは目立った感染拡大が起こっていないということは、新型コロナウイルス感染症というものが、空気感染をするようなものではないということがわかるし、注意していたら感染は防ぐことができるのだ。

それに引き換え、夜の街。やっと行政も歓楽街が感染拡大の温床となっていることを明らかにした。これで濃厚接触の一つの型としてこのようなものがあるということが、見えてきた。そういうところで、よろしくやったあとの中高年者が新型コロナウイルスに感染し、挙げ句の果てに病院に押し寄せている。そして、そういう人たちのために、貴重な医療資源が費やされている。自己責任といっては酷だが、医療関係者の一人としてはこれ以上は勘弁してほしい。海外旅行帰り、合唱団、ジムなどで感染するのも同じだ。もちろん、これが平時で、散発的に患者が発生するというのであればそれはいいが、この状況で、さらにはそういう中高年者のために働いている医療従事者が差別されるような段階となっているわけで、よく考えてほしい。自分だけは大丈夫、ということはない。

喫煙も感染、悪化のハイリスクということがわかった。COVIDで重症化したくない喫煙者は今すぐタバコをやめたほうがいい。タバコによる気道上皮へのダメージは大きいが、やめたら、すぐに上皮は元気になる。上皮が元気になれば、ウイルスに対する防波堤となる。いまさらということはないので、いますぐやめたほうがいい。ちょうど東京都が4月1日付で受動喫煙防止条例を施行して、2人以上の人が利用する施設は原則屋内禁煙となったのだからいい機会だ。このことについて商売が成り立たない、という飲食店の怨嗟の声が朝刊に出ていたが、いまや、非喫煙者の方が多い時代、その人たちを相手にした商売をしようという発想の転換はないのだろうか?タバコはただのニコチン中毒でしかない。
”当店は、ソーシャルディスタンスに気を使いながら楽しく飲める、嘘偽りのない完全禁煙の店です。また、濃厚接触はありません。”という看板を出したら、そこを選んでやってくるお客はいると思うのだが。

医療崩壊が目前に迫っている。正直なところ、医療資源はジリ貧だ。節約に節約を重ねてなんとか正常の医療レベルを維持しているが、それもどこまでもつかわからない。感染爆発となって患者さんが一気に押し寄せたら、今以上に消耗品の消費量は増加して枯渇してしまう。地域の最後の砦のような基幹病院ですらこうだから、中小病院、開業医では事態はもっと深刻だ。マスクは数日連続して使わざるを得ないという話も聞く。消毒薬も枯渇気味だし、手袋の一大生産拠点であるマレーシアが大変な状況になっているとのことで、このままでは採血もままならないこととなりそうだ。欧米で起こっていることは他人事ではなく、明日の日本だ。今ここで頑張って感染拡大が起こらなかったら、それが一番。何事も起こらないのが一番なのだ。”誰もかからない”ことを目指して頑張りましょう。
きっとやれる

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2 コメント

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Unknown (つわぶき)
2020-04-02 19:15:29
こんばんは。

全く同感です。

毎日毎日、コロナの話題ですが、
皆、真剣に考えて欲しいと思います。

ある意味、自己責任の面もありますよね。
少し酷かもしれないですが、良いだけ遊んで 勝手に 感染して…

stayHome!!声高に叫びたいです。

お仕事、頑張ってください。
応援しています。
おつかれの出ませんように。
Unknown (コロ健)
2020-04-02 21:31:54
こんばんは、ありがとうございます。
20代の若い先生たちが奮闘していますが、医療崩壊が進んで心を病むことにならないことを望んでいます。

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