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カテゴリ:ひろし少年の昭和ノスタルジー
ひろし君は悪いことをした訳ではなかった。ただヤスデの絵と安田のアクションが可笑しかっただけである。それでそのことを正直に打ち明けたのだが、飯島先生は簡単には許してくれない。 もうこれ以上何を言っても、この先生には通じない。ひろし君は諦めて、とにかく校庭を10周することにした。5周したころには横っ腹が痛くなってきたが、途中で止めると必ず往復ビンタとヤグラ投げの餌食になるだろう。それで死ぬ思いでなんとか10周を完走した。そして次は校庭にある桜の木を探したのだが、どうしてもヤスデが見つからない。諦めて教室戻りその旨を飯島先生に報告すると、「それじゃあ今すぐ父親を呼んで来い!」と怒鳴られてしまった。 ひろし君が家の近くまで来ると、「ドコンドコン」という餅つき機の音が聞こえた。きっと父の紘一郎が大福用の餅を突いているのだろう。 それからひろし君がどうなったのかの顛末はあえて書かないことにしたい。いずれにせよ父親の紘一郎こそ、ひろし君にとって世界中で一番恐ろしい人間になってしまったことだけは間違いなかったのである。何と言っても、まだまだ「地震・雷・火事・親父」の時代であった。 作:五林寺隆 ※下記バナーをクリックすると、このブログのランキングが分かりますよ。 またこのブログ記事が面白いと感じた方も、是非クリックお願い致します。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.10.14 16:30:48
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