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アメリカー日本ー英国が、ゆるやかな関税同盟へ

2019年10月09日 | Weblog

アメリカの共和党が、トランプ大統領の異例の外交により、自由世界の価値観外交により、中国共産党の独走体制に大きく歯止めをかけた。その根本問題は、IT戦争にある。IT革命において、中国はみごとに戦略優位を形成し、アメリカ民主党のグローバリズムを戦術的に上手く利用し、人民解放軍による世界支配への道を構築した。この巧みな戦略にたいし、対抗できるのは、アメリカー日本ー英国である。ドイツーフランスは、反米の気風がつよく、中国文明を過剰に崇拝するので、中国はユーラシア大陸を横断する「一帯一路」に力点をおき、太平洋の西側からインド洋・東アフリカへの面的な支配を拡大してきた。ここへきて、トランプ主導により、世界最大の市場であるアメリカ市場と有利な貿易関税のシステムをもつ連携が、アメリカー日本ー英国という流れとなってきた。ラグビーのワールド・カップは、日本ー英国の連携を象徴している。ここへきて、中国は日米同盟による完全結束を嫌い、日本と中国との関係の融和に動いている。しかし、それは短期的な対米の戦略を基調とする戦術である。問題は、自由主義という拡散を核心とする結合である米日英と、中国化したマルクス主義への集中化を核心とする中国の対外戦略とが、どの領域で、どちらが優位に立てるのか、という問題である。これについては、「文化力」というソフト・パワーにおいて、現代中国には「模倣」しかなく、自由主義という制約を課さない小世界の方が強いとみるべきであろう。中国が最も文化の独自性を誇る「中国の伝統絵画」においても、日本画の模倣が基調となっており、現代中国文化には、異民族、異文化の世界に「共感」の輪を広げる力はない。これは、中共中央の指導者が認める中国の最大の弱点である。この欠点を超えるのが、香港人であり、台北人である。自由主義という拡散的なカオスの力は、人民解放軍という私兵の強権と文化的な貧弱の人類社会における存在意義を弱めるだろう。つまり、これからは2極の「冷戦」構造の再生というよりも、多様性という自由主義に内在する価値観をふかめる「結合子」を民間がどれだけ自立的に構築できるのか、ここにポイントがある。

 

 

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