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意思による楽観のための読書日記

戦争獣戦争 山田正紀 **

人類同士が避けがたい諍いを大掛かりに実施する、それが戦争。太古から諍いはあった。しかしそれは、グループ同士、部族同士、そして国同士であっても、弓矢、鉄砲での個別の戦いの集合であり連続だった。それが変化したのが第一次大戦。飛行機、戦車、移動式大砲、地雷、こうした大量破壊兵器が発明されたから。そして、第二次大戦を終わらせたと言われるのが原子爆弾と無差別爆撃。

本書で、取り上げられるのは大量破壊で生み出された戦争獣が、大量虐殺を促し、それを抑制する役割として生まれでてきたのが、異人(ホカカビト)であった、という設定。広島、長崎の原爆投下と同時に生み出された二つの魂。その後大きな戦いがあるたびにその場に現れる。朝鮮戦争、ベトナム戦争(ソンミ村虐殺)、湾岸戦争、そして今。朝鮮半島の寧辺核施設付近で、再び核爆発のタネが生まれ出ようとしている。そこにはうごめく戦争獣と二つの魂がいた。そしてそれを押し留めようとするのは、四人の異人。

設定は現代、しかし語られる異人世界はこの世のものとは思われない異次元世界。400pにも及ぶ異次元世界の物語、最初の数ページで投げ出す人と、最後までのめり込んでしまう読者、二手に分かれそうな物語である。

↓↓↓2008年1月から読んだ本について書いています。

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