「霊魂論」神秘学205最終章
古今東西を通じて、宗教はもとより形而上哲学や古史に於ける唯物観は霊魂を何某等の創造原因を否定するものではありません。創造原因を否定するものでは、虚無主義即ち世界存在其のものが人間の夢想であり、況んや行き尽くす処、夢想する其の主体の実在を否定します。実在を観相するのは「何もの」かの干渉以外のなにものでもなく実体・実在はない。其の「何もの」も他の干渉によろ虚実とすれば実体・実在さえ虚実の連鎖を遡及して繰り返し「虚無」が虚相として観える。謂わば、虚無を実体的な仮想無として取り扱うことにより、自己を納得させています。自己の肉体存在の否定はともかくも外環境全てを否定することが虚無主義の典型と言えます。夢想する架空世界の自分が儚くの夢想する世界に生きてると誤謬していることになります。此れは全くの破天荒な思考かと云えば問題は此処で決着しますが、近年に話題になったTVシリーズ「マトリックス」を多層化してみれば此の思考も、まんざら、虚無ならん虚無主義の実相かとも読み取れますが、記している記者自体が脳機能を平常に戻すのに多大な努力が必要とされています。人間のみならずありと汎ゆるものの「存在の否定」の確証を得るためには見掛け上の自己の身体或いは精神を抹消してみるしか方策はありません。虚無主義はサタンの誘惑です。
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