日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

日本政府に、商業捕鯨の中止とIWCへの復帰を求めます

2019年04月04日 | 日記

日本政府に、商業捕鯨の中止とIWCへの復帰を求めます。

 

1.このブログの今年1月19日の記事・「パブリックな意思決定を考えよう!

(2)」に書いていますように、日本政府は、昨年(2018年)の12月25日にI

WC(国際捕鯨委員会)から脱退し、商業捕鯨を再開することを閣議決定し、同月26

日に、それを「国際捕鯨取締条約」の寄託政府であるアメリカ政府に通告しました。こ

の通告によって、日本政府は今年(2019年)6月30日に、「国際捕鯨取締条約」

締結国から脱退します。

そして、既に報道が明らかにしていますように、日本の捕鯨業者が、新たに7月から行

う操業の準備を進めています。

 

2.私たち国民全体を考えますと、このIWCからの脱退は、得るものより失うものの

方が遥かに大きなものとなります。私たち一人一人の庶民にとって、現在、クジラの肉

は食卓の上でも縁遠い存在です。また、私たちの文化は、現在、その食文化よりも、ホ

エールウオッチングに魅力を感じる文化になっています。文化に水準はなく、どの文化

も尊重されるものですが、文化のローカル性というものはあり、私たちがどこかの地に

観光に出かけて、その地特有の物産を目にし、お土産(みやげ)に買い求めたり、食し

たりしますように、世界から見れば、鯨肉は珍品、奇品に該当し、その食文化は、ロー

カルな文化と言えます。この食文化を語ってIWCから脱退の正当性を示そうとする人

は、日本の国際社会における地位を極東のローカルな国家へと引き戻そうとする人と言

ってよいでしょう。また、同様に、捕鯨とクジラの肉を食べることは日本固有の文化だ

と主張する人は、北朝鮮が、「核弾頭や水爆を保有しようとするのは自分たちの文化

だ、だから認めろ」と主張したら、それに対して何と言うのでしょうか? 論駁できます

か? 文化には、衰退する文化もあり、そして、種々容認できない文化もあるのです。

 

3.IWCの加盟国は89カ国です(2018年、9月現在、まだ日本を含みます。JI

JI.COM)。Webを見ますと、日本のIWC脱退に対して、オーストラリアが、

最も強く非難ともいえる態度で遺憾の意を表明し、IWCへの復帰を求めています。ニ

ュージーランド政府は、「捕鯨は時代遅れで、不必要な行為だ」と言い、同じくIWC

への復帰を求めています。EUとフランス政府が遺憾を表明し、日本と対話すると言っ

ています。何れも世界の主要国です。ましてやオーストラリアとニュージーランドは、

新しいTPP(CPTPP)の加盟国です。新TPP(CPTTP)加盟国間で文化の

認識に隔たりがあれば、オーストラリアやニュージーランドの人たちに、「日本人は捕

鯨をやる国の人たちだ」という印象を持たれ、それは決して日本人にとって、プラスと

なりません。日本人が世界に伍(ご)していこうとする時、日本人が持つイメージは、

それが成功するかしないかの大きな要素となります。イメージは行動に付随する戦略要

素なのです。

 

4.IWCからの脱退と、商業捕鯨の再開は、それによって得る鯨資源とその経済効果

の価値の総量よりも、将来にわたって日本人が世界の中で失う価値の総量方が遥かに大

きいものとなります。現在は、新元号も決まり、当該の捕鯨は行われていないため、日

本は穏やかですが、始まればそれがニュースとなり映像となり世界に流れます。そし

て、少なからずの反応が日本に帰って来ます。来年(2020年)は、東京オリンピッ

クの年です。これは、杞憂であることを願うのですが、クジラの保護を理由に、不参加

を表明する国もあるのではないかと考えています。捕鯨業者さんには十分な転業資金を

補償することによって、その活路は開けます。

 

5.上記により、日本政府に、本ブログの筆者は、商業捕鯨再開の中止とIWCへの復

帰を求めます。

 

文責:前田正治(子六) 

e-mail :shouji_zen@ybb.ne.jp

 

 

                                                             

 

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