涼しさを 風鈴ひとつ そよぎけり（子規）
７月も今日でお仕舞いですね。カレンダーを写真に撮ってＵＰしているため、原画の美しさが十分伝わらないのが残念ですが、８月のＱＰカレンダーをお届けします。
早朝からあたり憚らぬ蝉の声に否応なく夏！を感じます。が、その鳴き声が例年ほどに煩くありません。風鈴に耳を澄ませる暮らしはなくなりました、どの家も窓を閉めエアコンを唸らせていますから。後の世にこの時代の歳時記はどう説明されるのでしょうか･･･。
遥かな尾瀬 遠い空 painted by QP
「国民二人に一人が罹る」と言われても、罹っていない人にはそりゃ実感がありません。でも実感はなくても予感？はありますから、視聴者の感覚に敏感！なＴＶ局は「がん医療」について様々な角度から番組を制作、毎月のように大きな特集が放映されます。
ＢＳ朝日で放映された ザ・ドキュメンタリー「ここまできたがん治療最前線」。最新のがん治療について四つにしぼり紹介されました。とりわけ注目したのは「ナノマシン」、優れた効果がありながらなお副作用が厳しい分子標的薬の副作用をなくす！と･･･。
【上左】血管には小さな孔（隙間）があり、酸素や栄養素などが取り込まれます。血管に入った抗がん剤もこの孔から入り細胞に届けられます。抗がん剤の中でも分子標的薬は効率よくがん細胞に届きますが、正常な細胞にも入り細胞を傷つけ（副作用を起こし）ます。
【上中】「ナノマシン」とはウィルスぐらいの大きさの極小の人工カプセルで、このカプセルに分子標的薬を一つずつ入れます（青い輪がナノマシン）。ナノマシンは、血管の孔よりは大きいためこの孔は通れません。したがって正常細胞には届けられません。
【上右】がん細胞には、血管に「大きな孔をあける」特性があります。ですからナノマシンはこの大きな孔を目指して入り込みます。すなわちがん細胞にだけ届けられ、がん細胞に入るとナノマシンは溶けて、中の分子標的薬ががん細胞めがけて攻撃を始めます。
【上左】顕微鏡でとらえたがん細胞（緑色）の写真です。
【上中】分子標的薬を内包したナノマシン（赤色）が入り、がん細胞を攻撃します。
【上右】赤く変色したところが死滅したがん細胞です（がん細胞は約２８時間で全滅します）
がんを手術で切除後は「経過観察」として１０年余にわたり術後検査（ＣＴ・採血など）を受けます。その度に再発、転移を怖れます。転移した場合、分子標的薬治療を受ける例が増えていますが、従来の抗がん剤よりマシ！ながら様々な副作用に苦しんでいます。
ナノマシンは、国家プロジェクトとして「ナノ医療イノベーションセンター」で進められています。ノーベル賞に最も近い！片岡一則東大名誉教授が指揮しています。各国が競う中、既に臨床試験段階にあり３年後の実用をめざして実証研究が進められています。
おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒（江國滋）
「がんサバイバー」にとって医療の進歩は生きる！大きな希望であり、このナノマシンはじめ様々な研究が進むことを心より願っています。生きること、なんとしても生きのびることが、最適の治療法を呼び寄せることを願います。寛解！の祝杯をめざして･･･。
カザルスにより世界に紹介されたカタロニア(スペイン)民謡「鳥の歌」をアカペラでお聴き下さい。
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あっという間に7月が過ぎてしまいそうです。
涼感のあるカレンダーですね。
ほっとします。
アップされたＴＶ番組を録画しようと思いましたが
見る時間がないので断念しました。
がんの治療も日進月歩のようですが
どんな人にも公平に受けられる治療になりますように！
風鈴は昔は風流でしたが、いまはでしたがご近所から煩いと苦情が来るようです。
余裕のない時代ですね。
ナノマシン、ですか。
がん細胞以外は傷つけない。
約２８時間でがん細胞を全滅させる。
世界が待ち望む治療法ですね！
どうか、保険のきく治療法として広がってくれますように。
本当か嘘かわかりませんが、全身がんと公表して長い樹木希林さんは１回３００万円の治療を受けているとか。
命もお金次第では悲し過ぎます。
mikihanaさん
コメントありがとうございました
> 暑い暑いといいながら あっという間に7月が過ぎてしまいそうです。
８月になれば猛暑も少しマシかなぁ･･･との期待は、どうやら期待は外れ！かな
「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、お盆が過ぎるまでは仕様がありませんね。
> 涼感のあるカレンダーですね。ほっとします。
本文に記したように原画の美しさが出せていないのが残念です
ですので、ＱＰの旧作１点(遥かな尾瀬･･･)を加えさせていただきました。
> アップされたＴＶ番組を録画しようと思いましたが 見る時間がないので断念しました。
民放の場合、殆ど再放送されませんから、録画するほうがいいかもしれませんね
> がんの治療も日進月歩のようですが どんな人にも公平に受けられる治療になりますように！
難しい問題ではあります
新薬や新しい治療法の開発は、膨大な投資をしても殆どが失敗するリスキーな世界。
成功すれば、投下費用の回収と利益確保だけではなく、次の開発財源にも充てます。
当然、がん治療薬オプジーボのように薬代が年１千万円超といった話になります。
そうしたインセンティブがなくなると新薬、新治療法を開発する意欲を削ぎますしねぇ。
まあ治療費に関しては 日本は米国よりはマシ！ではありますが･･･。
風のフェリシアさん
コメントありがとうございました
> 風鈴は昔は風流でしたが、いまではご近所から煩いと苦情が来るようです。
> 余裕のない時代ですね。
土地の広さ、家屋の構造、材質の変化にもよるのでしょうね。
ただ、１家に複数のエアコンが普及し、窓をすべて締め切るようになれば、
風鈴の音よりエアコンの音や排熱のほうが問題になりそうです。
> ナノマシン。がん細胞以外は傷つけない。約２８時間でがん細胞を全滅させる。
> 世界が待ち望む治療法ですね！
理論的に正しくても、実証（臨床）を進めれば不具合がたくさん出るのが通例！です
それぐらい人間の身体は複雑で個性（個体差）に満ちています。
がん治療が「百人のがんには百の事例がある（立花隆）」と言われる所以です。
ナノマシン･･･ナンノカノあってもなんとか成功してほしいですね。
> どうか、保険のきく治療法として広がってくれますように。
先日「両眼とも緑内障」「治らない、進行を遅らせるだけ」と診断されガックシでした
ただ、それで思ったのは、この領域でiＰＳ細胞を利用する研究が進んでいること。
山中博士は「金儲けにはさせない」哲学の方ですからね。
前記mikihanaさんへのリコメに記した問題もありますが、
ことiＰＳ関連では公平・平等な治療を期待したいと思います。
> 本当か嘘かわかりませんが、全身がんと公表して長い樹木希林さんは
> １回３００万円の治療を受けているとか。
本当か嘘かわからない話にはコメントしづらいです
> 命もお金次第では悲し過ぎます。
はい、それは悲し過ぎます
でも 命に直に関わらない！ところ、例えば入院の際の個室（差額ベッド）
一泊５～８万円といった特別室を利用されるお金持ちについては
それで病院の経営が潤うなら、結果としてこちらは助かる！と考えることにしました。
高度医療についても「治療を受けられる人数」に限りがある中では
普及＝保険適用につながるようお金持ちに大いに利用して貰えば良いと･･･。
それにしても医療費の高いこと！多いこと！
年金収入のかなりの部分が医療費＆健保代に消えますね
仰るとおり弱者ほど生きづらい社会、生きづらい時代ではあります。
でも それでも 生きる！のは 値打ち！あることだと思います
がんの事をいつも身近に感じていない人は
居ないような気がします。
夫も治療しない癌を持っていましたし
私の脳下垂体にも癌では無いけれど腫瘍が
あります。
ただ きっと80才を過ぎると
死に至る病でくるしまなくなるんですね・・
死と連れ立つことをそんなに大げさに考えなくなる。 これは加齢による ご褒美みたいな物だと思うようになります。
人の持つエネルギーの8割ぐらいでいつも生きて来た。というより生かされてきた・・んでしょうね。
それぞれの両親を見送ってしまうと
人は自然に与えられたくくりの中で
ゆっくりと目の前が開かれ
その中に 癌を含め 病の世界が消えていきます。
もう少しですね。 デ某さんその境地になるまで。
遠音さん
いつも丁寧なコメントありがとうございます
午後から出かけていて、いま帰ったところです。
お返事が遅れ申し訳ありません。
> カレンダー どちらの絵も風が主人公でしょうか？
風、確かに･･･。
小椋佳さん「さらば青春」に
『風も木も川も土も･･･空も海も月も星も』という歌詞があります。
風！景の中でも「風」は他とはやや異質ながら、
他の総てに溶けこむ不思議な魅力がありますね。
> がんの事をいつも身近に感じていない人は居ないような気がします。
がんのことを思うと他は総て「どうということはない」ように思われ、
そして↑フェリシアさんにリコメしたように「緑内障」「治らない」「失明も」と言われると
がんを追い遣り緑内障が頭と心を離れなくなる･･･
人間(私！)ってつくづく自分勝手だと思います。
> 夫も治療しない癌を持っていましたし
> 私の脳下垂体にも癌では無いけれど腫瘍があります。
えぞをさんも遠音さんも なんだかず～っと病気とともに人生を歩まれていますね。
落胆され苦悩されたこともおありだったでしょうが、
それを周りに感じさせない人としての大きさ、深さを思います。
> 80才を過ぎると 死に至る病でくるしまなくなるんですね・・
> 死と連れ立つことをそんなに大げさに考えなくなる。
> 加齢による ご褒美みたいな物だと思うようになります。
そこまで生きのびれるようがんばらなくてはなりませんね
生と連れ立ち･･･ 一つ齢をとる毎にご褒美にあずかりたいと思います
> 人の持つエネルギーの8割ぐらいでいつも生きて来た。
> というより生かされてきた・・んでしょうね。
実は私も還暦過ぎてず～っとそう感じつつあります
でも遠音さんほど「生かされ上手」な方はそう多くいらっしゃいません。
> それぞれの両親を見送ってしまうと
> 人は自然に与えられたくくりの中で ゆっくりと目の前が開かれ
> 癌を含め 病の世界が消えていきます。
心から敬愛していた義父の齢を超え、そして父は一昨年秋に旅立ちました。
まだまだと思っていましたが、順番が巡りつつあることを実感いたします。
ベクトルがそちに向かうと 世界は逆方向に霞んだり消えたり･･･。
まあしばらくは病をとっかえひっかえしつつ･･･霞む世界を懐かしみ愛おしみたいと存じます。
> もう少しですね。デ某さんその境地になるまで。
まだまだかもしれませんが･･･遠音さんとお話ししていると その気に！なります
その気になりつつ･･･今日も明日も したっけねぇ～！
メディアでも辛く苦しい治療が表現されるシーンが多いですよね(￣。￣;)
放射線治療はかなりピンポイントになっているのを聞く割には、抗がん剤治療って抜け毛とか吐き気とか辛そうなイメージのままかも(´-ω-｀)
正常な細胞を傷つけないなんて嬉しいですよね！
癌になると治療で免疫力が低下して、他の病で亡くなる事も多いと聞くし…
私事だけれど、墨田区に越してきて、初めて地元の病院で検査をしました。
ずっと杉並区時代の新宿だったので！
先日コメントしたCTとMRIの検査です。
それが縁で地元に開業している先生に出会い、健診には無い内臓を超音波検査をして頂きました。何も無かった！
今度は胃カメラもお願いしています。
(胃カメラは好きで新宿では毎年してます)
先生は東大病院の先生だった方で、現在も東大病院の外来診療をしているので、
何かあったら東大病院の外来患者さんと変わらない位の優先で東大病院に入院出来るそうです。
医療連携とは違うので可能なんだそうです。
地元の開業医で東大病院の先生で嬉しい出会いでした！
墨田区の救急病院の先生でもあるし( ´艸｀)
引越てきてこれで病院は安心かも(*^▽^*)
新しい治療や治験とか期待出来るし！
Anneさん
コメントありがとうございました
> 癌の治療で素人の私が一番不安なのはやっぱり抗がん剤かな！
がんキャリアもはじめはみな医療の素人！です
命が懸って初めて 自身に関わることについては勉強し 少し！玄人になります(笑)
> 放射線治療はかなりピンポイントになっているのを聞く割には、
> 抗がん剤治療って抜け毛とか吐き気とか辛そうなイメージのままかも
「高度医療」とされるものの多くはピンポイントでがん細胞を叩くものですが、
抗がん剤も分子標的薬のようにかなりターゲットを絞れるようになりました。
しかし重粒子線、放射線、分子標的薬･･･いずれも範囲は絞れても完全！ではありません。
がん細胞だけ！に絞りきれず、正常な細胞を叩いてしまいます。
また副作用も、同じがん、同じ治療法でも、人により副作用の出方、程度は異なります。
それがまさにがんの複雑で容易に解明しきれない難しさでもあります。
> 正常な細胞を傷つけないなんて嬉しいですよね！
期待したいですね
でも１００％は至難！･･･の世界ですからねぇ
> 癌になると治療で免疫力が低下して、他の病で亡くなる事も多いと聞くし…
がんそのもので死ぬことはなく、多臓器不全･･･でも根源はがん･･･といったところでしょうか。
抗がん剤などで結果として免疫力を弱める（死期を早める）場合もありますしね。
「その人にとっての最適の医療」･･･患者にも医師にも常に大きな課題。目標ですね。
> 墨田区に越してきて、初めて地元の病院で検査をしました。CTとMRIの検査です。
> それが縁で地元に開業している先生に出会い、
> 健診には無い超音波検査をして頂きました。何も無かった！
何もなくて本当に良かったですね
何もない（健常な！）状態を自分も知り医師にもいただき、画像など記録を残す、
「掛りつけ医」制度、健康管理の根幹だと思います。
それがあって初めて「おかしい！」「変だ！」「異状？」といった気づきに繋がりますから。
> 今度は胃カメラもお願いしています。
> 胃カメラは好きで新宿では毎年してます
ゲッ！ アン・シンジラブル！
> 先生は･･･現在も東大病院の外来診療をしているので、
> 何かあったら･･･優先で東大病院に入院出来るそうです。
> 区の救急病院の先生でもあるし･･･
病気については ほんと運！ 不運！ があります
その人にとっての最適の医師との出会い（医者運）は、とりわけ大事です。
現在の運、くれぐれも大切になさってくださいね。
> 新しい治療や治験とか期待出来るし！
期待しつつ過剰な期待をしてはなりまセーヌ河
いちばんに！健康維持のための自己努力を期待なさってください
まあ何事も 足らざるは為さざるが如く、過ぎたるは及ばざるが如し
命もお金で買えるようになって・・そんな格差を感じます。
これからが暑さ本番なはずの・・８月ですね。
テレビで「明日は、今日よりも暑くなります。命にかかわる暑さ・・」
こちらの方が私には切迫感があり怖いです。
あれあれ・・とてもネガティブなコメントになってしまって・・すみません。
ムベさん
お早うございます。お返事が遅くなり申し訳ありません
緑内障の点眼薬を使い始め 夜～朝はすっかりＱＯＬが下がってしまいました。
> 先進医療は素晴らしい進歩ですね。ただし、お金持ちの医療でしょうね。
> 命もお金で買えるようになって・・そんな格差を感じます。
米国は治療代が半端なく高いですから、それぞれが保険をかけています。
高い保険料ほど高額医療を受けられる一方、
貧しくて保険をかけられない人は医療を受けることをあきらめています。
英国は「医療費タダ」の珍しい国ですが、タダ！で受けられる医療は「最低限の医療」のみ。
充実した医療を受けるには自費診療が必要になります。
それらと較べれば日本はまだ！マシ！かもしれません。
でも日本の医療制度にも格差！が蔓延しつつあることは確かですね。
> これからが暑さ本番なはずの･･･８月ですね。
> 命にかかわる暑さ･･･こちらの方が切迫感があり怖いです。
３３℃に「あぁ今日しのぎやすい」と思う感覚･･･人間って案外しぶとい！って思います
「暑さ寒さも彼岸まで」とお経のように唱えてすごしますか･･･(笑)
> あれあれ・・とてもネガティブなコメントになってしまって・・すみません。
今！アグレッシブなコメントを発せられる方はあまりいらっしゃいません
私もこのリコメの書き出しからして「眼ガティブ」なことを記しましたし･･･(笑)
まあムベさんには どんな時でも強～い味方が付いていらっしゃるので大丈夫です(笑)
無信心の私などその点ではまさに救われまセーヌ河ですね。
早く九月にならないかなぁ･･･との祈りをこめて
ボビー・ダーリン楽団「九月になれば」をお届けします。