#体験主義 #ヴァンデコーク教授の発達トラウマ障害(DTD)の子ども達，今のニッポンの教育や医療では，太刀打ちできない！ 人生に対するトータルなヴィジョンこそが、大切 加藤周一さんの視点......
「発達トラウマ障害」Enpedia
発達トラウマ障害を英語で・英訳 ‐ 英和辞典・和英辞典 Weblio辞典
をご参照ください。
ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ ： 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか？』
第１９章。「応用神経科学：恐怖に急き立てられた心を脳にもう一回繋ぎ直す/コンピュータ関係工学」から。p.331，第2パラグラフから。その前の P.329初めからも，ご一緒に。
ニューロフィードバックの未来
この数年の間，私の研究室は，発達トラウマを負わされた子どもと大人に対して，ニューロフィードバックの効果を研究しています。私どもが発見したのは，ニューロフィードバックが，人々の暮らしを大きく変える，大きな可能性があるものだ，ということです。ニューロフィードバック訓練を20回すると，お話し療法や薬物治療ではよくならなかった，発達トラウマを抱えた研究参加者のPTSDの症状が，40%減少しました。一番興味深いのは，ニューロフィードバックは，高度な活動に飛びぬけて効果があることですから，計画を立てたり，見通しを持ったり，一つのことから別のことへとスムーズに気持ちを切り替えたり，自分の感情をコントロールしたりすることが，60%改善します。私が知る限り，ニューロフィードバック以外の治療法で，高度な知的活動が見違えるほど良くなる治療法はありませんし，そうなれば，対人関係でも，勉強でも，仕事でも，よくなると見通せます。
私の臨床でニューロフィードバックを活用するのは，発達トラウマに苦しんでいる人たちで，過覚醒があり，気持ちが混乱し，集中できない問題がある人を助けるためです。しかし，ニューロフィードバックは，この本の守備範囲をはるかに超えた数々の課題や症状にも，良い結果をもたらします。すなわち，緊張性頭痛の改善，トラウマを負うほどの脳損傷に伴う認知機能の回復，不安やパニック発作の軽減，深い瞑想状態に入ることができるようになること，自閉症の治療，発作のコントロール，うつ病の気分を落ち着かせることなどです。2013年，ニューロフィードバックは，17の軍人と退役軍人の病院で，PTSD治療に用いられましたし，ニューロフィードバックが退役軍人の治療に効果を実証する研究は，最近始まったばかりです。フランク・デューフィーは，ボストンこども病院の発達神経学研究所所長ですが，次のように述べています。「論文は，ニューロフィードバックの効果を否定するものはありません，ニューロフィードバックは，さまざまな領域で，大切な治療法になっています。私の意見では，もしも，薬でこのくらい様々な領域で効果がでれば，世界中で受け入れられ，使われているはずです」と。
答えが分からないことが，ニューロフィードバックの治療過程について，たくさん残っていますけれども，科学的パラダイムが，この答えの出ない問意を深く探索するような方向に徐々に向かっています。2010年に，トーマス・インセルが，国立精神保健病院長の立場で，１つの論文「繋がってない神経回路」を 『サイエンティフック・アメリカ』に載せました。この論文の中でインセルは，「心と脳を，リズムや電気的なやり取りパターンとして，理解することに戻りましょう」と呼びかけました。「普通の（異常な）心の働きを司るために共に働いている脳の様々な部位は，電気回路に似ていると考えられます」と述べました。最新の研究によれば，全体の脳回路がうまく働かないことが，たくさんの心の病の背景をなすことが分かっています。 」３年後，インセルが発表したことは，国立精神衛生病院は「DSMのカテゴリー分けで研究すること改めて」，「人間の神経全体の繋がり，すなわち，コネクトームの障害」ということに焦点を当てます，ということでした。
フランシス・コリンズ国立衛生研究所（国立精神衛生病院はその付属施設です）長官の説明によれば，「コネクトームとは，皆さんの脳の中のニューロン（神経細胞）のネットワークをうまく表現したものです。ゲノムみたいに，微生物叢，他の面白い「全体」分野みたいに，コネクトームを地図に落とし，皆さんの気持ちや思いや行動を伝えるために素早く動く電気信号を解釈しようと努力することは，力強い新しい道具と技術を発展させることを可能にすることでしょう」ということですね。コネクトームは，国立衛生研究所の後援で，今，その詳細な地図を作られつつあります。
心の病は，コネクトームという神経回路の繋がり具合で見るようになっているみたいです。
長かったヴァン・デ・コーク教授の新刊は，残り２段落で，全翻訳完了です。
