出会う(2)
Osann : 「それはね、“神の思い”と“人の思い”が、あまり
にも違い過ぎるため、かけ離れ過ぎているため、
人は“神の思い”を理解できないという意味で、
人の目にそれが隠れているということなんだと思う。
言い方を変えると、人の心が“ヴェール”で覆われて
いるために、“神の思い”が見えなくなっている
ところに根本的に大きな問題があるのでは········。
イザヤ書55章8節~9節には、こう書いてあるんだ。
『わが思いは、あなたがたの思いとは異なり、
わが道は、あなたがたの道とは異なっていると
主は言われる。天が地よりも高いように、
わが道は、あなたがたの道よりも高く、
わが思いは、あなたがたの思いよりも高い。」
つまり、神の思いと人の思いは、次元が全く
違うということなんだ。
ところで、このイザヤ書55章における“思い”という
のは、New King James Versionの聖書では、
“マインド(mind)”という単語が使われているんだ。
人のマインドというのは、中途半端な情報、誤った
情報、限定された情報、バイアスのかかった情報
などでコントロールされてしまっていることが
とても多いんだ。偏見、先入観、思い込み、勝手な
決めつけなどで、人のマインドは自分の『内なる光』
を暗くしてしまっているんだ。この『内なる光』が
明るく輝いていないと、人は “究極の隠れた宝”とも
言える“神の真実の思い”を必然的に誤解したり、
曲解したりしてしまうんだ。
神という存在は肉眼では見ることは出来ないし、
ましてや “神の心の内に秘められている思い”と
いうものは、かなり多くの人たち、おそらく
神やイエス▪キリストを信じていると告白している
人たちからも甚だしく誤解されているんじゃない
かって、思うんだ。
『天国への階段』のテーマにも関係してくるんだ
けど、主なる神のために“神の御旨”をたくさん実践
してきたと思えるにもかかわらず、天国に入り
損なってしなう者が多いとイエスは山上の説教の
中で語っているわけだけど、これは結局、
その人たちが“神の思い”を知らなかったから、
あるいは、ひどく誤解していたからじゃないか
って·······。私には、そんなふうに思えてならない
んだ。」
ハジメ: 「そう言えば、春樹もクラスメートたちから
ストーカーだとか、桜良のベットにもぐり込んだ
とか、いろいろと誤解されてたよね。」
Osann : 「そうなってしまうのは、クラスメートたちが
春樹のことをよく知らないから·····だから、
もっとみんなに話せばいいのに·····と、その時、
桜良が春樹にアドバイスをしてたよね。
正確な情報を得ることによって“真実を知る”と
とうことは、ものすごく大切なことなんだ。
“神についての誤解”というものも、やはり、
しっかりと解いておくということが、私たち
人間 一人、一人にとって最重要課題じゃない
のかなって、私は思っているんだ。
イエスは、『永遠の命とは、唯一の、まことの神で
いますあなたと、また、あなたがつかわされた
イエス・キリストとを知ることであります。』と、
ヨハネによる福音書17章でも語っているしね。
心の目にフィルターをかけることなく、
心を覆っているヴェールを取り除いた状態で、
神という存在を観て、捉えていくこと、
神の輝かしいの栄光の中で“神の真実の思い”を
知るということが、
この世にあって人生を生きている間になすべき
“究極の宝探し”と言えるのじゃないかな····って
思うんだ。
だからこそ、この映画キミスイをきっかけに、
今から、“神の真実の思い”に気づいていくための
“究極の宝探し”をしてみたいな···って思って
いるんだ。」
ハジメ: 「ウワッ、楽しみだな·····ワクワクするよ。」
Osann : 「ところで、『光はやみの中に輝いている。
そして、やみはこれに勝たなかった。』という
ヨハネによる福音書1章5節を前に引用したけど、
実は、やみの中でこそ明るく輝いている光という
ものがあることに気づいてほしんだ。
つまり、やみの中に、実は、光が隠れていたという
ことなんだよ。
そこに、イエスの十字架の奥義、神の知恵があった。
言い換えれば、人類ひとりひとりに対して『神が
抱いておられる真実の思い』がイエスが十字架に
かかっている時に全地を覆ったやみが明らかにした
ということなんだ。
マタイによる福音書27章45節~50節には、こう
記されているんだ。
『さて、昼の十二時から地上の全面が暗くなって、
三時に及んだ。
そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、
“エリ、エリ、レマ、サバクタ”」と言われた。
それは「わが神、わが神、どうしてわたしを
お見捨てになったのですか」という意味である。
▪▪▪▪イエスはもう一度大声で叫んで、
ついに息をひきとられた。』
聖書には、神の子イエスはご自身 罪のない方であった
が、全人類の罪をあがなうために、罪人の身代わりと
して十字架上で死なれたと描かれている。
また。イザヤ書53章には、その辺のことが 次のように
詳細に預言されているんだ。
“主はわれわれすべての者の不義を、彼の上におかれた。
·······彼は暴虐なさばきによって取り去られた。
その代の人のうち、だれが思ったであろうか、
彼はわが民のとがのために打たれて、生けるものの
地から断たれたのだと。
彼は暴虐を行わず、その口には偽りがなかったけれ
ども、その墓は悪しき者と共に設けられ、
その塚は悪をなす者と共にあった。
しかも彼を砕くことは主のみ旨であり、主は彼を
悩まされた。彼が自分を、とがの供え物となすとき、
その子孫を見ることができ、その命をながくする
ことができる。かつ主のみ旨が彼の手によって栄える。
彼は自分の魂の苦しみにより光を見て満足する。
義なるわがしもべはその知識によって、多くの人を
義とし、また彼らの不義を負う。
それゆえ、わたしは彼に大いなる者と共に物を
分かち取らせる。彼は強い者と共に獲物を分かち取る。
これは彼が死にいたるまで、自分の魂をそそぎだし、
とがある者と共に数えられたからである。
しかも彼は多くの人の罪を負い、とがある者のために
とりなしをした。”(6節~12節)
で、十字架上で人類の罪の身代わりとなって
さばき受けて、「わが神、わが神、どうしてわたしを
お見捨てになったのですか」というような言葉まで
発したイエスだったんだけど、このような魂の暗黒の
ただ中に放置されたかのように思えるような状況に
おいて、なぜ『神の真実の思い』が明らかにされたと
言えるのか······つまり、どうして、これが“やみの中に
輝く光”と言えるのか、まだ よくわからないよね。」
ハジメ:「もっと説明してくれないと、ピンとこないなあ。」
Osann: 「核心を説明する前に、使徒パウロがコリント人への
第一の手紙2章で書いていることに、注目してもらい
たいんだ。
実は、使徒パウロはここで『隠された奥義としての
神の知恵』について語っているんだ。これこそ、
究極の宝探しと呼べるんだ。
“肝心なことは目に見えない”と映画キミスイの冒頭で
教師 春樹が“星の王子さま”の本から引用して語って
いたよね。
この神の『隠された奥義』も、やはり 目に見えない
肝心なものなんだ。
天国への階段を登っていたと思っていたのに、その
途中で滑り落ちてしまわないためにも、
『神の隠された奥義』をよく知っておく必要があると
思うんだ。
この奥義は、“目がまだ見ず、耳がまだ聞かず、人の
心に思い浮かびもしなかったこと”(コリント第Ⅰの手紙2章
9節)とも呼ばれているだけに、人の心にあるマインド
機能(=この世の知恵)をどんなに駆使しても、この
“隠れた宝”を見つけるのは 非常に難しいことなんだ。
ところで、映画キミスイでは、桜良が春樹をどう
思っているかという“真実”は、病室では語られる
ことなく、秘密にされてしまったよね。
春樹がその秘密にされてしまった自分に対する
桜良の“真実の思い”を知るのは、結局、桜良が亡く
なった後に桜良が残していった“共病文庫”を読み、
でも最終的には高校の図書館の書庫にあった
“星の王子さま”の原書の中に桜良がそっと隠して
あった春樹にあてた“遺書の手紙”を読んでから
だったんだ。
それと同様に、人類に対する“神の隠れた真実の思い”
を知るようになるためには、イエスが十字架で死なれた
後に送るとイエスが約束された真理の御霊の手助けが
必要だったんだ(ヨハネによる福音書15章26節~27節、
同16章12節~15節を参照)。
だから、神は “御霊”(聖書の中では、“助け主”とか、
“聖霊”とか、“神の霊”とか、”真理の御霊”などとも
呼ばれている)によって、神の深みと言える神の奥義
中の奥義と言える “神の隠れた真実の思い”を人に啓示
しようとされたんだ。
そのことを使徒パウロが、コリント人への第Ⅰの手紙2章で
次のように書いたというわけなんだ。」
『それを神は、御霊によってわたしたちに啓示して
下さったのである。御霊はすべてのものをきわめ、
神の深みまでもきわめるのだからである。
いったい、人間の思いは、その内にある人間の
霊以外に、誰が知っていようか。それと同じように
神の思いも、神の霊以外には、知るものはない。』
(コリント人への第Ⅰの手紙2章10節~11節)
ハジメ: 「なるほど。」
****二人の会話は、出会う(3)へと続く(お楽しみに)****
(2018年11月6日~11日)
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