70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

「倍返し」はやめて!

2020-08-06 13:16:45 | 愛すべき子どもたち

短い夏休みが始まった途端に猛暑日が続いている。しかもここは酷暑で有名な熊谷地区のため、当然子どもたちはエアコンの利いた部屋にいる時間が多い。さらにコロナ禍の中で、なるべく外出や面会は控えているので、子どもたちのストレスは溜まっている。些細なことでよくケンカをする。小さい子たちは言い合いから暴力に発展することもある。 そんなときは職員が仲介に入って理由を聞き、場合によっては一方に謝罪をさせる場面もある。

幼児Aくんと小2Bくんの間でいさかいがあり、Bくんが激しく泣いている。事情を詳しく聞いたらAくんが一方的に起こしたことであり謝罪するべき状況だった。何とか説得して、ようやくAくんが謝罪するところまでいったが、今度はBくんが許してくれない。「Aくんにも、僕と同じ口惜しさを味わうまで許さない。」と言う。確かに、まだ涙も乾く前に、謝罪を受け入れうるのは難しい。子どもだってクールダウンの時間が必要だ。

子どもたちは、たいがいクールダウンすれば相手の謝罪を受け入れる。しかし、大人の世界では「同じ苦しみを味合わせるまで許さない。」という状況は多い。さらに言うと、相手に同じ苦しみを味わわすだけでは納得せずに「倍返し」を試みる。倍に返されてた方も、「何でそこまで」と倍にして返す、復習の連鎖の始まりだ。 

TVドラマ「半沢直樹」の第2弾が放映されている。極悪非道な権力者たちに対して弱い善人が「倍返しだ!」の啖呵は実にスッキリする。サラリーマンたちのストレス解消のドラマ仕立になっている。しかし、現実の世界は一人心の中に悪と善が存在し、言葉や行動はその善と悪の狭間の中で発せられ他者を幸せしたり不幸にしたりする。相手もいろいろ事情はあるし、こちらも完全な善人でもないのだ。 だからやっぱり「倍返し」はやめておこう。

 

昨年の春に実施した職員にための「アンガーマネージメント研修」

 

 

怒ったら甘いものを食べると、少し落ち着くね。

 

 

 


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