毎日のできごとの反省

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なぜ複葉機なのに引込み脚か

2019-11-16 23:35:21 | プラモコーナー

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 これはグラマンF3F艦上戦闘機である。愛称はフライングバレル、つまり空飛ぶ樽だから、うまくつけたものである。日本の九六式艦戦とほぼ同時代の機体である。九六式艦戦が単葉で固定脚であるのとは、真逆である。艦上機だから離着艦の便を考えて複葉機という安全策をとったのである。この程度の速度性能を考えるならば、固定脚でも良かったのではないかとも考えられる、日本の設計者はそう言い訳をしている。

 

 

 問題は、不時着の際なのである。撃墜されたり、故障などで不時着する場合、固定脚だと不整地や海上では脚を引っかけて転倒したりして、搭乗員を喪失することがある。転倒してつぶれたり沈んだりする。あるいは、操縦席前方に顔面をぶつけて死亡することも多い。引込み脚だとうまく胴体で滑走すれば、これらの事故を起こす確率が断然減る。現に九九艦爆は固定脚の故に不時着水によって失われた搭乗員がかなり多いと言われている。陸上機ならば、平地などを探すことができる場合があるから、艦上機の方が引込み脚の必要性は高い。米海軍は、そこに目をつけたのである。なお、日本機は引込み脚の採用が遅れたことについて、当時の設計者はいろいろ言い訳をするが、本音は、日本の技術では正確に引込む機構の製作が困難だったためである。

 しかもF3Fは完全密閉式風防である。このことは歪みやくもりの少ない良質なガラスを製造することができた証しでもある。また上翼上面が黄色に塗られているのは不時着水したとき捜索機に目立つためである。かく艦上機の安全策とは面倒なものである。

 

 さてキットはスペシャルホビーの1/72のF3F-3である。複葉機の上翼を固定するには、最初に胴体からの支柱で取り付けるのが常道であるが、このキット、それができない。接着のピンも無ければ、接着場所の目印もないのである。それで、両翼の間のN型支柱に真鍮戦を埋め込んで、瞬間接着剤(ゼリー状)で上翼と下翼を固定してから、胴体と上翼の支柱をそれらしい位置に山勘で取り付ける。案外厄介で一発勝負となるので要注意。

 


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