ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

“やる気” を取り戻すにはビタミンB群を

2018-11-16 06:37:19 | 病状
 先日の自助会AAのミーティングでは、“やる気” がテーマとなりました。私にしては珍しいことですが、すかさず思い出したのは次のエピソードでした。

「今は何にも “やる気” がしないでしょう? 大丈夫! 点滴できっと、“やる気” が戻るようにしてあげますから、・・・それから、階段や段差など降りるときは気をつけてください。今は、バランスが思い通りには取れない状態ですから、手すりなどにつかまってね。原因は同じだから、それも点滴で元に戻りますよ。」

 これは、アルコール専門クリニックを初めて受診したときに院長のS 先生に言われた言葉です。5年経った今でもこの言葉はしっかり覚えています。
「(えっ、“やる気” が戻る? 精神的なものが点滴で? ホント?)」頭がボーッとしていて考える気力も失せていましたが、それでも俄には信じがたい言葉でした。

 一般病院を強制退院となり、専門クリニックには妻に連れられてやって来たのですが、妻に付いて歩くのにも難儀していました。また、緩い斜面とか階段や段差を降りるときには、ともすると転げそうでヒヤヒヤしていたことを覚えています。

 初診の日から、連日1時間の点滴を受け続けました。1ヵ月もしないうちに歩き方がマシになり、より長い距離を歩こうと自宅から駅までのコースを片道30分のコースに変えるまでになれました。

 3ヵ月が過ぎた辺りから、さらにビックリすることが起こりました。何と、本がすらすら読めるようになったのです。酒浸りだった頃は “やる気” が全く失せて、本を読む気力すらなかったのに、です。明らかに、“やる気”(=意欲)が戻ったのは断酒とこの点滴のお陰でした。

 通院5ヵ月で点滴が静注になり、その後1ヵ月ほどで静注が内服に変わりました。医者の判断で一時中止となったのですが、たちまち体調も気力も今ひとつに逆戻りしてしまいました。直ぐに内服処方を再開してもらい、5年経った今でも朝夕2回の服用が続いています。

 ところで、静注のときにニンニク臭がしましたから、成分中にビタミンB1が含まれていることはわかっていました。後になって医者に聞いたところ、点滴も内服もビタミン B1 、B6 、B12が主成分の配合剤だったそうです。

 これらのビタミンB群をネットで調べてみると次のように書かれていました。

 ●ビタミンB1:糖質をエネルギーに変換する代謝過程で補酵素として働き、不足すると疲れやすくなり、イライラや抑うつ気分にもなりやすい。アルコールが無毒化される代謝過程では大量に消費される
 ●ビタミンB6:脳の神経伝達物質、特に抑制的に働くGABAの生成に深く関わって、不足するとイライラや寝つきが悪くなりやすい
 ●ビタミンB12:神経伝達物質の生成を促して精神を安定させ、集中力や記憶力を高める。不足すると睡眠障害が起こりやすい

 概観して、これらのビタミンB群はヒトの精神状態にも深く関わっていて、不足すると疲れやすさやイライラ、抑うつ気分、不眠などになりやすいことがよくわかります。つまり元気がなく、“やる気” の出ない状態です。酒の飲み過ぎが連日のように続いた翌朝のことを思えば、これらの気分にきっと心当たりがあるはずです。

 この連日飲酒の場合を想定してみれば、そのカラクリがよくわかります。多量の飲酒は消化管を傷めて消化不良を起こし、これらビタミンB群の吸収不足を来たします。これに加えてビタミンB1はアルコールを無毒化する代謝過程で大量に消費されますから、益々ビタミンB1不足に拍車がかかることになります。

 こうしたビタミンB群不足の悪化が抑うつ気分に落ち込ませることになるのでしょう。が、そんなことを知らない大酒飲みは、何とか落ち込んだ気分を紛らわそうと再び酒に手を出す悪循環に嵌まってしまうのです。

 以上は、依存性薬物であるアルコールのもう一つの側面、つまりビタミンB群の側から見たアルコールによる負の連鎖のカラクリです。夏バテでも同じように元気も “やる気” もなくなりますが、主に暑さが原因で食欲がなくなる夏バテに比べたら、アルコールの複雑さや手強さがよくわかると思います。

 長くなりましたが、大酒飲みの方にここで特にお勧めします。なにかにつけメンドクサイが先立って “やる気” が出ないときは、是非ビタミンB1を初めとしたビタミンB群不足を疑ってみてください。

 そしてできれば、処方箋によるビタミン B1 、B6 、B12からなる配合剤を1~2ヵ月お試しください。市販の栄養ドリンク剤よりも、結局、処方箋薬の方が安上がりなこと請け合います。


次の記事も是非ご参照ください。
アルコールと “うつ” 症状」(2016.2.05投稿)
大酒飲みにありがちなビタミンB1不足」(2017.7.07投稿)



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2 コメント

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ヒントになりました (はる)
2018-11-22 05:28:04
おはようございます(^^)
「ビタミンB群不足を疑ってみてください。」
この言葉がヒントになりました。

私はダイエット中で体重を減らすことを考えるくせに
ご飯やおうどんは好きだから食べる、ビールも好きだから飲む
だからお肉類は少量にして調整しているつもりでいました。
体に必要な「栄養素」を全く無視していました。

早速ビタミンB群を購入(サプリですが(^^ゞ)して飲み始めました。
飲み始めたばかりで効果はまだまだだと思うのですが
この記事のおかげで安心感をいただき〝やる気〟が出て来ましたp(^^)q
言葉による処方箋をいただいた感じです。
ありがとうございました♥

Re. “はる” さんへ (ヒゲジイ)
2018-11-22 18:35:32
はるさん、お久しぶりです。
>言葉による処方箋
ムンテラで速効ですか?!

すべてが物質で出来ているヒトの身体ですから、
特定の物質不足やアンバランスが精神状態にも悪影響、
というのも頷けますよネ?
胃腸が不調でない限り、
そのうちサプリの方もきっと効いてくると思いますヨ。

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