居心地

相棒のワンコとの暮らしの風景
他愛ない日常のあれやこれ

流人道中記

2020年05月28日 | 

コロナ禍の緊急事態宣言が出てから

(現在は解除になっておりますが)

出勤日が格段に減り

街の様子もすっかり静まりかえって

公共の施設が次々閉鎖になった。

 

もともとインドア派であったので

普段の暮らしにそれほど不自由は感じなかったが

図書館の閉館ばかりはきつかった

 

そこでトラの子の図書カードで

浅田次郎の「流人道中記(上下巻)」

を購入したのだった。

 

 

年代物のウイスキーを味わうように

チビチビと読み進め

とうとう最後まで辿り着いてしまった。

 

 

数え19の新米与力見習い

石川乙次郎

仰せつかった大役が流人の押送

しかもその相手は

天下のお旗本青山玄蕃

 

この者 切腹を仰せつかったにも関わらず

痛いからイヤだと拒否した

前代未聞の輩だったのだ。

 

生真面目一本の乙次郎と

見映え良く世慣れた様子の玄蕃

 

乙次郎の成長期とも読めるし

本物の玄蕃へ迫って行く楽しみも。

宿ごとに乙次郎が残して来た幼妻へ

したためる筆に本音が漏れる。

 

 

旅の終盤に近付くにつれ

この二人旅がいついつまでも続いて欲しいと

願ってしまう。

乙さん、玄蕃さま...

結末を知りたくも

ページを繰る手が重くなり

字面まで滲んでしまう始末。

 

 

浅田次郎センセは

また、何と言う小説を突きつけてくれたのか。

 

 

今しばらく物語が終わってしまった喪失感は

二人の行く末に思いを馳せ

紛らわすしか手段はなさそうである。

 

 

 

 

本日もご訪問ありがとうございます

 

 

 

 


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