安倍内閣はリベラル左派である。それでも保守派の私たちが支持したのは、戦後レジームを解体してくれると思ったからである。移民政策や消費増税を優先させて、憲法改正を後回しにするようでは、保守派の大半は付いていかないだろう▼保守派が安倍内閣に揺さぶりをかけなければ、新たな展望は見いだせなくなってきている。戦後73年が経過したが、単独か連立かは別にして、その期間のほとんどは自民党が政権を担った。時代は変わってしまった。もはや自民党頼みであってはならないのである▼林房雄は小説『青年』において、明治維新を達成した志士たちが、「狂」を自認したことに触れている。「日本古狂生、山県狂介、東洋一狂生東行。-狂の一字は志士の変名や雅名の中に少なからず見あたる。彼らが自ら『狂』と称し、好んでこの字を用いたことは興味深い。世に逆らい、家を破って東奔西し西走する我が身を名づけて、みずから『狂』と呼んだのである」▼今すぐに安倍総理が勇気ある決断をしなければ、徐々に追い詰められていくだけだ。それに取って代わる政党や政治勢力はどこにも見当たらず、我が国は大混乱に突入するのではないだろうか。そうなれば「狂」を自認する者たちの、捨て身の行動が祖国を守り抜くのであり、安穏とした平和な時代の政党に頼ってはいられないのである。
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