今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO スピードタイマーの針交換の巻

2019年01月21日 19時50分46秒 | ブログ

すみません。正月早々、目が厳しくてね。眼科に掛かっているので作業はゆっくり目にさせて頂きますね。で、セイコー・スピードタイマー6138-0030ですけど、右側がご依頼の個体で左側は私の所有です。私の方は文字盤とベゼルはリプロ部品で針は再塗装ですが、リプロ部品も何種類か出回っていて青の色も微妙に異なります。私のものは文字盤の青が紫掛かっていてあまり良い感じではありません。右側の文字盤は純正かなぁと思いますが、きれい過ぎとも見えますのでリプロ部品かも知れません。

オリジナルの長い秒針と小針はオレンジ掛かった黄色だったようですが、黄色は長い時間の間に色素が飛んでしまい白っぽくなっています。長短針も劣化しています。

 

そこで、最近はオークションで入手が出来るようになったリプロ針が付いてきました。しかし、出来はあまり良くなくて、特に軸の長さはホゾ穴が純正とは異なっていたりで、そのまますんなりとは取り付いてくれません。特にクロノグラフの場合は、長い秒針を急速に0時に復帰させるため、針とホゾが完全に固定されていない場合、停止位置がずれてしまいます。

短針はきつめでしたが何とか入りました。長針がいけません。穴が小さくて無理をすると歯車ホゾなどを痛めてしまいますので、穴をリーマで拡大をして取り付けました。画像の小針は純正でもいくつか規格があります。右のリプロ針の軸は長すぎで、このまま使用すると短針と接触をしてしまいます。よって、ヤスリで短く削ってリーマ修正のうえ取り付けました。

問題は長い秒針。こちらも穴が小さく、ホゾの奥まで入りません。取付けで復帰ボタンで復帰させると完全に針とホゾが固定されていないため、0時を行き過ぎて58秒まで行ってしまいます。対策としては、穴を拡大してホゾの奥まで差し込むかですが、今回は、元の針を塗装して取り付けました。よって、微妙に色が違います。問題なければ自動巻き機構を取り付けて行きます。

 機械をケーシングしてから自動巻き機構と回転錘を取付けて完成。

 

 

あぁ、やはり針がきれいになると時計がシャキッとしますね。秒針のオレンジ色はJR中央線の103系から使われているパーミリオンオレンジをそのまま使用しましたが、中々合っていますね。自分のも塗り替えようっと。古い時計をレストアする場合、何度も抜き差しされた針の劣化に頭を悩ませるのですが、今回のリプロ針は救世主なんですね。しかし、残念ながら出回っているスピードタイマー用はあまり品質(精度)が良くありません。まぁ、自分で時計を直す人は、修正するぐらいの技量があって当然。ということかも知れませんが、クロノグラフの場合、秒針と軸との確実な固定は最重要ですから、もう少し精度が良いリプロ品が出たらうれしいなと思います。文字盤などは「高品質版」と言われるものも出ては来ましたけどね。と言うことで、ご自分のスピードタイマーの針をリプロ品と交換したいとお考えの方には、そのまま簡単には付きませんよ。ということをご理解頂ければと思います。

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