へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

夏休みだよ、へ、へいへいへい

2018-08-10 13:53:56 | へちま細太郎

おひさしぶりです、ぼくがへちま細太郎です。
忘れちゃった?忘れてねえだろうな。

大学も夏休みに入り、あまりの暑さに、白崎は故郷の北海道に逃げ帰り、北海道の農場でバイトをすることになった。
くそじじい、抜け目がねえ。
広島の牡蠣の養殖場には、子豚のキチローが派遣されたが、何のことはない、支部で土嚢を作るかかりになっているそうだ。
で、牡蠣を食いたそうにしていたらしいが、もみじ饅頭のフライにはまったらしく、体重が増加しているらしい。
藤川家のおおおばあさまは、体調を考慮して、県北の別荘を改築してそちらに移りすんでいる。
須庭寺の副住職のおっさんは、実家に返品され、そこから通いの副住職となった。
籍はまだ抜いていないらしい。
再構築したい気満々のおっさんは、神妙にしているそうだ。
うちは、おじいちゃんが相変わらず知事の秘書になっていて現役を退いていない。
おばあちゃんは、庭の手入れに余念がなく、たまにはるみが手伝いにきているんだとか。
こいつと、結婚するんじゃなかろうか、俺。
ところで、孝太郎先輩が、
「おまえら、あの時貸していた別荘な、夏の間だけ住んでくれねえか、何、庭の手入れとかしてくれれば家賃いらねえって」
と、俺たちが家出したときに借りていた別荘に住んでくれ、と持ち掛けてきた。早い話、
「庭の手入れに金かけたくねえ」
なんだそうだ。この話に乗ったのが、後藤と荒浪の二人で、
「俺たちいきますよ」
とふたつ返事で承知した。孝太郎先輩が簡単に別荘貸すかっていうの。
「そうか、助かった、もう二人いくから」
孝太郎先輩は、後ろで豪農スタイルになぜかスーツケースを持った小栗先輩と水嶋先輩を振り返り、
「万事あの二人が心得ているから」
と、唇の端を挙げ冷や麦のように笑った。
こんな笑いをするときは、なんかあるんだ、この人は。
長い夏休み、二人に幸あれだ。

 



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