音がつなぐ人と大地

北海道オホーツクを拠点に活動する
フルートとギターによるユニット「ホラネロ」が綴る
くらしと音楽。

頑張ろう、それぞれの道

2020-06-25 | 北海道暮らし
しょく〖植〗 ショク・うえる・うわる
1.木をまっすぐに立てる。草木を地に立てて根がつくようにする。うえる。
 
しょく〖殖〗 ショク・ふえる・ふやす
1.生物の子孫がふえる。ふやす。ふえて多くなる。
 
*********************
 
いつも芝ざくらまつりでお世話になっている滝上町観光協会の 畠山 尊行 (Takayuki Hatakeyama)さんが、ご来訪。知る人ぞ知る『陽殖園』の園主、高橋武市さんとクリンソウ咲き乱れる “ノンノの森” を歩きに来られたそうです。
 
「あの森をそっくりそのまま持って帰りたいくらいだった」
倒木更新、湧水とせせらぎ・・・クリンソウの咲き乱れるノンノの森は、整備されつつも自然そのままの姿が残されていて素晴らしい、とたいそうお気に召したご様子でした。
 
65年前、鉛筆を買うこともままならない、そんな時代に農家育ちの高橋さんは農作物の配達を手伝う中で、庭の切り花を持って歩いたところ、需要があることに気づき、起業しました。
当時、中学2年生だったそうです。
 
それから、花園一筋。
 
植えて増やすのではなく、太陽が増やしてくれる。だから『陽殖園』。
 
他のガーデンと同じではない、ここでしか見られない風景を作り続けて半世紀。
自分が杖をつくようになっても持続可能な花園のスタイルを追求して、この名前にしたのだそうです。
 
「壁はたくさんあるよ。でも、頑張って一つ破れば、あとは次々破れるようになるもんだ」
「長続きさせるには、背伸びしないことだね」
「園で生まれた小鳥と時々目が合うよ。あいつらにとっちゃ、俺のことは“歩く切り株”くらいにしか思ってないべ」
  
今では全国各地からリピーターが後を絶たない、知る人ぞ知る観光地。
私も訪れたことがありますが、植物も鳥も虫も、自由に生きていて、それでいて調和がある。
花だけを愛でる派手な観光スポットではありませんし、インスタ映えを狙うような場所でもありません。
スイーツも売ってませんし、入り口もわかりにくい(笑) 
 
でも・・・晴れた日も雨の日も、花が咲く日も枯れた日も、ありのまま “いのちのストーリー” を感じられる。
そんな花園です。
 
あの日、園の出口で身につけていた “くま鈴” をお返しした際、 
「2週間後に来たら、まったく違う表情が待ってるから。またおいで」
とお声がけいただいたのを想い出しました。
  
自由ノートには、全国からいらっしゃったビジターさんの手書きメッセージがびっしり。
「今回は〇〇でした」「去年より〇〇でした」「また来ます」・・・
 
また来たくなるのは、花だけではない価値がここにあるからだと思いました。
 
********************
 
ご来訪のお礼にヒグマ笛やオオイタドリの笛を聴いていただきました。
 
「この辺に暮らす人はよく、“なんもない”っていうべさ。でも、道端の草一本も宝物になるどうかは、その人の感性次第なんだワ・・・」
 
聴き終わって第一声にこの言葉をいただくとは。
感無量です。
 
いつも芝ざくらイベントでは駆け回ってお忙しい畠山さんとも、久しぶりにゆっくりお話しできて嬉しかったです(*^_^*)
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オンラインコンサートのお知... | トップ | 13℃だけどTシャツは着たい »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。