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村上春樹 ・川上未映子『みみずくは黄昏に飛びたつ』2017・新潮社-ただのインタヴューでは「あらない」です

2024年04月12日 | 村上春樹を読む

 2017年春のブログです

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 村上春樹さんに作家の川上未映子さんがインタヴューをした『みみずくは黄昏に飛びたつ』(2017・新潮社)を読みました。

 すごく面白かったです。

 騎士団長ふうにいうと、ただのインタヴューでは「あらない」、です。

 とても深いインタヴューです。

 もともと村上さんの大フアンである川上さんが、周到な用意をしてのインタヴューで、しかし、その鋭い(?)質問に村上さんは飄々と答えています。

 時には、村上さんも熱く語る場面がありますが、やはり基本は真面目さに裏づけられたユーモアとゆとり、という印象です。

 そこが村上さんの真骨頂なのでしょう。

 個人的には、ここのところ、『騎士団長殺し』に出てきた、スバル・フォレスターのタイヤケース、が、そんなのあったっけ?と、少しだけ心配だったのです(村上さんのことだから間違いはないだろうとうは思いましたが、しかし、まさかということも人生にはありますからね)。

 しかし、このインタヴューで、そういう表現になっている理由がわかって、ひと安心でした(詳しくは本書210ページを読んでくださいね。よかった、よかった)。

 また、『騎士団長殺し』の中で、注目の(?)、ユーモラスな騎士団長のことば遣いについても、謎が判明してとてもよかったです(詳しくは本書277ページを読んでくださいね)。

 他にも、読みどころは満載です(なんか宣伝みたいになっちゃいました)。

 村上文学をさらに深く味わうことができるいい本だと思います。         (2017.4 記)

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 2019年春の追記です

 2年ぶりに再読をしました。

 のんびり屋のじーじにしては異例の早さ(?)です。

 やっぱりいい本です。

 川上さんのするどい質問に触発をされてか、村上さんの深い発言が出てきて、インタヴューが創造の場になっている感じです。

 そして、そこにはユーモアも存分にあふれていて、心地良い世界です。

 少し疲れた時に読むと、きっとエネルギーをもらえるような、そんな素敵な本だと思います。    (2019.4 記)

 


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