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昭和のプロレス:脇役はチャンピオン

2018-11-16 06:55:53 | 日記
新鮮な対戦相手

 毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」、ヒーローを輝かせた昭和の
名脇役達の活躍を振り返っています。
 今週登場するのは42代NWA世界チャンピオンの「マットの魔術師パット・
オコーナー」です。
最高権威と謳われたNWA王者だったオコーナーを脇役扱いするのはいささか失礼
ではありますが、そうしたくなる理由がありました。

 1973年ジャイアント馬場率いる全日本プロレスに2度目の来日をしました。
馬場が推し進める新王座設立の為の十番勝負の相手です。
一連の戦いは世界の強豪と10試合を行い、上位の成績を収めたら馬場が新チャン
ピオンを名乗るとの名目で行われました。
 そこに至るまでの対戦相手はサンマルチノ、ジョナサン、ブラジル、スナイダー
といった超一流の選手ばかり、しかし過去に幾度も戦っているので新鮮さが足りません。
そこで出て来たのが馬場の師である力道山と戦って以来日本のマットには登場して
いないオコーナーでした。
元NWAチャンピオンの肩書は、実力実績共に申し分ありません。
 そして2月20日、世界ヘビー級王座争奪十番勝負の第9戦目が行われました。

 オコーナーの最大の見せ場は後方回転のエビ固め。
タックルを受けて倒されるとバネを活かしてその場跳びで立ち上がり、向かって
来た相手の後ろに回り込んでロープに押し込みます。
反動を活かして相手もろとも後方に半回転、そのまま抑え込んでしまいます。
 対馬場戦でも炸裂させて見事巨体を丸め込みましたが、結果は2対1の敗退。
以後6回にわたり全日マットに登場しますが、惜しむべくはその年齢でした。
 初めて登場した時が46なので、以後は体力が落ちるばかりです。
相手選手を引き立てて試合を盛り上げますが、そんな様子を毎週のようにテレビで
見せられると、老練な試合をする名脇役の印象で固まってしまいます。

与えられた役割

 プロレスの始祖・力道山も、オコーナーには脇役が相応しいと考えていたのかも
しれません。
初来日した1963年の第5回ワールドリーグでの扱いに、その思惑が垣間見られます。
 本来ならば錚々たる外人勢の中で最高得点を挙げて力道山と決勝を争うのは、
2年前までNWA王者だったオコーナーが最適です。
しかしその戦績は格下相手の7戦7勝。
決勝に進んだのは12戦して全勝のコワルスキーでした。

 代わりにオコーナーに与えられたのは、リーグ戦真っ只中に行われた16回目の
インターナショナル選手権の防衛戦の相手。
半回転エビ固めで1本を先取しますが、力道山の空手チョップを浴びて敗退すると
翌日にはさっさと帰国してしまいます。
どうやら契約期間はインター戦までと最初から決められていた様でした。
 36歳の脂の乗り切った時でさえ、オコーナーは名脇役に徹したのでした。
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