東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く東大入試問題(11)

2018-09-22 11:16:27 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成27年度東大入試問題(前期、文系)です。

問題は、
「 l を座標平面上の原点を通り傾きが正の直線とする。さらに、以下の3条件(ⅰ)、(ⅱ)、(ⅲ)で定まる円C1、C2を考える。

(ⅰ) 円C1、C2は2つの不等式x≧0、y≧0で定まる領域に含まれる。
(ⅱ) 円C1、C2は直線l と同一点で接する。
(ⅲ) 円C1はx軸と点(1,0)で接し、円C2はy軸と接する。


▲問題図

円C1の半径をr1、円C2の半径をr2とする。8r1+9r2 が最小となるような直線l の方程式と、その最小値を求めよ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

図1のように、円C1とx軸、円C2とy軸、円C1と円C2の接点をそれぞれA、B、Tとすると、OA=OT、OB=OTからOA=OBが成り立ち、したがって、Bの座標は(0,1)になります。


▲図1.Bの座標は(0,1)です

ここで図2のように、円C1、C2の中心をそれぞれP、Qとすると、それらの座標は、P(1,r1)、Q(r2,1)になります。


▲図2.P(1,r1)、Q(r2,1)です

次にr1とr2の関係式を求めましょう。

円C1とC2がTで接しているので、線分PQの長さと線分PTと線分QTの長さが等しくなります。

線分PQの長さはPとQの座標から

で、線分PTと線分QTの長さの和は、

ですから、

が成り立ちます。

この等式の両辺を2乗すると、

で、これを展開して整理すると、

になります。

このとき、

です。

ここで、1+r1>0なので相加相乗平均から

が成り立つので、

になり、等号は、

のとき成立します。

したがって、8r1+9r2の最小値はになります。

あとは直線l の式を求めるだけです。

図3のように、

で、

ですから、Tのx座標とy座標は、それぞれ、

です。


▲図3.Tの座標は(3/5,4/5)です

したがって、直線l の式は、

になります。

以上をまとめると、8r1+9r2の最小値は 、直線l の式は

で、これが答えです。


簡単な問題です。

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