ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

新型コロナが「流行り風邪」になる日は

2020-08-02 10:23:33 | 時事
新型コロナウイルス対策である緊急事態宣言が解除されてから、国内特に東京近辺や大都市圏での感染者が増加傾向にあります。6月下旬から入国規制の緩和が始まっていることから「第2波」への警戒感が高まっています。

東京医師会の幹部は、ワクチンが完成し重症化しない治療法ができれば、新型コロナもありきたりの「流行り風邪」となり、人類と穏やかに共生していくことになる、と語っていますが、こういった状況にはいつ頃になるかがいろいろ議論されています。

流行り風邪として頭に浮かぶのはインフルエンザですが、この感染者数は年間約1000万人となっています。1日あたりの感染者数は約3万人であり、新型コロナより2桁大きくなっています。

2018年から19年にかけての死者数は約3300に上っています。これまで通常の日常を送ってこれたのは、インフルエンザは既知のもので体内にはある程度の免疫がある、ワクチンで免疫力を高めることができる、感染しても治療薬があるという前提があったからと言えます。

では新型コロナではどうか、まず免疫力について考えます。厚生労働省は6月16日に新型コロナの大規模な抗体検査の結果を発表しましたが、全体的に0.1%前後と非常に低いものでした。海外の調査ではストックホルムで7.3%、ロンドンで17.5%、ニューヨークで19.9%となっています。

抗体保有率が低いことは、多くの人が免疫を獲得して感染が終息に向かうという「集団免疫」の段階に達するまでの時間が長いとされることから、日本での「第2波」は諸外国に比べて大きくなるのではないかと懸念されています。

日本などのアジア地域での新型コロナ死者数が欧米に比べて2桁少ないのですが、この謎の解明に資する研究結果が出ています。

カリフォルニアの研究所が新型コロナの流行前(2015から2018年)に採取した健康な人の血液を調べたところ、半数の人の血液から新型コロナを退治できるT細胞が検出されました。

またチューリッヒの大学病院では、新型コロナから回復した人のうち約2割(165人中34人)しか抗体が作られておらず、残り8割は既存の免疫機構で新型コロナを退治したと考えられています。

免疫の詳細は割愛しますが、T細胞は特定の抗原とのみ結合しますが、抗原の化学構造に類似する物質とも誤って結合することがあります(交叉反応性)。半数以上のヒトのT細胞は、過去に感染した風邪のコロナの免疫記憶が呼び起こされ、新型コロナを認識し攻撃するということになります。

これは一つの仮説であり、抗体保有率が低いことを心配する必要はないとは言えないのですが、新型コロナが流行り風邪に近づく研究結果と言えるのかもしれません。

現在やや足踏み状態の治療薬や、進んでいるといわれているワクチンが実用化されれば確実に近づいているといえそうです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿