ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ムサコ・タワマンの悲劇 台風被害の最前線

2019-10-20 12:02:13 | 日記
JR武蔵小杉駅(川崎市)の近くにある超高層マンション、いわゆるタワマンで、とんでもない事態が起きている。台風19号の影響で、エレベーターが動かなくなり、トイレも使えない状態になっているというのだ。給水ポンプも電動のため、あろうことか、断水も発生したという。これではまるでバングラデシュ難民並みの、劣悪な生活環境ではないか。そう、ムサコ・タワマンの住民は、今や難民生活を送っているのだ。

都会のタワーマンションなんて、俺たちには関係ないね。そんなところに住む奴は、相当リッチな奴らなんだろう。ざまー見ろさ、ーーそう言いたくなる人も、きっと少なくないだろう。

だが、ムサコ・タワマンの住民を襲った悲劇は、さほどリッチでない一般庶民の我々と、決して無縁ではない。どうしてこんなことが起こったのか、それを考えてみよう。各種のトラブルの原因はただ一つ、それは、配電設備が故障したためである。大規模な配電設備は地下3階にあったらしいが、台風の影響でこの設備が水をかぶり、故障してしまったのである。

老いも若きも、金持ちも貧乏人も、ほとんどの我々の生活は、電力によって支えられている。その意味で、電力の供給は文明社会に住む我々の、その命綱になっていると言ってよく、それが絶たれたときの我々の生活は悲惨この上ない。

長期間の停電が、どんな苦難をもたらすのか。それを我々は、1年ほど前の北海道地震で経験している。つい1ヶ月ほど前にも、台風15号の影響で、千葉県が広域で停電に見舞われた。蒸し暑い中、エアコンが使えず、テレビも見られないつんぼ桟敷の生活がどれほど悲惨だったかは、連日、テレビで報じられた通りである。

台風15号では、強風のために電柱がなぎ倒され、19号では、豪雨のために日本各地の河川が氾濫した。そうしたことが原因になり、電力の供給はいとも簡単に途絶える。ひとたび大型台風が来れば、停電は、ーーまた、それに伴う悲劇はーー、全国各地、どこにでも起こり得る現象なのだ。

今回、台風19号がもたらした全国各地の災害を目の当たりにして、台風の大型化の原因が地球温暖化だということが、ひとしきりマスコミの話題になった。ネットでも、次のような記事が掲載された。
「このままのペースで温暖化が進むと、今世紀末には世界の平均気温が現在より3度ほど上がるとされている。気象庁気象研究所の予測によると、平均気温が3度以上高くなると「スーパー台風」と呼ばれる最大風速59メートル以上の台風の発生数は地球全体で3割ほど減る。その一方、海面水温の上昇などにより日本の南海上を猛烈な台風が通る頻度は増加するとみられ、日本列島への影響が懸念される。」
(毎日新聞10月19日配信《温暖化が進むと…スーパー台風、複数回日本上陸 1度上昇で洪水2倍に》)

地球温暖化の原因の一つは、(温室効果ガス=二酸化炭素、を排出する)火力発電によって、我々の文明が電力を産出してきたことにある。その恩恵を受けて生きる我々が、その影響で多大の害悪を被るというのは、皮肉以外の何ものでもない。
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