旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

青い森鉄道に乗って 特別感スペシャルツアー10 「みちのく潮風トレイルトレッキング」葦毛崎展望台~大須賀海岸

2018-12-11 19:39:21 | 青い森鉄道に乗って 特別感スペシャルツアー
 「種差海岸」はどこを指すのか?
 JR八戸線には「種差海岸駅」がありますが、ここの住所は八戸市大字鮫町字棚久保。本来は「種差駅」でしたが、東北新幹線八戸延伸に合わせ、種差海岸への観光客を誘致するため現在の駅名に変更されました。
 「種差海岸」は、蕪島から大久喜にかけての約12kmの海岸線は、岩礁海岸・砂浜海岸・海食海岸など多様な地形が続くことから、1937年(昭和12年)に国名勝に指定されていますから、この範囲が「種差海岸」といえます。
 青森県では、「種差海岸」に階上岳を加えた地域を、「種差海岸階上岳県立自然公園」として1953年(昭和28年)に指定しましたが、2013年(平成25年)「三陸復興国立公園」誕生に伴い指定を解除しました。
 「三陸復興国立公園」は、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災による津波で陸中海岸国立公園の指定区域が大きな被害を受けたことから、震災からの復興および被害の伝承を目的として、2013年(平成25年)に、種差海岸階上岳県立公園及び八戸市鮫町の2地区を編入して指定された、全国に34ヶ所ある国立公園の一つです。
 葦毛崎展望台を後に、整備された遊歩道を歩きます。


 「中須賀」。岩礁の入り江に沿って遊歩道が整備されています。ここは花々が咲き誇る「花の渚」とも呼ばれる種差海岸を代表する景観の一つだそうです。
 「種差海岸散策ガイドブック」には、「花の渚」というサブタイトルが付いていて、花図鑑も載っています。種差海岸には、650種類を超える植物が自生していると言われています。


 初夏には遊歩道沿いに、ハマヒルガオ・スカシユリなどの海浜植物と、ニッコウキスゲ・ノハナショウブなどの高山植物が隣り合って咲く希少な場所だそうです。


 残念ながら、今の季節は花はありませんでしたが、寒さに耐えているハマナスの実を見ることができました。




 準備してくれたお水で水分補給。
 八戸圏域7市町に給水している、八戸圏域水道企業団のお水。




 太平洋に流れ込む地下水の小川というか筋を、幾つも見ることができます。


 岩礁が続くこの辺は、ミネラル豊富な地下水が流れ込むため、昆布やワカメの好漁場。と言うことは、雲丹やアワビの好漁場でもあります。


 前方に釜の口が見えます。


 山側を通る県道1号の道端に立つ「道」
 1950年(昭和25年)に描かれた東山魁夷の代表作「道」は、県道1号線がモデルとされ、作品を描いたとされる場所に「道」の碑が立っています。JR八戸線からは見ることは出来ません。なお、青森県道1号は八甲田を通る青森・十和田湖線でありましたが、国道103号・394号に指定変更されたため、1994年(平成6年)から当時県道19号であったこの道が1号に変更されました。


 「種差海岸」は、数多くの名作や、映画・テレビドラマの舞台にもなっています。


 振り向けば、遠くに鮫角灯台と葦毛崎展望台が見えます。


 お~。国立公園なのに、白御影石の立派なベンチ。
 釜ノ口と前出の間に、植生も切り取って砂利を敷いて…。何と無粋!と思うのは私だけでしょうか。
 国際的な社会奉仕連合団体が設置したようですが、国立公園内の工作物に厳しい環境省が、よく許可したものですね。


 大須賀海岸が見えてきました。
 無数の足跡。
 「みちのく潮風トレイル」のルートは、全て整備された遊歩道ではありません。このように海沿いの砂浜だったり、生活道路や時には路地裏の道などでつながれているそうです。


 大須賀海岸は広い砂浜ですが、離岸流などの問題もあり、遊泳が禁止されています。


 また、鳴き砂が鳴る海岸で「日本の渚百選」に選ばれています。


 鳴きました。鳴かせてくれました。


 ここは、「三陸ジオパーク 北部エリア」に属していて、火山運動の名残を見ることができます。






 青森県道1号は、「八戸うみねこライン」の愛称が付いているようです。


 ワンコインバス停留所でいうと「大須賀海岸」。ここまでゆっくり歩いて約1時間。再びバスに乗って移動です。
 
 つづく。

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