何冊目の「風の盆恋歌」であろうか おそらく10冊位にはなる。
初めて八尾の「おわら」を見た40歳位のときの感動を伝えたいが為に 以来すぐ手持ちの文庫本を
話の相手にあげてしまい その結果また自分の分をまた注文するはめになってしまう。
今の私は長らく八尾に行っていないが 心のなかに浮かぶ八尾のおわらで十分であり、いやその「おわら」は
高橋治氏によって描かれた小説と一体になり、三味線の音に乗せて日の暮れた坂道をゆっくりすすむ数人の
影法師だけしかいない 夢 幻 の世界。
いつもその風景に溶け込んで踊っている若い自分が居る。