指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

安江仙弘と四天王延孝 『日本人にとってエルサレムとは何か』

2020年01月26日 | 政治
『日本人にとってエルサレムとは何か』の5回目として、安江仙弘と四天王延孝の話があった。日本女子大の臼杵陽先生。
どちらも普通の人には有名ではないが、安江は「河豚計画」の提唱者として知られているかもしれないが。

                 

この河豚計画とは、戦前に満州国にユダヤ人を移民させて国を発展させようとするもので、日産の鮎川義助は賛同し、工場を国内から満州に移した。
この鮎川らの意図は、満州国を使って日米戦争を回避させるものだった。

ユダヤ人国家をどこに作るかは、様々な議論があり、中央アメリカやアフリカなどのもあり、現在のパレスチナのみではなく、その一つとして満州国もあったのだ。
安江は、陸軍の情報将校で、陸軍の上層部に実際に提案もしている。
今から考えるとユダヤ人の満州国移民など荒唐無稽に聞こえるが、当時は本気で考えられていたのだ。
そして、安江は実際1930年にパレスチナのキブツに行っている。
キブツも、1960年代は将来の社会の理想形態と考えられていて、多くの若者が行ったものだ。
横浜にいた新聞記者のK君も学生時代にキブツに行っていたが、聞くと非常に否定的だった。
だが、ソ連や中国の集団農場と共に、イスラエルのキブツは非常に注目されていた。
それは寺山修司も同じで、映画『書を捨てよ、町に出よ』の中で、
平泉征に『家族は将来はなくなり、集団的雑居になる」と言わせている。

四天王延孝も、陸軍将校で、ユダヤ人問題について多数の著作を書いた人だそうだが、臼杵先生によれば完全な反ユダヤ思想の人のようだ。
横浜朝日カルチャーセンター

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