経済なんでも研究会

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原油高騰の 危険度 (上)

2018-10-11 07:53:03 | 原油
◇ 国際価格が4年ぶりの高さに = 原油の国際価格が高騰している。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、10月に入ってから1バレル=75ドル前後の高値で推移している。この水準は昨年の2倍、16年初に比べると3倍の高さ。このため日本国内でも電気・ガス料金、ガソリン価格の上昇を招いているが、特に新興国の経済には深刻な影響を及ぼし始めている。

今回の価格高騰は、主として供給不足が原因となっている。まずベネズエラが経済危機に陥り、原油の生産も激減した。ところがOPEC(石油輸出国機構)は、加盟国に増産を要請せずベネズエラによる不足分を補充しなかった。加えてトランプ大統領が、イランに対する経済制裁を強化。EUや日本に対して、11月からイラン原油の輸入を停止するよう要請した。

専門家の間では「今回の原油高騰は長引くだろう」という見方が強まっている。供給不足を惹き起こしている原因が、みな一過性のものではないと考えられるためだ。価格が上昇すればアメリカのシェール生産は増加するが、それには時間がかかりそう。需要超過よりも供給不足で生じる価格上昇の方が、タチが悪いと言う専門家も多い。

じっさい新興国にとって、原油の値上がりは厳しい。アメリカの金利上昇で資金が流出し、いまは通貨防衛のために何度も利上げしている国も多い。そこへ原油高が加わると、輸出競争力が低下し、国内のインフレは加速する。その結果、景気が悪化して原油の需要も減少すれば、原油の国際価格も下がるだろう。だが、そうなれば世界経済はもっと厳しい事態に直面することになってしまう。

                               (続きは明日)

       ≪10日の日経平均 = 上げ +36.65円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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