横須賀うわまち病院心臓血管外科

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終戦記念日

2019-08-15 22:58:38 | その他
 今日は終戦記念日。太平洋戦争が終結してかなり時間が経過したからか、不思議なことに新聞の一面が終戦記念日の記事ではなかったことに驚きました。確かに戦争経験者が年々少なくなるなかで、周囲の地政学的な環境も変化し、また。日米の軍事同盟のかかわり方にも変化してきた昨今は、この数十年間のまさに平和ボケしている場合ではなくなってきていることを反映しているのかもしれません。

 この数十年、大きな戦争がなく、本当に平和な世界が実現され、東西の冷戦が終結してベルリンの壁が崩壊したときには本当に感動し、世相を反映する映画も、自由主義と社会主義が対決する戦争映画は作られなくなり、まさに世界は一つ、という時代が作られてきました。イデオロギーの対決の時代は終わった・・・。その一方で、いまだに軍事政権が国民を圧迫している、テロ組織が世界の秩序を壊そうとしてる、絶妙なバランスで保たれていた平和を、現状変更して不安定するこころみをする国家が多数ある。決して恒久平和が実現しているとはいいがたい世界であることも間違いありません。

 一部の先進国が世界の後進国を植民地化し、ブロックを形成して戦う時代ではなくなったため、大規模な戦争はないかもしれませんが、その代わりに局地的な紛争などは容易に触発されそうな時代でもあります。

 平和を維持するにはそれなりの力とエネルギーが必要なのは間違いありませんが、やはり、世界が平和であってほしい、この願いは世界の人の多くの共通する願いであり、二度と戦争はしてほしくはないし、我が国に戦争を仕掛けてくるのもやめてもらいたいです。

 日本はかつて、連合国に敗戦したことは事実ですが、国内では敗戦記念日とはいわず、終戦記念日という言葉を使っています。現在の日本国民にも多くの被害が出たのも事実で、終戦を国民も喜んだ、という意味、そして、日本が欧米列強に屈することなく、植民地支配から世界を解放したことが、アジア諸国ひいてはアフリカ諸国の独立につながったことが日本が戦争を起こすことによって世界秩序を現在の形、自主権を根付かせることにつながった、このために日本という国が戦争には負けたが、世界を日本がかえた、このことを称えて終戦記念日、と呼んでいるのだ、という意見もあるそうです。

 ベルリンの壁が崩壊して、マーケットが世界を一つにした。そして、BRICsが生まれ、中国が台頭してきた。これは資本主義および自由経済主義社会の勝利と思われました。しかし、非民主主義国家が強力になることを許してしまったことも事実で、これによってまた独裁主義による人権侵害など、戦争に匹敵する人類への悪行がまた行われる危険があること、懸念してなりません。

 戦争や人権侵害のない恒久平和な世界が一日も早く実現することを切に希望してなりません。
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