山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

自然数、整数、有理数、無理数、虚数

2020-05-25 | 数学・物理嫌いを克服する部屋
 「自然数ってどんな数」と聞くと⇒1,2,3,・・・
では「整数は?」⇒1,2,3,・・・ 「アッ、それにマイナスつけたもの」、「それに0も」
と答えられれば、まだ良い方でしょう。
 ほとんどの子は、黙りこくってしまいます。

 自然数、整数を答えられた優秀な子でも
「有理数は?」と聞くと撃沈です。無理数まで説明できる子となると極まれにしかいません。ましてや虚数をや!

 数学がある程度できる子でも意外とチャンと説明できる子は少ないものです。これらの言葉そのものは教科書に何気なく説明してありますが、本来はとてつもなく深遠なものがあります。だから解らなくて当たり前なのです。

 ただ、今のところは自然数は、1,2,3,・・・と指折り数えられる数だと覚えておけば良いと思います。これは人類が初めて数の概念を獲得したときのものだと考えます。獲物の数、人数、その辺りにころがっている石ころの数、などなど1つであれば⇒1、二つであれば⇒2といった具合に表すことができるということに気付いたのではないかと思います。

 整数はこれに負の世界とゼロを加えたものです。これは、「自然数」+「自然数」⇒「自然数」になりますが、「自然数」-「自然数」は必ずしも「自然数」になりません。でも整数の世界では「整数」+「整数」⇒「整数」、「整数」-「整数」⇒「整数」、おまけに「整数」×「整数」⇒「整数」となります。
これで加減乗算まで同じ数の世界で表すことができるようになりました。

 しかし、「整数」÷「整数」は必ずしも「整数」とはなりません。例えば2÷3を考えればすぐお判りでしょう。そこで「有理数」の登場です。「整数」÷「整数(≒0)」⇒「有理数」とします。そうすると加減乗除が同じ数の世界で表すことができるようになりました。

 次に、直角二等辺三角形の斜辺の長さのように「有理数」で表すことができない数が出てきました。これが「無理数」の世界です。「有理数」を小数で表すと1.23とピタリと表せるものと1.234234234・・・のように際限のない小数(循環小数)になります。しかし、無理数は循環せずに際限なく続く小数です。その代表例がπ(円周率)やe(ネイピア数)でしょうか。
これまでの数を総称して実数と言います。

 更に、2次方程式の解の公式の平方根の中が負の場合には、実数解なしとして扱ってきましたが、これが負の場合を考えてみましょう。即ち、2乗すると負になる数というものです。これを「虚数」といいます。例えば√-2を2乗すると-2となる数で√2iと表記します。
こんなもの導入して何になるのでしょうか。しかし虚数の導入は実に大きな成果をもたらしてくれます。現代科学は虚数なしには成り立たないといって良いほどかと思います。
 その見事な例を挙げますと、




 ノーベル賞物理学者ファインマンをして「我々の至宝である」と言わしめた美しい式(オイラーの公式)があります。虚数と無理数である円周率とネイピア数が結びつき、その結果が-1になるという何とも感動的な式です。

 このように自然数に始まって人は数の世界を拡張してきました。これ全て人の頭脳の中から生み出されたものです。過去何千年(いやもっと長いか)もかけて人類が獲得してきた英知を現代人は高々20年程度で学ぶことができるのです。しかも、完璧な教科書があり、教師の指導付で制度的・組織的に教えてもらえるのです。このような贅沢なことが他にあるでしょうか。なのに難しい、嫌い、不得意などといったことで何故学ぶことをしないのか。私には理解することができません。
 学びには困難がつきものです。社会人になれば未知の問題を解決しなければならないことが多いものです。こんな時に既知のことすら学ぶことをしようとしない人たちが未知の問題を解決できようはずもありません。

 何事も努力なしに成果を出せるはずもありません。難しい、嫌い、不得意などといったこを免罪符にして欲しくはありません。





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