「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

DAコンバーターに思う

2019年10月22日 | オーディオ談義

レコード愛好家はこの世にまだたくさんいらっしゃるが、我が家のようにCD派にとっては、システムのサウンドを大きく左右するのが「DAコンバーター」になる。

あらゆるデジタルの音声信号がここを通ってアナログ信号に変換されたうえでアンプに届けられるのだから、その精度が大切なのは当然ですよね。

ご承知のとおり頭文字を取って別名「DAC」(Digital to Analog Converter)ともいう。

それこそピンからキリの世界なので様々な機種が溢れかえっているが、自分のように10年以上も前のDAC「エルガープラス」(イギリス:dCS)を使っていると、現在ではもはや時代遅れの感は否めない。

なにしろデジタル技術は日進月歩だし、最新鋭の機種はいったいどういう音を出すんだろうといつも気になっている。

そういう状況の中、つい先日オークションに出品されていたのが「ORCLE」(オラクル)のDACだった。

    

定価で121万円(サンプリング周波数192KHz)の高級機種だが、昔の機種だし10万円以内なら「買い」だなと眺めていたらあっという間にオーバーしたのであっさり諦めた。最終的な落札価格は23万円だった。

高っ!(笑)。

なぜ「高っ!」というと、実は今や中国製のDACの優れものが安価でゾクゾクと登場してきているのである。中国のデジタル技術は「5G」の開発に象徴されるように凄い段階に来ているそうだ。

ただ中国製と言ってもやはりピンからキリの世界でしっかりしたメーカーとそうでないメーカーとの差が極端だそうだが、前者に当たると、最新鋭の安くて高性能のDACが手に入るのだから注目に値する市場である。

そこで、その辺にお詳しい「北国の真空管博士」にご登場していただき、解説をお願いしてみた。

それでは以下のとおり。

「DACのサンプリング周波数についての私見」

ToppingのD10はコストパフォーマンスで群を抜いているようですね! https://lantern.blog/topping-d10

デジタルオーディオにおけるサンプリング周波数の上昇は目覚ましく普及価格帯のものでも384Khzが当たり前の時代となりました。

DAC自体の集積率も加速度的に上昇しています。 今まで外付けであったものがDAC中に集積されたために小規模のガレージメーカーであっても最小限の外付けパーツで高品位な製品が製造可能となったのです。

そんな中サンプリング周波数の上昇が再生品質に及ぼす影響を考察してみました。

一般にサンプリング周波数の上昇は再生可能周波数の上昇を意味するものととして捉えられがちです。 理論的にはサンプリング周波数の半分の周波数まで再生可能となります。

たとえば384Khzのサンプリング周波数であれば192Khzまで再生可能です。 真空管アンプマニアとしては無用の長物ともいえる再生限界です。

では、384Khzのサンプリング周波数が真空管アンプにとって何のメリットも無いかと言えばそうではありません。 たとえば1Khzの信号に対して48Khzでサンプリングするのと384Khzでサンプリングするのとでは大きな違いがあります。

384Khzでサンプリングする方が8倍細かくサンプリングすることになりフィルターを通す前の波形の再現制度が向上します。 DA変換直後の波形は階段状の歪なものでありフィルターで滑らかにして出力されますからきめ細かな階段の方が有利なのです。

複雑な波形であればあるほどサンプリング周波数が高い方がより正確に原波形を再現できるといえます。

今度はCD再生に384Khzのサンプリング周波数が有効なのか考えてみます。 ご存じのとおりCDのサンプリング周波数は44.1Khzです。

384KhzのDACへの入力を考えると44.1Khzのまま入力するか384Khzにアップサンプリングして入力することになります。

44.1Khzで入力してそのままDA変換する場合は通常のCD再生そのものです。 384Khzにアップサンプリングする場合はどうでしょう。

この場合はどこでアップサンプリングするかによって微妙に異なります。 パソコン等でアップサンプリングする場合にはアップサンプリングするソフトウエアのアルゴリズムに依存します。

DAコンバーターにアップサンプリング機能が内包されている場合はその性能に依存します。 色々と調べてみるとDAコンバーターでアップサンプリングする方が有利な場合が多いようです。

DAコンバーター側でアップサンプリングする場合には一緒に強力なジッター除去が行われるからです。 CD音源であってもDAコンバーター側でアップサンプリングすればジッター除去の恩恵が得られます。 (ジッターはノイズやデータ欠落の原因となり音質を阻害する)

(ToppingのD10はアップサンプリング機能とジッター除去機能を持っています。)

現在のDAコンバーターの殆どはレシーバー+DACIC+オペアンプICの構成で成り立っています。 DACICとオペアンプICに評価の高いものが使ってあれば製品の評価が高いようです。

DAコンバーターの中にはオペアンプICの交換を前提としてICソケットタイプの製品がありますから注目です。

真空管の差し替えのように評価の高いオペアンプICに差し替えできるのです。

ただしオペアンプICは偽物が多く出回っているので信頼のおける販売店から購入しましょう。 アマゾンでは偽物が横行しています。 国内では秋月電子がお勧めです。

もっと技術的な部分に踏み込んだ解説もできますがかえって分かりづらくなるので今回はこの辺で。

以上のとおりだが、サンプリング周波数については今や「384KHz」を軽く通り越して「768KHz」(192KHzの4倍!)の代物が桁違いの安価で手に入る時代になっているそうで、これを簡単に見逃す手はないと思いますよ(笑)。

この内容に共感された方は励ましのクリックを →     

 

この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 声の温故知新 | トップ | ジャズ「Art Pepper mee... »
最新の画像もっと見る

オーディオ談義」カテゴリの最新記事