令和弐年11月28日(土)
今日からは設計の実習と社長から言われたが、何かの実務がある訳でも無さそうだ。
午前中は、試運転間近の設備の組立見学実習を命じられた。
組立場所には、沢山の大小部品や図面などがゴチャ置きしてある。
組立作業者は三人。
作業指示は設計者。
部品チェック。
シャフトが太過ぎてベアリングに嵌まらない?
シャフトを工場長に渡して、微妙に修正する。
細過ぎるシャフトはオシャカ!
図面を工場長に戻して、最初から作り直しを命じる。
全てのネジ位置を仮組みでチェックし、間違いがあれば、これも再加工に回される。
などなど。
殆どの製作部品はこんな有り様で、組立を開始するレベルでは無い。
転がってる油まみれの部品図面を拾って眺めた。
寸法の記入漏れが沢山のある。
寸法に誤差範囲の指定が無い。
立合い中の設計者に聞いてみた。
『寸法抜けは、図面を測る』
『嵌め合いは、現物合わせ』
平然と言う。
驚いてしまった。
組立など始まりそうも無い。
見学は勝手に中止した。
席に戻ってボーッとしていた。
(もしかして、とんでもない会社に入ってしまったのか?)
『◯君、昼飯でも食いに行くか』
社長に誘われて、線路脇の例の食堂に入った。
カツカレーと食後の珈琲を奢って貰い、少し話した。
︙
社長、驚きました。
寸法に公差指示が無いから現物合わせしてましたよ。
客先に搬入してからも故障や劣化がありますよね。
現物合わせじゃ、部品交換やメンテナンスに対応できません。
︙
うちの仕事は「一品料理」が多くて、同じ物の多数注文は無いから、そんな風になってしまった。
それじゃダメだとは分かってる。
設計を任せてる奴も、言ってみれば無資格の素人なんだよ。
無駄が多いことも分かってる。
だから専門の◯君に期待してる。
︙
事務所に戻り、専用ロッカーから古い図面を出して眺めた。
1台の設備で、設計製作を要するに部品数は多い。
部品1個で図面1枚とも限らない。
その設備図面は100枚以上あった。
(これを1人で描いてたのか!)
問題多い図面ばかりではあるが、枚数を粉す馬力には感心した。
検図もせずに加工手配され、オシャカも沢山出てるようである。
(これじゃダメだな!)
設計者と話し、色々と聞いてみなければならない。
辞めることになってるそうだが、何故なのか?
とても気になる。
(続く)
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