言葉のスケッチ

彩の国北東部に生息しています。

あの日から⑧

2020年11月29日 | 日記
令和弐年11月28日(土)


今日からは設計の実習と社長から言われたが、何かの実務がある訳でも無さそうだ。
午前中は、試運転間近の設備の組立見学実習を命じられた。

組立場所には、沢山の大小部品や図面などがゴチャ置きしてある。
組立作業者は三人。
作業指示は設計者。

部品チェック。
シャフトが太過ぎてベアリングに嵌まらない?
シャフトを工場長に渡して、微妙に修正する。
細過ぎるシャフトはオシャカ!
図面を工場長に戻して、最初から作り直しを命じる。
全てのネジ位置を仮組みでチェックし、間違いがあれば、これも再加工に回される。
などなど。
殆どの製作部品はこんな有り様で、組立を開始するレベルでは無い。

転がってる油まみれの部品図面を拾って眺めた。
寸法の記入漏れが沢山のある。
寸法に誤差範囲の指定が無い。

立合い中の設計者に聞いてみた。
『寸法抜けは、図面を測る』
『嵌め合いは、現物合わせ』
平然と言う。

驚いてしまった。
組立など始まりそうも無い。
見学は勝手に中止した。

席に戻ってボーッとしていた。
(もしかして、とんでもない会社に入ってしまったのか?)

『◯君、昼飯でも食いに行くか』
社長に誘われて、線路脇の例の食堂に入った。
カツカレーと食後の珈琲を奢って貰い、少し話した。
社長、驚きました。
寸法に公差指示が無いから現物合わせしてましたよ。
客先に搬入してからも故障や劣化がありますよね。
現物合わせじゃ、部品交換やメンテナンスに対応できません。
うちの仕事は「一品料理」が多くて、同じ物の多数注文は無いから、そんな風になってしまった。
それじゃダメだとは分かってる。
設計を任せてる奴も、言ってみれば無資格の素人なんだよ。
無駄が多いことも分かってる。
だから専門の◯君に期待してる。
事務所に戻り、専用ロッカーから古い図面を出して眺めた。
1台の設備で、設計製作を要するに部品数は多い。
部品1個で図面1枚とも限らない。
その設備図面は100枚以上あった。
(これを1人で描いてたのか!)
問題多い図面ばかりではあるが、枚数を粉す馬力には感心した。

検図もせずに加工手配され、オシャカも沢山出てるようである。
(これじゃダメだな!)
設計者と話し、色々と聞いてみなければならない。
辞めることになってるそうだが、何故なのか?
とても気になる。

(続く)



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2 コメント

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フォローのお礼 (あきそら)
2020-11-29 06:37:49
初コメントをさせていただきます。あきそらと申します。フォローいただきありがとうございます。拙いブログですけれどもよろしくお願いいたします、興味深いお話で勉強になります。記事更新楽しみにしています。
Unknown (takechiyo_1949)
2020-11-29 07:14:15
@akisora1222 さん
コメントありがとうございます。
拙GooBlog《備忘録》は、数十年間の思い出深い方々との出逢いを記録しようとの狙いで書いています。
雑談ばかりになりがちで、自分でも困っていますが、凡人の書くことですから御容赦願います。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

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