囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

桜は散っていなかった

2020年11月26日 | 雑観の森/政治・経済・社会

 


語られなかった真実の行方

 ~ 公文書も領収書も破棄した という怪 

 ~ 検察はどこまで踏み込むつもりか の巻】

 

 

日本紀などは、ただ片そばぞかし(紫式部「源氏物語」蛍)


六国史などの官撰国史の総称を日本紀(にほんぎ)と呼ぶ。

歴史書などは 事実を語っているようであるが

実は ほんの一面を描いているにすぎない という。

 


これは主人公・光源氏に語らせる有名な物語論の一節である。

原文では、この後

「これらにこそ、道々しく詳しきことはあらめ」

と続く。

これら とは物語のこと。

 


田辺聖子の現代語訳「新源氏物語」では

「源氏は笑った。

そして、ややまじめになり、

『ほんとをいいますと、小説、物語というのは、

神代からこの世にあることを書き残したものでしてね。

正史といわれる日本紀などは、ほんの社会の表面の一部分にすぎないのだよ。

小説の中にこそ、人間の真実が書き残されているのだ。(後略)』

玉鬘(たまかずら)は、ひたと源氏を見つめてうなづく。」

とある。

 


つまり紫式部は、

物語というのは単なる作り話ではなく

虚構を借りて人生の真実を追求しているのだ

と主張しているのである。

 


なるほど、現代の権力中枢においてもなお

公文書や領収書が破棄される という信じがたい現実がある。

つまりは、正史は権力に都合よく作られるとしたものだ。

こうしてみると、いにしえの物語論に

新鮮な響きを感じるのではあるまいか。

藪の中にある真実、真相、深層は あぶりだされるのか――。

 

 

 

 


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