普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

川柳くろがね吟社紹介「紅つけて女だったと思う今日」

2019-10-19 15:29:34 | 川柳
川柳くろがね10月号より
前月号鑑賞 小川 清隆 選評
「考えに考え抜いてこの程度」      土肥あづま
 下手な考え休むに似たり。囲碁、将棋での世界のこと。出来上がった句に推敲を重ねて、納得出来るような句は出来ぬものである。推鼓を重ねることが血になり、肉になるものと思う。「塗り足して塗り足してきてわやにする」。

「完壁な夫などいない今悟る」      角 ひさ子
 人は皆完壁を求めて坤吟している。他人に完壁を望む前に自分が完壁になるぺさ。しかし一分の隙のない人ほどつまらぬものはない。ほどほどが丁度良い。完璧でないから人間、と心得ている。

「紅つけて女だったと思う今日」     神谷 幸恵
 「化粧しなくなると女でなくなった」「灰になるまでは女の香を残す」。おしゃれすることは自分を取りもどすこと、自分を確保すること。「化粧したら犬が寄りつかなくなった」、時には厚化粧するのも気分転換になるのかも。

「振り向けばまだ手がゆれる郷の母」   矢野 隆
 親にとっては子が60歳、70歳でもかわいい子どもである。「70歳まだ母さんに甘えたい」 それが親と子の情愛。母は太陽であり、その愛は遠大なもの、大事にしたいもの。

音叉 (前月号より)
 吉冨 廣、松井 昌子、水谷 そう美、安川 聖 推薦
条件をけずれば通る針の穴    中村トシ子
雑踏に操まれて嘘が上手くなる  安川 聖
軸足を命の上に確と置く     松村 華菜 (二名推薦)
おだやかに心開いてボールペン  古野 つとむ
兄ちゃんは小さくなってパパの膝  吉丸 玲子
いい話拾うページを捲るたび    前田 伸江
激辛も甘さも欲しい思考力     吉富 虞
青春の袋小路で母の鈴       中山 和
玉ねぎの力を借りて泣いている   吉丸 玲子
大根といわれて八十の歩が弾む  松井 昌子
いつからかお世辞のすきな耳になる 神谷 幸恵 
丸い石誰もが腰をかけられる   吉富 唐
子守唄聴いてだんだん人になる  時津 みつこ
見たかったこのパラ選ぶとさの顔  坂梨 和汀
力-ナビの押し付けがいや地図を見る 古谷 龍太如
山坂というが過ぎれば一ページ   的場 しずえ
振り向けばまだ手がゆれる郷の母  矢野 隆
あの日から十月十日で母の顔    安部 ももこ
コンビニは出来たが医者が消えた村 田中 和正

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