新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

残業2000時間問題:むしろ地域医療を崩壊させると思います

2019-01-20 09:51:00 | 医療

おはようございます。

 

昨日は地鎮祭などを行いました。これでいよいよ着工です。

色々あって1年以上の月日がかかりましたが、今年は新しい家で過ごす時間が長くなりそうです。

 

今から越谷レイクタウンに行きたいという娘の希望のため、出発予定ですが1つだけ記事を書きます。

コメントにもいただきましたが、勤務医の残業上限2000時間という話の続きです。TBSニュースからです。

 

勤務医らの労組、「残業上限2000時間」に反対

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3576295.html

 医師の残業時間の上限を年間2000時間とする案について、勤務医らでつくる労働組合などが会見し、反対を訴えました。

 「(一般労働者の残業上限の)2倍というのは、とても法律の基準に近いというものではあり得ないので」(全国医師ユニオン 植山直人代表)

 

 厚生労働省は医師の残業規制について、地域医療を維持するため、特定の医療機関では過労死ラインの2倍に相当する年間2000時間を上限とする案を示しています。これに対し、17日に会見した労働組合や過労死を考える家族会の代表らは「厚労省の暴挙だ」、「過労死が絶えない現場では優秀な人材は集まらない」などと強く批判しました。

 

 「医師の善意の使命感に支えられてきた。どれだけ多くの医師が命を落とされたことか」(東京過労死を考える家族の会 中原のり子共同代表)

 労働組合などは、週明けにも厚労大臣に反対する声明を提出する予定です


いただいたコメントの返信にも書きましたが、多分「残業時間上限2000時間」は地域医療の崩壊を促すと思います

 

先日、残業2000時間もやっていた時期あったなぁ〜。できなくはないかもしれないなぁ・・・(笑

みたいなコメントを書きましたが、これはやれと言われてやっているわけではなく、自分の経験と患者さんのためにできることを追求した結果がこうなったというものです。

 

それに対して「2000時間までは残業して良い」というのは個人的にはNGのような気がします。

 

まず1つ目に医師の動機の問題。

人から言われて残業する(地域医療が成り立たないから、2000時間までは残業しろ)のと自分の意思で残る(地域の人たちのためにできることをしよう)では、医師のモチベーションの違いが大きいと思います。

2つ目に過労死の問題。

2000時間までは働いていても良いとされてしまうと、1800時間(普通の人だと上限の約2倍)で過労死したとして、医師の上限はまだ超えていないので許容だとされかねないこと。

3つ目に地域の病院の収益の問題

残業代というからには残業代出すんですよね?2000時間分の残業代。

今まで医師の良心でその辺をごまかしていたのに・・・(笑

 

そんなことを思っております。ということで、これから家族サービスです。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

 

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4 コメント

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地鎮祭お疲れさまでした (女王様)
2019-01-22 23:41:02
冠婚葬祭とか めったにやらない粛々とした儀式は案外疲れちゃいますよね。
お天気に恵まれて良かった。 この時期のおひさまはウトウトしてきます。
大人になった時 お嬢様は覚えているかな?

順調に進めば春には入居ですね。 楽しみですねー。お引っ越しは大変な作業ですが。
平成も残り百日を切ったそうです。 平成って最初に聞いたときは へんな元号だな と思いましたが終わるとなるとなんだかさびしいんですよね。
私は激動の30年でしたし、アンフェタ先生もまさか医師になり家庭を持ちおうちを建てることになるとは 考えもしなかったでしょうね。

2000時間問題。
職場のテレビで見ていて誰かが「医者なら時間外一万円くらいあるだろうから、残業代だけで年間2千万もらえるのか!」 「労災にならないように1990時間に抑えて問題ない、て処理するんだろね」 等と口々に語っておりました。
2,000を12ヶ月で割ってさらに月20日で割って… 規定時間8時間にあと8時間働けってか(笑) 風呂とメシと寝るしかないじゃん?と。
で 結論として「時間外2千万もらえてもやりたくはない」「まして他人の命を、自分の命削ってまではなー」 と 相成りました。

このままなら本当に地域病院に勤務を希望する医師なんかいなくなります。
いっそのこと 国家試験と別に各都道府県ごとに登録にするとか。
岩手はもう嫌だ、都心の病院で働きたい なら都の試験で登録しなくちゃならないみたいな 。
逆に 地方に赴任したら手当をつけるとか 何かしらの手段を考えなくてはどうにもならないでしょう。
医師になることが夢だとして 現実は夢も希望もないのはかわいそうです。
かと言って 国家試験を甘くして全入学にしちゃうと 医師のレベルが下がってしまうし‥。

今のキラキラネーム女医は 頭は良かったのか知りませんが 態度や話し方が横柄でカチンと来ることがあります。
「リンが高いんだよねえ」←患者とはいえ倍くらい年上にタメグチは如何なものかと
リンはなんなのか・高いとどう悪いのか。そこをきちんと説明しないで「もっと食事考えてね」 とは。

こうなるともう 恐らく相性が合わないんでしょうね。 お互い笑顔もなくなります。
嫌な透析がますます気が重ーくなったりして。

ネチネチしたクレーマーみたいですが 医師から見れば患者は目下かもしれないけど。
‥白衣ポケットに手を突っ込んだままベッドの患者としゃべるのは あまりに不快ですよ。

患者に媚びへつらう必要はないけれど ポケットに手を入れたままとか腕組みしながら人と話すのは エチケットとしてズレてます。
努力して勉強して後期研修医になったんでしょうけれど、社会人として足りない。
どんなに忙しくても 医師不足でも「診てやってる」的な態度、もしくはそう受け取れる態度はよろしくないと思いました。
長時間労働はこんなところにも出てしまうのでは?

ついこの間 クリスマスイブだの正月だのバタバタしてたら、もう1月も1週間くらいしかないんですね。
早っ。
朝、犬散歩に行くと明るくなるのが早くなったなぁ と実感します。
今朝は東側の空が明るくなり 西側にスーパームーンのきれいなお月様の両方が堪能できて、何かいいことがあるかな♪ と元気が出ました。
庭の白梅も一輪だけ咲いていて 春の予感を感じて。
もうすぐ お嬢様も年中さんですね。 早い(笑)。


インフルばかりか 案の定風疹もリンゴ病も大流行しているようです。
ご家族皆さんが何事もなく 元気で一月が終われるといいですね。
日々 透析通院してると何かうつされそうで ビビっています(笑)。
Unknown (Voice of ER)
2019-01-25 23:45:06
 再度コメント致します、Voice of ERです。
 残業時間上限を決めているのは、臨床経験がほぼ無い厚労省官僚と、開業医が幹部の大半を占める日本医師会です。勤務医では無い人らが、勤務医の現場の声を拾う努力すらせず政策を決定しているんですよね。
 まるで敗戦前の日本軍のようだ、と私は思います。ノモンハン事件で散々な目に遭ったのに、上層部は自分らのテキトーなガバナンス(大本営と関東軍の意思疎通の不備, 精神論に依存して、装備の近代化を怠ったツケ)について責めを負うことなく、むしろ前線で貴重な戦訓を得た現場の指揮官らに責任を転嫁して自決すら強要しました。
 また、太平洋戦争でも大本営といった上級司令部は、前線の状況の把握を怠ったまま指令を下したので、前線の指揮官らは互いの擦り合わせで実戦を戦いました。その結果、本来の作戦目的から逸脱してしまったり, 損耗した航空機の戦力を埋める為に、前線指揮官の判断で神風特攻隊という異常な戦術が出てきたり、といったデメリットが生じたのです。
 いい加減、厚労省や医師会, 全国医学部長病院長会議といったメンツには、自分らの判断が前線や将来の世代にとんでもないツケを回しかねない事に気づいて欲しいです。
医師患者関係は大事ですよね (アンフェタミン)
2019-01-26 05:56:58
>女王様さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

確かに月日の経つのは早いもので、僕も自分が医師になるとは思っていませんでしたし、埼玉に家を買うとも思っていませんでした(笑
札幌だろうとばかり・・・。

まぁ、常識のある人が常識的に考えればこの話は出てきません。普通に考えればいいのですが、普通に考えられない人たちが上の方にいるのだろうと思います。

看護師さんは国家資格である正看護師と都道府県の資格である准看護師がありますので、そういう資格を作る方法もあるかもしれませんが、色々大変になるような気がします。

医師患者関係、合わない人は合わないのですよね。逆にこの人たちはなぜ気があうのかということもありますが。
医師が患者を目下と思っていたらダメですね。患者さんから必要な情報が取れなくなりますし、そういう風に患者さんから思われるようではダメだと思います。

長期時間労働だからということはないかもしれませんが、態度が悪くなることはあるかもしれませんね。疲れているときに色々言われると、いい加減にしてくれと思うこともあります。

色々流行り病もありそうですが、お体に気をつけてください。

また、コメントいただければと存じます
情報戦で負けるパターンですね (アンフェタミン)
2019-01-26 06:04:29
>Voice of ERさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

昔からそうですが、現場にいない方々が色々政策などを決める傾向がありますよね。現場の声を聞かずに。

おっしゃられるように日本の旧軍のような印象も受けます。情報戦で負けて、判断を誤り、それをどうにかしようとして泥沼化していくというやつですね。

一部の医師は将来の国民や後世の医師のことは考えていなくて、歯科医師のようにならないように(医師あまりに)ならないようにと考えているようです。

一度旗を掲げると上の方はなかなか旗を下ろせないのかもしれませんが、自分たちの言っていることをよく考えて欲しいとは思います。

また、コメントいただければと存じます

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