祝!グレン・クローズ、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞!
「天才作家の妻 40年目の真実」71点★★★★
******************************
現代文学の巨匠・作家ジョゼフ(ジョナサン・プライス)は
その朝、1本の電話を受け取る。
それは「ノーベル文学賞受賞」の知らせだった。
40年、苦節をともにしてきた妻ジョーン(グレン・クローズ)と
手を取って大喜び――!だったが
しかし、どこかジョーンの様子がおかしい。
そこには夫が隠してきた、ある「秘密」があった――。
******************************
夫の「秘密」にまつわるミステリーかなと思うんですが
間に挟まる、妻ジョーンの回想シーンで
意外と、早々にネタがあがります。
事の発端は1958年。まだまだ女性作家は活躍できない時代。
そんな時代に夫は、教授として教え子だったジョーンに出会う。
ジョーンは、文才ある優秀な学生だったんですね。
で、二人は恋に落ち、結婚する。
で、その後、夫は妻の「支え」あって人気作家となるわけですが、
その「支え」って、いったい?――という。
ノーベル賞、という題材は特殊だけれど
長年のパートナー間には多かれ少なかれこういうことはあるよね、という
妙に共感できる話なんです。
夫婦間のパワーバランスというのでしょうかね、
「片方が片方を喰った」とか「犠牲になっている」という思いが
こういう状況を引き起こしているわけで。
では、ズバリ、妻は夫のゴーストライターだったのか?ってことなんですが
いやいや、
ノーベル賞という最高名誉を前に、妻の感覚も歪められているのかもしれない。
その真実こそが、最大の「秘密」というわけです。
「ノーベル賞、取っちゃった~!」とベッドで飛び跳ねる
無邪気な夫、ジョナサン・プライスも名演ですが
やっぱりグレン・クローズの芝居が圧巻。
夫が賞賛を浴びる横で「なんか、モヤモヤ!」という
心境の露出が見事であります。
せっかくのハレの旅行や食事なのに
夫「どうしたの?機嫌悪いの?(無邪気)」
妻「なんでもないわよ!(イライラ・・・)」みたいなの、これもあるよねえ!(笑)
そして
回想シーンで若き日の彼女を演じるアニー・スタークにも注目。
美人すぎるなあ、でもグレン・クローズも昔はこんなニュアンスもあったなあ
とか思いながら観ていたら
なんとグレン・クローズの実のお嬢さんなんですよ!
ううむ、これぞ、年輪。
映画com.さんにもレビュー、書いてます~
★1/26(土)新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。